僕が登別市の介護認定審査委員に任命されたのは、介護保険制度創設から4年後にあたる2004年4月からであったと記憶している。

前任者が2期4年の任期を終えた後を引き継ぐ形で審査委員を受けたわけだが、それは当時特養の施設長をしていたからではなく、この地域(胆振中部地域)の社会福祉士会の推薦委員という立場であった。そしてその立場は今も変わらず、社会福祉士会からの推薦を受けて登別市介護認定審査委員を続け、今年で早15年となる。

審査会での立場は当初からは変わっていて、一審査委員という立場から、現在は合議体の副長という立場で、審査の際は司会進行を務めている。
(※長は医師と決まっており、長と副長はかわるがわる審査会に参加し、重複参加することはない)

審査会は毎週木曜日で、3つの合議体のうち、2合議体が審議する形をとっており、現在1回の審査会で30件〜35件の判定を行っている。

講演で全国を飛び回ることが多い僕であるが、月に1回もしくは2回の審査会に参加義務があるため、そのためだけに地元の登別に戻ってくることもある。つい先日も水曜日に四国で講演を終えて、木曜日の午後に登別に戻って審査会に出席し、翌金曜日の朝の便で東京に飛んで午後から講演ということもあった。審査会がなければ木曜日に東京入りしているところだが、そうもいかないときがある。

それでも年を通じて何度かは、どうしても地元に帰ることができない日程となっていることがあり、その際は長となっている医師の方にお願いして、審査会の出席順番を替わっていただくことになるが、いつも一方的に僕からお願いするのみで、心良く変更を引き受けてくださる合議体長には、大変ありがたいと思うと同時に、いつも大変恐縮している。新井先生いつもありがとうございます。

さてそんな審査委員には、毎年1回現任研修の受講案内が来る。その研修を受講しなければ認定審査委員を続けられないという訳ではないが、大切な市民の介護認定に係る身としては、毎年きちんと研修を受講して、審査の尺度となる全国統一の基準を確認し、勝手な判断や価値観が審査結果に影響を及ぼさないようにしたいと思い、案内が来たらできるだけ参加するようにしている。

そんな研修が昨晩19:00〜21:00まで、胆振総合振興局で行われた。かなり遅い時間帯の実施である理由は、審査委員の多くは現役の医師・保健師等の医療関係者や、介護施設の施設長や相談員などの介護関係者であり、通常業務が終わってからの研修としているのだろうと思う。

ここでは介護保険の概況説明や介護認定審査会の役割や審査方法などの確認を行った後、模擬審査として、与えられた事例について実際に審査を行い、結果を出した後に、模範となる結果と比較するということをやるわけであるが、ベテラン審査委員が多いので、ほぼ間違いのない結果を示すことになる。それで日ごろの審査の方法にも自信が持てるという意味では、効果はあるのだろうと思うことにしている。

しかし総合振興局の職員による前段の説明は不必要だ。介護認定者数の推移等の介護保険情報は、関係者であれば常に最新データに触れており、今更確認する必要はない。ネット情報が普及したデジタルの時代に、アナログ時代と同じ情報提供でお茶を濁すような研修はいらない。しかも医療参事なる人物の講義は、単なる資料の朗読である。小学生でもあるまいし、資料を読み上げてもらわないと理解できない人間がそこに居るわけではない。本当にこうした講義はどうにかして失くしてもらいたいものだ。

引き続いて講義に臨んだ保健環境部長は、さすがに朗読だけではなかったが、今この時点で1分間タイムスタデイによる基準時間とは何ぞやということの説明に何分も時間を費やしていた。そんな説明受けるまでもなく、わかってるわ。自分が介護保険制度に精通していることを自慢したかったのだろうが、研修の性格と内容、受講者が誰かということをもう少し考えて、もっと実のある内容にしてほしいものである。あくびが出てたまらなかったわ・・・。

そもそも1分間タイムスタデイの理屈を理解していなくても、2次判定の際の基準時間の変更判断基準なんて、審査委員であればそれぞれが持ってるわ。そんな説明に時間を使うなら模擬審査での読み込み時間をもっと与えてくれと言いたくなる。どちらにしても行政職員の講義で、役に立つ講義に出会ったことがない。もっと真剣に、「伝える」とは何かということを学んでほしいものだ。

という訳で不満も一部抱えながらも、まじめに研修を受講しているのである。こうして全国共通の物差しから外れることなく、かつ個人の状況判断をできるだけ正しく行って、市民の皆さんに不利益を与えない介護認定に努めているので、これからもよろしくお願いいします。

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