僕が依頼を受けるサービスマナー研修は、依頼者の希望に応じて60分、90分、120分、150分、180分、240分などと様々な時間設定でお話ししている。

できれば120分は欲しいところだが、様々な事情があるので時間を短縮しても大事な点はきちんと伝えられるように工夫している。そのため単純に120分の講演の一部を削って90分にするとか、120分の内容をそのままにして上乗せして240分にするとかではなく、講演受講者のカテゴリーを含めて、様々な状態に合わせて内容を決定している。

だから120分のサービスマナー講演とはいっても、当然のことながら管理職やリーダー向けと、一般職員向けの内容は異なることになる。前者には指導の要点を盛り込むし、後者には組織の一員としての責任という内容を盛り込むことになる。よって講演スライドは1講演1スライドが基本となり、何度も同じスライドを使いまわすことにはならないので、事前準備にはかなり時間をかけることになる。

それだけこのテーマの研修は大事だし、一度でも受講したすべての方々にサービスマナーの重要性を知っていただきたいという思いがある。

僕は自分がトップとして経営していた特養では、「介護サービスの割れ窓理論」をキーワードにして、早くから職員のサービスマナー教育に力を入れ、その成果を挙げていたため、ある意味その状態を当然と感じていたが、その施設を退職した後、「介護施設ってこんなひどい状態のところもあるんだ」という経験をした。

僕が特養の総合施設長を辞めて独立するまでの間、1年間だけ医療系サービスの実態を知ろうとして勤めた老健では、壁に「利用者には丁寧な言葉で対応しましょう」みたいな標語が張られていたが、それは建前のレベルで終わっていた。

老健という特徴からか、看護・介護職を含めて、「看護師長」という立場の者が仕切っており、強い権力を持っていたが、現場リーダーともいえるその看護師長は自らが、「カンフォータブルケア」の実践者で、利用者対応には自信があるかのような発言を繰り返していた。しかしチームとしてそのことを実践しているわけではないので、「ひとりカンフォータブルケア」と揶揄してよい状態で、看護・介護職の言葉の乱れは相当ひどい状態であった。

その中で被保護者であり、日常の小遣いにも事欠くNさんという女性が、トイレでコールを鳴らして介護職員を呼び、便器から車椅子へ移乗介助を受けようとしたときに、介護職員から「高いよ」と言われて心を殺された。

当該職員はジョークのつもりだったかもしれないが、お金のないことが心の負担になっていた人に対し、言ってよいことと言ってはならないことの区別さえつかなくなるのが、マナー意識のかけらもない現場で起こることだ。そのことも悪例として、「サービスマナー講演」で紹介することもある。
クリアコート千歳の虐待事件
こんなことが対人援助の場で起こってはならないが、今もその老健では汚い言葉が飛び交い、ジョークにならない言葉で利用者を傷つけながら、職員はそのことに気が付かない(あるいは気が付いていないふりをしてた)状態のままでいるのだろう。そうであっても特定加算という費用を算定し、高い給料を受け取ることになるのかもしれない。それは対人援助のプロとしてとても恥ずかしいことだと思う。

トイレ介助が必要な人に対して、「排泄の手伝いは高いよ」と言ってはならないという教育が必要な介護施設など下の下だ。そんなことは当たり前であるという感覚を身に着けていない場所では何でもありになる恐れさえある。それは人としての感性が疑われる状態と言っても過言ではない。

世間一般の常識感覚を麻痺させた輩が、自分たちの創り出す密室で行うことほど恐ろしいことはない。

しかしその感覚を麻痺させるものは常識の無さに他ならない。サービスマナー意識のない状態から、世間知らずの若者が日常的に人生の先輩である高齢者に、「タメ口」で接するという非常識から、問題は発生するのである。

そうしないためにもサービスマナー研修は必要不可欠だ。

僕はそのことの実践者であり、伝道者でもある。全国どこでも駆けつけ、サービスマナーとは何か、どのようにそれを身に着けるのか、マナーのある接し方を続ける先にどのような職場環境ができるか等について、具体的に伝えることができるので、このテーマでの講演を希望する方は、ぜひ一度メール等で打診していただきたい。

一度連絡してみても条件等が合わずに、結果的に依頼しないということも有りなので、お気軽に声をかけていただきたい。
(※ちなみに10月30日(水)の午前、大阪でぽっかりと予定が空いている。大阪市内の事業者が、その時間帯にマナー研修他、僕の講演を希望するなら、滞在費や交通費が掛からずにお受けすることもできるので、希望される方はメール等で連絡ください。)

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