もともと小児喘息の既往歴がある僕は、昨年末から今年の初めにかけて気管支喘息の症状が出て、通院治療を行った。
その際には毎日吸引と服薬をすることで、3月ほどで症状が消えた。だから呼吸器内科への通院は勝手にやめてしまっていた。
しかし先週日曜日に風邪症状が出て発熱して以来、またもや気管支が不調になってきた。風邪の症状はほぼ収まっているが、気管支がゼイゼイとなるような症状が時折出る。勝手に呼吸器内科の通院をやめてしまった罰が当たったのかもしれない。ただ呼吸が苦しくなることはなく1月の症状よりはずっと軽度である。だから信州〜九州の6講演に支障が出ることはないだろう。ただし今回の6泊7日の講演の旅を終えて北海道に帰った際には、呼吸器内科を再受診し、今度は医者から完治のお墨付きをいただくまで通院しようと思っている。
さて今日は午後から、「グランデはがくれ」で行われる、佐賀県老人福祉施設協議会・生活相談員部会研修の講師を仰せつかっている。勿論受講者はすべて相談員であり、事業種類としては特養・通所介護・特定施設が主となる。
今日の講演テーマは、「相談員の役割から考える〜生き残りをかけた介護事業経営 」とされている。これは講演主催者の方から指定いただいたテーマであるが、単に相談員の役割をテーマにするのではなく、事業経営視点という方向から相談員の役割を考えることは非常に重要だと思う。
相談員は介護サービスの場において、利用者と直接接する立場ではあるが、時に木の上に登って全体を見回して、サービスの品質を護るため、あるいは引き上げるために全体をコーディネートする役割を持つ職種だ。同時に中間管理職として、事業経営の視点から様々な調整役を務める必要がある。そしてやがては管理職としてその事業者を引っ張って行かねばならない。そうした人の多くは、やがて施設長等のトップと言える地位に就くことを期待されているはずである。
そのために日頃から事業経営の視点を意識することは必要不可欠である。
特に相談員の主業務であるベッドコントロールが、施設サービス・居宅サービスともに、収益に直結することになるので、事業経営の視点がない相談援助業務はあり得ないのである。
それは顧客確保という意味合いもあり、顧客とは現在サービスを使っている人に限るものではなく、これから自社のサービスを使ってくれる可能性がある人をもすべて含めた概念なので、相談員は事業者内にとどまらず、地域に出て広範囲の活動が求められる。
そのことに関連しては、2015年の通所介護の基準改正で、通所介護には地域連携拠点としての役割を求められるようになり、「相談員は外に出よう」とされた意味をもう一度確認することで、理解が進むような気がする。通所介護の相談員は、サービス提供時間中であっても、事業所から離れて地域で活動する必要性が増しており、事業所にいない時間も、配置時間数に組み込むことができる条件が大幅に緩和されているのだ。この意味をもう一度問い直してもらいたい。
そもそも相談員は介護施設の場合、利用者100人に対して一人配置されておればよいという基準であり、相談員がサービスの場にいなければ、利用者のADL支援に支障が来すという存在であってはならないわけである。
つまり介護事業者における相談員の役割とは、頭脳としてタクトをふるう役割が求められ、利用者の生活上の困難を捉え、介入し、調整し、問題解決の援助を図るコーディネータ−であるという理解が必要なのだ。そうであるにもかかわらず、いまだに介護職員との兼務かと見まごうような勤務状態がみられるのは問題だ。そのことを改善することがまずは求められる。
なぜならケアワークとソーシャルワークは、分離されてその機能が有効に発揮されるということも既に実証されていることだからである。それはケアワークの外部からのチェックと補完機能が存在しなくなるという意味にもつながりかねないからだ。そもそも相談窓口である相談員がケアワークに就いている間は、事実上相談窓口が存在しなくなるという弊害に気が付かねばならない。
今日はそのような話から、相談員論を展開する予定にしている。
また事業経営という視点で言えば、人材不足が一番の経営リスクになるわけわけであり、人材が張り付いて定着するために、相談員としてできることを具体的に示す必要もあるだろう。
どちらにしても佐賀の相談員の皆さんが、それぞれの事業所における自分の立ち位置を改めて確認でき、これから何をしなければならないかを理解できる講演にしようと思っている。
相談・援助業務を通じて、「誰かのあかい花」になれる誇り高い業務であることを確認できる話もしてきたい。佐賀の皆さん、よろしくお願いします。
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