今日も僕は長崎市滞在中である。

今日は長崎市の社会福祉法人さんの職員研修として、9:30〜15:00までの時間で、同じ内容の2時間講演を受講者を入れ替えて2回行う。こうした方法でできるだけ多くの職員に同じ内容を学んでいただき、職員間の温度差をなくしながら改革に取り組むことは良いことだと思う。

そのあと大村市に移動し、18:30〜20:30の予定で長崎県県央保健所主催・大村市、大村市医師会共催 の看取り介護講演を行なう予定である。つまり今日僕は長崎市と大村市で、3つの講演を行う予定になっているのである。

そんなわけで僕は今、稲佐山の中腹にある施設で、1講演目を11:30に終えてこの記事を書いている。これから長崎名物の一つ、茶碗蒸しのランチをいただくところだ。ここからは長崎港が見下ろすことが出来て、絶好の景観も味わっている。

さて本題。

一昨日書いた記事の中で、「働き方改革」によって、介護事業者はさらに人手確保が必要になる中、より少ない人数で業務を回さねばならない事業者が増えて、そういう事業者では職員研修にかける時間や費用が減っていくことを示唆した。しかしそれは事業経営を危うくするものでもあることも指摘した。

そうはいっても実際に職場内研修がほとんど行われず、外部研修に職員を派遣する機会もとれない介護事業者も既に存在している。

しかしそれは事業者にとっての損失につながるにとどまらず、そこで働いている職員自身の損失であることにも気が付いてほしい。

スキルは自らを救うのである。そのスキルを得る機会を持てないことは、将来自分に何かがあっても、自分自身はなす術を持たないということになるのだ。

例えば今現在、内部の職員研修も行うことができず、外部研修に職員派遣もできない事業者に、今後人材が集まってくることはなく、そんな事業者は近い将来消えてなくなるだろう。そうなればそこで働いている人は職を失うことになる。

そうなっても介護人材不足の中で、介護職員はほかの介護事業者に勤めることは難しいことではない。しかしスキルの乏しい職員は、転職で待遇が良くなる保証はなく、むしろ以前より安い対価で働く例が多いという事実がある。ましてや介護職員以外の職種の場合、特別なスキルがない場合、他の介護事業者で職を得ることも容易ではないのである。

しかし他の人と差別化できるスキルのある人は引く手あまたで、良い条件で再就職も可能である。そういう人は今いる事業所の経営が行き詰まらなくとも、ステップアップのために新たな場所を得て、より理想に近い形で働くことも可能だ。

介護実務に長けて、根拠に基づいた介護実践ができている人なら、その根拠をもとに他者に指導ができるので、教育担当者として新たなステージで活躍することも可能だ。そういう人なら講演講師として、技術を言葉で伝える機会も得られるだろう。人に伝わる文章力がある人なら業界紙に寄稿して、本業とは別に収入を得ることもできる。

厚労省が2017年に改正した「モデル就業規則」では、事前に届け出を行うことを前提に、副業ができると明記している。それ以前のモデル就業規則にある「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を削除した上で、「労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」とされているのである。働き方改革でも、副業・兼業の推進を掲げており、副業を禁止する事業者の規定は前時代的であるとされつつあるのだ。

そうなると本業に支障のない範囲でスキルを活かした副業も当たり前になるのが、これからの日本の就業形態だ。そのためには本業をベースに、そこで学んだ知識と技術を副業に活かすという考え方があってよい。

だからこそスキルを育む取り組みがされていない職場で働いていること自体が、「自分の損失」なのである。そういう職場で働いている人は、近い将来に備えて一日も早く、教育熱心な事業者、もしくは事業所内に教育機会のある事業者に転職したほうが良い。

さらに言えば、「井の中の蛙」にならないように、職場で教育を受けるだけではなく、外部研修もしっかりと受けるべきだ。職場が派遣してくれるとか、派遣してくれないとか言っていないで、自分自身への投資として、自分の空き時間とお金を使って研修を受けることが重要だ。

特定加算によって給与が上がった人であれば、その上がった分を自己投資の費用と考えて、今まで参加できなかった研修に参加してみてはどうだろう。自分個人が研修を受けても、職場は変わるわけがないと嘆くよりも、自分自身のスキルアップと視野を広げるための勉強機会だと思えばよい。

そこで得た知識と技術で自分自身の価値が高まれば、それがきっと将来、投資した額以上のものとなって返ってくるだろう。誰から見ても、「人財」と思えるスキルを獲得すれば、そういう人は引く手あまただし、起業も夢ではない。そんなふうに周りの状況がどう変化しようとも、それに負けないだけの存在になれるのである。

だからこそスキルアップ機会を逃さないようにしてほしい。それが自分を救う道につながっていくのである。

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