今年の新成人の数は122万人で、前年より3万人の減少となり、10年連続で総人口に占める新成人の割合が1%を割り込むことも確認されている。
それだけ生産年齢人口の数も、全人口に占める割合も減っているという意味で、我が国全体の労働力不足はますます悪化の一途をたどると思われる。
僕の住む登別市を含む西胆振の6市町でも事情は同じだ。昨年より新成人の数は121人も減っているのだから、この地域の労働力も不足の一途をたどり、全産業で人材確保が課題となり続ける。
そんな中で介護労働は、一段と深刻な事態に対処せねばならない。
介護職員に対する処遇改善加算によって、介護職員の賃金は確実に上昇しており、データの抽出方法によっては、女性だけを取り上げればその額はすでに全産業平均給与を上回っているという見方もある。にもかかわらず介護の仕事は相変わらず若者に人気がない。
特に過去のネガティブキャンペーンの影響が残り、相変わらず3Kあるいは5Kというイメージが根強い介護の仕事に対して、高校の進路指導の担当教員の拒否感は依然強いものがある。介護福祉士養成校に進学しようとする生徒を職員室まで呼び出して、その考え方を変えるように進路指導する教員が全国にたくさん存在している。
だからこそ介護事業関係者は、もっと発信力を持って、介護の職業は決して低賃金の重労働ではいことをアナウンスしていかねばならない。きちんと資格や技術を得ながら、信頼される仕事を重ねて経験を重ねていけば、それに見合った労働対価は得られるし、何より人の幸せや豊かな暮らしに寄与できるという、誇りを持つことができるということを世の中に伝えていかねばならない。
同時に介護事業経営者は、本当に胸を張ってそう言えるように、収益をきちんと挙げる経営を続け、従業員に仕事に見合った労働対価を渡していく必要がある。
昨年夏にSOMPOケア株式会社が、リーダー級の活躍をして現場を支えている介護職員の社員の賃金を、2022年までに看護師と同等の水準まで引き上げると発表しているが、そうした改革と改善に取り組んでいかない介護事業者に未来はない。
だがそんな中で、またもやショックな報道に触れることになった。
10日 21時08分に配信されたNHK NEWS WEBによると、訪問介護職の有効求人倍率が昨年度13.1倍まで上昇し、すべての職種の平均と比べておよそ9倍になっているという。そしてこのように訪問介護の担い手が不足する背景には、非正規雇用が多く、仕事の大変さのわりに収入が低いことなどが指摘されている。
ヘルパーは介護施設の職員が定年退職した後に再雇用されることも多く、高齢化も進んでおり、それらの人が退職時期を迎えた後に、あらたな求人応募がなかなかないという事情もある。しかしヘルパーが減れば、地域で暮らす高齢者の訪問サービスがなくなることになってしまうのである。それは実質、地域包括ケアシステムの崩壊を意味する。だからこそこの対策は事業者レベルで対処するにとどまらず、市町村責任で取り組みを行う必要があるということだ。
しかし介護市場には今後も莫大なお金が落ち続けていくのだ。社会保障費の自然増を半減する政策が続けられたとしても、高齢化の進行は高齢者の数の増加と、介護支援を必要とする人の数の増加をにつながっていくのだからそこにかけなければならないお金は増え続けるのだ。介護給付費だけを考えても、その額は2028年には20兆円になるとされている。これ2018年より10兆円も介護給付費が増えるという意味だ。その周辺に存在する保険外サービスの費用を含めると介護は100兆円を超える市場規模になる。
つまり介護事業者は、サービスを提供する人が集まりさえすれば、顧客が確保でき収益を挙げられるのである。介護市場にはまだまだビッグビジネスチャンスが存在しているのだ。それは決して幻ではない。
ヘルパーが足りないために事業拡大ができない事業者が多く、事業撤退する事業者が増える中で、顧客は増え続けるのだ。だからこそ経営者の能力が問われてくる。ここ独自の人材確保戦略を盛り込んで、他社との人材確保競争に勝ちることで、大きな収益が挙げられるのである。
外国人労働者をきちんと戦力にしないと介護サービス事業は成り立たなくなるが、それだけでは成功しない。同時にそこに人材が定着してくためには本当に人の役に立ち、人を幸せにする実践を積み重ねていかねばならない。
介護の仕事をしたいという動機づけを持つ人は、事業者にとって役に立つ人材となる可能性が高いのだから、そういう人が定着する職場とはどういう職場なのかを考えてほしい。
そういう人たちは、人の役に立つ仕事であるとして、介護という職業に使命感を持ち、誇りを持っている。その使命と誇りが汚されたとして辞めていくわけだ。そういう人たちの使命と誇りを護る介護事業とは、ひとえに人の暮らしを護る高品質なサービスを提供できる職場である。
顧客に対するサービスマナーはその基本であり、そこからホスピタリティ精神が生まれ、さらに高いサービスの品質が生まれるわけである。そうした職場にする教育システムにお金をかけない事業者は、今後人が集まらずに、顧客がそこに居てビジネスチャンスがあるのに、指をくわえてそれを見ているだけの存在になるだろう。
そうしないための経営者や管理職の意識も変わっていかねばならない。覚悟を決めて採用や労務管理の在り方を変えていく必要がある。職員教育の充実は急務だ。単に仕事を覚えさせるだけではなく、仕事上の悩みを受け止め、専門職として成長動機を持つことができるスーパビジョンができる人材も社内で育成していく必要がある。
人材確保に苦しみ、職員の定着率が上がらない事業者は、今のままのやり方では永遠にその課題は解決しないことに気づくべきだ。それは廃業への一本道である。そうしないための経営戦略の練り直しが、今一番求められることなのである。
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感動の完結編。
