社保審・介護保険部会に文書負担軽減委員会なるものが設置されている。しかしこの委員会の議論は、「現場感覚」から全くかけ離れたもので、そのレベルの低さと馬鹿さ加減にはあきれてしまうばかりである。
例えば16日にこの委員会が厚労省から提案されて了承した内容とは、「従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表」を見直し、それを全国共通の様式として幅広く使ってもらうというものだ。
そもそも、「勤務体制一覧表」は実地指導等で配置規準を満たしているかを確認するために事前に提出する書類でもあり、通常介護事業者は月に一度それを作成して監督行政担当課に提出しなければならないものだ。
その書式が都道府県ごとに様式が異なり、国様式より複雑な記載内容を求めている地域があるのは事実だが、どんなに複雑で面倒な書式だからと言って、事務担当者が作成する事務書式なのだから、そんなものは介護現場の負担とは全く関係ないものだ。だからその書式の簡素化を図り、全国標準様式にしたからと言って、介護現場の業務負担軽減にはつながらない。
こんなふうに厚労省や文書負担軽減委員会は、介護事業者の事務文書の削減ばかり議論している。まったく阿保としか言いようがない。この議論の担当者は、全員おボケになっているとしか思えない。
なぜなら介護事業者の文書を削減しようという理由は、介護保険制度以後、文書量が大幅に増えて、現場の業務が回らないという状態を改善しようとするものであるはずだ。しかるに事務文書を削減したって、介護現場の負担軽減と省力化につながり、少ない人出で業務が回るという状態になるわけがない。
事務書類・事務書式は、それらを作成するために雇用されている事務員の本道の仕事である。その仕事がなくなったら、介護事業者の事務員はいらなくなるのである。よってそんな事務書式の削減を議論しても始まらない。
求められているのは介護保険制度以後、基本サービス費や加算の算定要件がクリアできていることを証明するための、膨大な看護・介護記録である。加算に関係して、その算定要件がもれなくクリアされていることを証明するために、微細にわたって記録が求められるが、その多くは看護・介護業務の本業自体には必要性が薄い記録である。そうしたものまで実際の看護・介護業務にあたる職員に書かせるという負担を削減するために、別な証明方法を研究するのが本来の文書削減の意味だろう。
そんなふうに介護現場の介護職員や看護職員の負担となっている書類の削減を議論しないと業務軽減につながらないのだ。
事務文書を削減した先には、仕事のない暇な事務員が増えて、それを見て現場で忙しく働く介護職等がやる気をなくすだけの話である。いつまであっち向いてホイの議論を続けるつもりだろうか。こんな議論にお金と時間を費やす役人や委員は、本当に頭の悪い連中だと思う。国の委員会というテーブルに着いたとたんに、自分が偉くなったと勘違いしてボケちゃってるんではないのかと思ってしまう。
まったく理解できない書類削減論である。議論の方向性を本来の目的に照らして変えてほしいものである。
さて、とんでも議論のボヤキはここまでにして、話を変えたい。
僕は今、福岡空港に向かう機上でこの記事を更新している。今日から始まる、大分県別府市〜大分県日田市〜大阪市と6泊7日の旅の中で、9講演を予定している。そのうち8講演はオープン講演で、どなたでも参加できるので、下記に改めて紹介しておく。お近くの方で当日までに都合のつく方は、是非会場までお越しいただきたい。よろしくお願いします。
・10/25(金)18:30〜20:00、べっぷ認知症自主勉強会主催講演・「感じの良い支援者になるために・傍らにいることが許されるものになるために」(サポートセンターたけい:別府市)
・10/26(土)14:00〜16:30、べっぷ認知症自主勉強会主催講演・「感じの良い支援者になるために・傍らにいることが許されるものになるために」及びパネルディスカッション(ビーコンプラザ:別府市)
・10/27(日)10:00〜12:00、アローチャート天領会主催 終活セミナー・「悔のない終活と看取り介護」(ホテルソシア:日田市)
・10/27(日)13:30〜16:30、アローチャート天領会主催 サービスマナー講演・「医療・福祉・介護従事者に求められるサービスマナー」(ホテルソシア:日田市)
・10/28(月)16:30〜18:30、社会福祉法人あさか会主催人権講演会・ 「サービスマナーの向上と虐待防止の取り組み〜ホスピタリティを極める、感動をもたらすサービスへの挑戦〜」(海外産業人材育成協会・関西研修センター:大阪市)
・10/29(火)10:50〜12:10、内田洋行主催 IT-Fair2019 in osaka講演・「介護施設の人手不足に打ち勝つ! 〜定着率向上とより良い介護への挑戦!〜 」(大阪グランフロント)
・10/29(火)14:30〜16:30、大阪介護福祉事業者協同組合主催・管理者、中間管理職向け接遇セミナー・「生き残りをかけた事業戦略として求められる介護事業におけるサービスマナー」(クレオ大阪中央・研修室2)
・10/30(水)15:00〜17:00、大阪市老連主催・看取り・ターミナルケア研修会・「生きるを支える看取り介護〜命の尊さの理解〜」(大阪市社会福祉センター3階)
それでは皆さん、会場で愛ましょう。待ってます!!
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