一昨日、「特定加算を広く薄く配分して大丈夫だろうか?」という記事を書いて、この中で特定加算の配分は、bグループの「その他の介護職員」までにとどめたほうが良いのではないかと論評した。

勿論、このことに正解はないし、周囲の介護事業者の動向も見ながら、それぞれベストと思える方法を選ぶしかない問題ではあるから、こうしなければならないという意味ではない。

しかし誤解してほしくないことは、僕はその記事にも書いた通り、加算配分はbグループまでにとどめたほうが良いと書いているだけで、cグループの「その他の職種」の給与を改善しなくてよいなんて書いていない。そこでもはっきりと、「cその他の職種については、その他の収益から別に昇給原資を持ってきて改善という形が従業員の不満を最小化する方法かなと考えてアドバイスしてます。」と書いている。

つまり特定加算を配分する分は定期昇給の分も含めてよいのだから、加算がなかった場合に介護職員の定期昇給原資となっていた分は他の職員に回せるという考えも成り立つのだ。そうであればその他の職員の昇給原資は増えているという意味になり、その分を10月以降に臨時昇給としてその他の職種にも回したらどうだろうかという提案である。

特定加算のQ&A Vol2の問20では、「既に年度当初に今回の特定加算の配分ルール を満たすような賃金改善を行っている場合も想定される。こうした場合には、その年度当初から 10 月より前に行っていた賃金改善分について、介護 職員等特定処遇改善加算を充てることも差し支えない」とされているところで、場合によっては4月の定時昇給分にこれを充てたとして、その分を特定加算の配分とは関係ない原資に回す考え方もできるわけである。

この場合のメリットは、加算配分ルールに縛られないことだ。

事業者の持つ原資を配分するだけだから、加算配分できないとされる加算算定事業所ではない居宅介護支援事業所のケアマネにも昇給が可能になるし、cグループの昇給額はbグループの半額以下にしなければならないとか、cグループで現に年収440万円以上ある人には配分できないとかといったルールが適用されない。よって事業者の状況判断で多様な昇給方法がとれるわけである。勿論その方法としては、実績や能力に応じた考え方を取り入れて、信賞必罰を給与反映させるという考え方があっても良いのである。

そうした提案であるということを十分理解していただきたい。

さて話題は変わるが来週月曜は、「敬老の日」であり、暦の上では明日から3連休となっている。

介護施設等にとっては、「敬老の日」に合わせて年間最大のイベントを企画するところが多いので、3連休のいずれかの日に大きな行事を行うことが多いと思う。僕が総合施設長を務めていた施設も、明日お祭りを行うようである。

しかしそのようなイベントどころではないのが、台風被害の影響でブラックアウトが続いている千葉県の一部地域ではないのだろうか。

ちょうど一年前、僕が住む北海道もブラックアウトに見舞われ、その大変さは身をもって体験している。しかし僕が住む登別は、ブラックアウトの期間がほぼ1日半であったため、大きな被害はなかった。しかも北海道という土地柄、日中の最高気温が30度を超える地域も少なかったため、夜暑くて眠れないという状況も起きなかった。

ちなみに北海道の介護施設では、僕がいた特養をはじめとしてエアコンが設置されていない施設も数多い。暖房は必須でも、冷房は必要ない地域が多いのである。

しかし千葉県はそうはいかないだろう。今現在千葉県内では約26万家の停電が続いているとのことである。電源喪失から5日目になろうとしているのに、まだこの状況である。しかも連日30度を超す残暑が追い打ちをかけている。エアコンが使えなくなった特養の入居者が、熱中症で医療機関に搬送されるケースも増えているそうである。夜暑くて不眠に苦しんでいる人が多いことも容易に想像できる。

5日間以上冷蔵庫の電源が入っていないのだから、冷蔵・冷凍されていた食品もすべて廃棄せざるを得なくなっているだろう。

しかも一部地域では携帯電話や、ネット回線が使えない場所があり、情報が全く届かない状態が続いているそうである。

そんな中で、様々な介護事業者で要介護者等の方々の支援に奔走している仲間の姿が思い浮かぶ。居宅介護支援事業所の介護支援専門員の方々は、ガソリンの確保もままならない中で、連日自分の担当者の安否確認に地域を走り回っていることだろう。あなたたちのおかげで、暮らしが成り立っている方々がたくさんいます。どうかお体に気を付けながら、いましばらく頑張ってください。

僕たちは直接それらの方々を助けることはできませんが、今は無駄な連絡を控えて、後方支援として募金に応募することや、物資の調達の協力を惜しまないようにしたいと思います。

ガンバレ千葉県。みんなで千葉県を応援しましょう。

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