今日はいつもより早い時間に記事更新しているが、その理由は僕が今、新千歳空港にいて、これから中標津空港行きのANA便に乗り込むためである。

今日搭乗する便はプロペラ機でWiFiがつながらないし、中標津に着いた後は予定が立て混んでいるために、搭乗前に記事更新しているというわけだ。

僕が住む登別から中標津には陸路で移動することも可能だが、その場合はまずはJRを利用し、登別〜南千歳〜釧路と移動した後、釧路からバスかタクシー等で中標津に移動するというルートになる。これだとゆうに8時間以上かかってしまうことになる。

一方、空の便を利用すれば、新千歳〜中標津間は30分程度で到着してしまうので登別からの移動時間を含めても2時間もかからず現地に到着できるのだ。ということで道内間の移動であるが、中標津への移動は飛行機を利用するのが常である。ただし冬の中標津空港は、しばしば視界不良で着陸できず新千歳空港にとんぼ返りがあり得るので注意が必要だ。今日はそのような心配のない天気でほっとしている。

ただし気温はかなり低く、今朝の中標津は氷点下の気温だった。日中も最高気温は5度くらいまでしか上がらない予報なので、しっかり冬物のコートを着込んできた。

これから搭乗機に乗り込むが、飛行時間が30分程度ということは、水平飛行している時間はあまりないということである。しかもプロペラ機は飛行高度が低いので、ジェット機からは見ることのできない北海道の景色を味わえるので、このフライトは退屈せず楽しめる時間となるだろう。

今日と明日、中標津でサービスマナー看取り介護の2講演を行なう予定であるが、今日は横須賀の訪問栄養士・森田千雅子さんとのコラボ講演でもある。森田さんの講演を聴くのは初めてであるが、そのことも楽しみにしながら搭乗時間が来るのを待っているところである。

前置きが長くなったが本題に入る。

11/1に財務省の諮問機関である財政制度等審議会・財政制度分科会が開催された。この中で財務省は、来春予定されている診療報酬改定について、市場実勢価格に合わせて薬価を引き下げるほか、本体報酬も賃金や物価に比べて高水準だとして引き下げを求め、全体で「2%半ば以上の引き下げが必要」と主張している。
※1%の引き下げ効果は、患者負担を合わせた全体の医療費が約4.600億円引き下げることにつながるとのことである。

今更言うまでもないが、診療報酬は2年に一度、介護報酬は3年に一度改定されることになっている。よって6年ごとに診療と介護のダブル改定が行われることになる。2018年度はそのダブル改定であったが、その際は診療報酬で薬価が大幅に引き下げられたことにより、それを財源として診療・介護の両報酬の本体報酬はプラス改定になったわけである。

その改定に引き続き、今年度は消費税のアップに対応して診療・介護の両報酬がさらに引き上げられ、これで両報酬は2年連続のプラス改定となった。・・・本当にそうだろうか。確かに2年連続で診療・介護の両報酬は上がっている。しかし今年度の改定を通常の改定と同様に評価されてはかなわない。なぜなら今年度の改定は、介護報酬に特定加算を新設したほか、消費税アップに対応したに過ぎず、医療・介護事業者の収益アップにはつながらないものにしか過ぎないからだ。

しかしプラス改定という事実だけが前面に押し出され、財政の厳しい折に、2年も続けて報酬を引き上げているのだから、次は少し我慢してマイナス改定を受け入れなさいと言うふうに誘導されるわけである。

当然、再来年の介護報酬改定に対しても、財務省はマイナス改定が当然だという態度で臨んでくるだろう。

介護報酬は診療報酬の風下に立つのだから、常に診療報酬改定の影響を受けざるを得ない。だからこそ来春の診療報酬改定結果がどうなるのかを注目せざるを得ないのである。

介護関連職能団体のどこより強い力を持つ日本医師会が、診療報酬を2%半ばまで下げるという財務省の提案をそのまま受け入れるわけがなく、診療報酬を巡る戦いはここからが本番である。表裏、様々な場所で微妙な綱引きが始まっている。

しかし仮に医師会の力によって、診療報酬改定が財務省の言う通りの引き下げとはならなかったとしたら、そのしわ寄せは診療報酬改定の1年後の介護報酬改定に来るのではないだろうか。思った以上に診療報酬の引き下げができなかった分、介護報酬の査定は厳しくなり、マイナス幅が広がる懸念がある。

一方、財務省の思惑通り診療報酬が下げられたとしたら、診療報酬もあれだけのマイナス改定を飲んだのだから、介護報酬も文句を言わずに引き下げを受け入れなさいと言うことになりそうだ。

ということは今後の診療報酬改定の攻防がどう転んだとしても、2021年度の介護報酬改定は厳しいものになるということが明らかである。プラス改定は望むべくもなく、マイナス改定の引き下げ幅をいくらに抑えるのかという議論にならざるを得ないかもしれない。

背筋が寒くなるとはこのことをいうのかもしれない。どちらにしても介護事業経営者の皆さんには、今から覚悟と備えが求められてくると言えるだろう。

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