僕は今、福井県自治会館(福井県福井市)で行われている、「福井県介護支援専門員協会主催・介護支援専門員資質向上研修研修、スーパービジョンとOJT」で講師を務めている最中だ。
今日の講演は10時から始まり午後4時30分まで続く予定だ。途中で短い時間のグループワークを挟んで、正味5時間の講演である。講演テーマは、『すべての「人財力」を活かす魅力ある職場つくりのために』であり、人を育てるOJTやスーパービジョンの在り方を中心に話を展開させている。
そんなわけ昼休みの時間を使ってこの記事を更新している。ということで本題に入ろう。
12月27日の社保審・介護保険部会でまとめられた意見書には、地域包括支援センターが居宅介護支援事業所に委託しやすい環境を作り出す観点から、具体策を構想すべきという内容が盛り込まれ、「介護報酬上の対応についても検討が必要」と明記された。(※リンク先の意見書の7頁)
要するに予防支援費の単価をもっと高くすることで、居宅介護支援事業所が予防プランを受託しやすい環境を作り、予防支援計画を居宅介護支援事業所へ委託するケースをもっと増やしたいという訳である。
それはなぜかというと、地域包括支援センターが予防プランマネジメントに業務の時間をとられ、地域支援に力を発揮できないという状況がある。ここにメスを入れて地域包括支援センターの機能強化を図ろうという対策である。
その背景には高齢化で相談支援のニーズが増大しているほか、地域全体を見据えた連携・調整のコーディネート、地域ケア会議の運営などの重要性が高まっていることが挙げられる。それに加え、今後政府が推奨する、「全世代型社会保障」の推進のために、地域包括支援センターが高齢者のみならず、育児支援や児童支援、障害児者支援にも関わっていくことが予測され、その準備や教育にも時間が取られていくことを見据えた対策ともいえる。
が・・・しかしである。
だからと言ってその対策として予防プランの委託を進めるのはいかがなものか。それよりもっとマシな方法があると思わないだろうか?そんな対策より、予防と介護でマネジメント主体が違うという制度の複雑さをなくす議論を行うのが筋ではないかと思う。
介護保険制度が誕生した際には、高齢者の介護サービスについて、居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーを窓口にさえすれば、総合的に調整が行われ支援が受けられるという、「ワンストップサービス」が実現したのである。そのことに一番の意義と成果を感じた人が多いはずだ。
しかしそれを崩壊させたのが制度改正であった。介護保険サービスを予防サービスと介護サービスに分断し、予防プランを地域包括支援センターが担当することにしたことによって、予防プランと介護プランと、それに付随する各種サービスは寸断され、ワンストップサービスはそこで崩壊したのである。
そんなふうに予防プランと介護プランが寸断・分断されてしまった過去を反省して、予防プランも居宅介護支援事業所の主管に戻せばよいだけの話である。その方が制度はスッキリわかりやすくなるし、利用者にとって予防と介護の時期で計画担当者が変わるというデメリットがなくなる。
そもそも予防プランを、介護予防に精通した地域包括支援センターの保健師が担わなければ、自立支援ができないという理屈はすでに崩壊しているのである。そのことは、そんな成果は挙がっていないという事実が証明している。
それにしても介護保険部会の委員はなんとお馬鹿な議論を繰り返しているのだろうか。脳みそが機能不全の連中が寄り集まって、いったいどんなふうに制度が改正されるというのだろうか。
ワンストップサービスの再生。それが一番良い結論なのである。
※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの最新刊「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
※TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
※キャラアニのサイトからも送料無料になります。
※医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
※アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。
masa
がしました