僕は今、福島県いわき市に向かう旅の途中である。
昨年10月にいわき市で行われた、『福島県介護支援専門員協会総会及び研修会』にお招きを受け、居宅介護支援費に新設されたターミナルケアマネジメント加算に関連して、「看取り介護」について講演をさせていただいたが、その席で今回の研修会のお招きを受けた。
そういう訳で2年連続となるいわき市講演である。そして今回は、「いわき市介護支援専門員連絡協議会」の創立20周年記念の祝賀会での記念講演という、おめでたい席へのご招待である。明日グランパルティいわきにて、「介護支援専門員に求められる役割〜医療 介護連携からターミナルケアまで」というテーマで講演を行なう予定になっており、そのための前日移動である。
今日はいわき駅の一駅手前の湯島駅で降り、そこからバスに乗って「スパリゾートハワイアン」に向かうことになっている。そこで前夜祭が予定されているためである。事前の連絡によるとそこの名物はポリネシアン料理だそうである。僕はそんな料理はまだ一度も食べたことがない。どんなものが食べられるのか楽しみにしている。今日食べる料理がどんなものかについては明日の朝更新する、「masaの血と骨と肉」に掲載する予定なので、読者の皆様には是非そちらもお楽しみにしていただきたい。
明日の講演は、介護支援専門員の皆様に対してお話しすることになるため、ケアマネジメントについていろいろな角度からお話しすることになる。そのケアマネジメントに関連しては、先月29日の社保審・介護保険部会で、日経連の委員からケアプラン有料化(居宅介護支援費の自己負担導入:以下ケアプラン有料化に統一する)を求める声が挙がったが、それに対して「経済的な理由から必要な介護サービスを利用できなくなる」(認知症の人と家族の会:花俣委員)などの反論が相次いで、反対派の方が多数を占めるという結果となった。
それにしても情けないのが日本介護支援専門員協会の濱田委員である。彼もケアプラン有料化には反対意見を述べているがその内容は、「ケアマネジメントは介護保険事業の基盤であるので有料化には反対」というものである。これではほとんど意味が通じず、反対理由にもなっていないので、説得力はほとんどない。大事なケアプランの作成業務にかかわっている人間が、語彙に乏しく表現力がないのは哀しい姿だ。花俣委員の爪の垢を煎じて飲みなさいと言いたくなる。この団体には人材がいないのか・・・。
2021年の報酬改定に向けては、ケアプラン有料化必至という流れができている。この流れを変えることはできるのだろうか?どちらにしても現場からの発信が何より大事だ。なぜなら有料化するメリットは何もないと言えるからだ。
僕はこの場所でケアプラン有料化が、いかに問題がある施策であるかということについて、様々な角度から論じてきた【参照:ケアプラン有料化に関するかこのブログ】
ここで書いた有料化のデメリットについて、簡単にまとめてみようと思う。
1.有料化されることで、ケアマネにより強い責任感が生まれ、ケアマネジメントの質が上がるなんてことはない。そんなことでしか責任感を持てない人物は、そもそも対人援助に向いていない。むしろ自己負担金があるということで、過度な利用者の権利意識が前面に出て、生活課題とは関係のない過剰なサービス要求が増え、それに迎合するケアマネジメントが増える。いわゆる「御用聞きケアマネ」を増やす結果にしかならない。
2.自己負担があることで、経済的に困窮している人は、居宅介護支援を依頼しづらくなり、結果的に居宅サービス計画をがない状態で、居宅サービスを使えないまま放置されてしまうケースが出現する恐れがある。
3.ケアプラン作成の自己負担を援助するというサービス事業者の営業が増える。具体的には2のケースのような人などに、訪問介護事業者などのサービス事業者が、セルフプランならお金がかからないので、自己作成を無料で手伝いますという営業が増える。実際にはそうした事業者の職員が自己作成の手伝いと称して、利用者のプランを代行作成し、その代わりに自社のサービスに囲い込むなど、自社サービスの提供回数を増やして利益を上げようとする。それはニーズに基づかない過剰サービスが増えることをも意味している。しかも無料でセルフプランの作成を手伝うという行為は、保険給付とは関係のない行為で、そこに資格は必要とされないし、作成代行ではなく、作成を手伝うためのアドバイスの体裁を整えれば、代行業務ともならず違法性も問われることはない。
4.自己負担が導入されるということは、居宅介護支援事業所の業務に、利用者負担分の請求と、利用者負担金の徴収作業いう仕事が増えるということ。しかも自己負担部分については、かならず一定程度の未収金が発生することになるが、その督促業務も担当ケアマネの業務とされるだけではなく、事業者によっては回収不能となった分の補填責任をケアマネ個人に求めるようなトラブルも生じかねない。どちらにしても自己負担金発生に伴い、居宅介護支援事業所には新たな事務作業負担が確実に増えることになる。ただでさえ忙しいケアマネの仕事が増えるが、給料は増えないという現象が起こる可能性が高い。
このようにケアプランの有料化は、御用聞きケアマネや、囲い込み事業者を増やすだけで、自己負担化された費用より、過剰サービスの給付費が上回ることになる。よって給付費抑制効果はないだけではなく、マイナス効果につながる結果となるだろう。そういう意味では、制度の持続性を高めることを理由に、ケアプラン有料化を提言している日経連の委員は、素人で浅はかな考えしかない委員と言えると思う。
しかも居宅介護支援事業所の業務負担は一層増えるのだから、良い点は一つもないのである。よってこれに反対しない介護支援専門員は、頭のねじが一本足りていない人物と言ってよいだろう。
実は国としてはケアプランの有料化は既定路線であり、ほぼ決定事項とされている。このことを覆す事は非常に困難ではあるが、諦めてしまっては何も変わらないのだから、逆転を信じて現場発信し続けるしか道はないと考えて欲しい。
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