今シーズンの北海道の冬は、いつもより雪が少ない。
勿論、地域差はあるが、僕が住む登別は確実に雪が少ないし、札幌もまだ積雪が7センチである。雪まつりの雪像づくりにも支障を来すほどの雪の少なさである。
新千歳空港周辺の積雪も非常に少ない。おかげで今シーズンは、雪のために飛行機が欠航になることもなく、おおむね順調に移動できている。今日も荒天予報であったが、午前中は雪も降らずフライトに支障は出なかった。・・・気流が悪くて、揺れる時間が長かったのには閉口したが。
そんなわけで今日も飛行機で移動中の僕は、つい先ほど予定通りの時間で羽田空港に降り立った。これから長崎行きの便に乗り換えて午後3時前には長崎空港に到着できる予定だ。その足でバスで長崎市内に移動し、ホテルにチェックインを済ませた後、夕方からの講演会場になっている長崎市内の社会福祉法人さんにお邪魔する予定になっている。
こんな風に今年最初の講演の旅は、長崎県4泊5日の旅である。この間に、長崎市・大村市・雲仙市・南島原市の4市で7講演を行なう予定にしている。その皮きりである今日の講演は、社会福祉法人職員研修としての、「サービスマナー講演」である。
明日の最初の講演も、同じく長崎市内の社会福祉法人職員研修としてサービスマナー講演を行なう。
こんな風に職員研修として、サービスマナーに取り組む介護事業者が増えている。それはとてもうれしいことであるが、単にマナー研修を受けたで終わらせたくはない。こうした講演を全国で行う一番の目的とは、介護事業の中で顧客に対するサービスマナー意識が浸透し、顧客である利用者を傷つける不適切対応がなくなることなのだから、実践につながるように必要な情報と知識を伝えたいと思う。
しかしこうしたサービスマン―研修を、介護事業以外の企業等でサービスマナー講師を務めている有名人に依頼しても効果はない。
なぜなら医療・介護業界以外では、「利用者は顧客である」とか、「顧客である利用者にタメ口で会話してはならない」という講義などあり得ないからだ。そんなことを言うまでもないほど顧客概念は明らかであるし、顧客にタメ口を使わないことは指導する必要もないほど当たり前のことである。そこからマナー教育を始めなければならない介護業界の実態を知らない人は、介護事業のサービスマナーについて、実践的な指導は不可能なのである。
先日も僕が講師を務める会場で、僕の著作本を販売するために出張してきた出版社の方が、顧客である利用者にやいして「タメ口」で会話することについて、あってはならないとレクチャーしているのを聴いて、「我々にとっては、そんなの当たり前にしか聞こえないんですけど・・・。」と当惑されていた。そのことからも世間の常識が通用しない介護の非常識の実態が垣間見えるわけである。そんな状態を改善しなければならない。
そしてそれは職業倫理の問題を超えて、介護事業経営上必要不可欠な教育になりつつある。
マナーのない職員のいる事業者を顧客が選ばなくなるという前に、顧客に対する、「タメ口」を不快に感じる来訪者が、マナーのない言動をとっている従業員の姿をスマホで動画撮影して、それをそのままSNSにアップしたときに、その事業者は不適切サービスとか、虐待という誹りを受け、世間から糾弾される危険性が高まっているからだ。
そんな事態に陥らないためにも、事業者全体の職員研修として、「サービスマナー研修」の必要になっているのだ。このことを理解しようとしない介護事業経営者は、いずれたくさんの記者の前に立たされて、動画配信された職員の不適切な言動の言い訳や、謝罪に汗をかかねばならなくなる。そんな姿を家族や知人にもさらさなければならなくなる。そして最終的に責任をとって、詰め腹を切らねばならないのである。
そんな危機意識を持った介護事業経営者や管理職の皆さんが増えている。そのため法人・事業所単位で行う、「介護事業におけるサービスマナー研修』の講師としてお招きを受ける機会も増えている。その際に、お招きいただいた組織のトップの方や、研修担当者の方のお話を聴くことが多いが、それらの方々は、利用者に対する従業員の配慮のない言動に心を痛め、何とかそういう状態をなくしたいと本気で考えている。
同時にそれらの方々は、配慮のない言動に終始してしまう職員の良い面もきちんと把握しており、心構えが変わってマナーのある対応をしてくれるようになれば、もっと素晴らしい人材として評価できるという可能性を信じている方々でもある。
つまりそれらの方々は、利用者と従業員の双方に愛情を持って、現状を良い方向に変えたいと思い、僕に研修講師を依頼されてくださる方々なのだ。
僕はそんな人たちの期待に応えなければならない。そのため講演では、介護サービスになぜマナー意識が必要なのかを伝えるために、マナーのない介護事業者で悪気のない職員によって、「そんなつもりはなかった」という状態の中で、どのように利用者が心を傷つけられているのかという具体例を示している。
逆にマナー意識の浸透した職場において、どうなふうに職員が生き生きとモチベーションの高い仕事をしているかを伝えている。そのうえで実践できるサービスマナーの方法論を伝えているのである。
今回の長崎講演は、そのようなサービスマナー講演のほか、看取り介護や終活、医療・介護連携など多種多様テーマでお話ししてくるが、サービスマナ研修については、来月道内でもオープン講演が予定されている。

2月8日(土)13:30〜15:30函館大学にて、「介護事業におけるサービスマナー研修」を行うが、この研修はどなたでも参加できるオープン講演である。
参加費用は会員は無料、非会員の方は500円である。
講演テーマは、「介護従事者に求められるサービスマナー〜顧客から選ばれるサービス事業者となるために」である。詳しくはリンクアドレスを貼ったチラシを参照して、こちらの申込書をダウンロードしてお申し込みいただきたい。
函館市で介護事業に特化した実践的なサービスマナー研修が行われるのは初めてであり、函館の方に限らず、お近くの方はこれを機会に是非会場までお越しいただきたい。
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ただ、介護員がいかに敬語を使うのが当たり前、など話しても園全体には広がらず、masaさんが以前言われていたように、トップが発信しなければとの事から、昨年より声を発し続けてきましたが、施設長がその事に声を発してくれる様子はありません。
周りの介護員や、事務職員の中にも明らかに言葉遣いを改めてくれた人も見られるので嬉しいのですが、むなしくもなります。
施設長へどのように働きかければ声は届くのでしょうか?
masa
が
しました