全国各地の介護事業者の経営者や管理者が、自らの事業者の従業員の顧客マナーの悪さに問題意識を持ってくれるようになりつつある。
そのため従業員の意識改革をしたいとして、「介護事業におけるサービスマナー研修」の依頼が増えている。経営者や管理職の方々が、マナーの欠如が事業運営危機につながるという意識を持って職員に対するマナー教育の必要性を感じてくれることは、職場全体の意識改革にとっては重要な要素になる。
そうした意識が事業経営者や管理職に全く存在しない介護事業者は、多様なニーズを持つ団塊の世代が顧客の中心層になってきて、スマホやタブレットを使いこなしながら、ホスピタリティ意識の高い職員のいる介護サービス事業者を選択していくという時代に、淘汰され倒産する事業者の予備軍んとなっていく運命しかない。
また動画が簡単に撮影できる時代において、密室の中で従業員の顧客対応が隠し撮りされて、ユーチューブやSNSで簡単に拡散されるケースは確実に増えるため、顧客マナーに欠ける従業員の態度を放置しておく事業者は、見る人聴く人によっては罵声と受け取られかねない利用者に対する「タメ口対応」が対応がネットで拡散され、多額な損害賠償責任と刑事責任を負うリスクも背負っているということを忘れてはならない。
そうした意味でも職員に対するサービスマナー教育は必要不可欠なものとなっている。
仕事をする上でのサービスマナーに関連して話ができる講師はたくさんいる。そうしたマナー講師の中には大企業の従業員を指導する実績と名声のある講師もおられる。
ただしそうした有名講師であっても、介護の仕事をしたことがなく、介護事業者の実態をわかっていない人も多い。そして介護事業者がそうした介護事業に携わったことがない有名講師を招いて、職業人として求められるマナーを職員に学ばせたとしても、介護事業におけるサービスマナーに限って言えば、改善効果はほとんど見られないというのが現状だ。なぜなら保健・医療・福祉・介護業界のマナーレベルの低さという実態を、それらの有名な講師は理解していないからだ。
他の産業では、「お客様にタメ口で話しかけてはいけません。」という指導はあり得ない。それは常識中の常識だからである。介護業界では、そのレベルからマナー教育を始めなければならないのである。
電話の応接や挨拶の仕方、外来者への対応の前に、介護サービスを利用する方々を、顧客と認識しなければならないという話から介護事業のマナー教育は始めなければならないのだ。そのうえで顧客対応にふさわしい態度と言葉遣いで接するといったマナー教育を展開せねばならない。この辺りは介護業界以外のマナー研修をしてきた講師には理解できないところだ。
それはある意味、介護業界のマナー意識レベルの低さの実態であり、そこまでの実態を知らない講師には改善実績がない場所から実践論を語らねばならないわけで、そんなものは本物の実践論にはなり得ないのである。
そもそもサービスマナーについては、いくら理想論を語っても何にもならない。良い話を聴いたけど実践できないで終わっては意味がないのだ。それは何も変わらないことを意味し、研修を受講することは単なる時間の無駄にしかならない。
その点、僕は自分自身の実践の中で、「介護サービスの割れ窓理論」を生み出し、僕が総合施設長として経営していた社会福祉法人で、職員にそのことを実践させてきたという事実と根拠に基づいて、やろうと覚悟すればできる、「実践論」を話すことができる。やろうと覚悟しなければならない根拠も示すことができる。
そして僕は知っている。介護事業の中で、マナーのかけらもない方法で利用者に接する上司や同僚や部下の姿を見て、心を痛めたり、心の中で舌打ちしている人が、考えられている以上に数多く存在していることを・・・。その人たちの思いが前面に出る方法と伝えればよいのだ。その人たちが今ここからできる方法を伝えればよいのだ。
そのために受講者の方々にお願いすることがある。それは、「言葉遣いを変える」・「利用者との必ず丁寧語で会話する」ということは、そうしようと思えば今からすぐにできることであり、誰でも実践できることであるということだ。
他人がその必要性に気づかずに実践しようとしなくても、自分だけは変わることができるし、自分一人でも実践することができるということだ。
自分だけであってもそのことを実践しやり続けることによって、時間はかかっても、確実に未来は変えられるのだ。そのことを信じてます自分自身が丁寧な言葉を使いこなして会話する、「実践者」になってもらいたい。
汚い言葉遣いが飛び交っている介護事業者の中にも、きっとその言葉遣いに疑問を持っている人はいる。そんなひどい言葉遣いにストレスを感じている人がいるはずだ。そういう人たちは、あなた一人が変わって、丁寧な言葉でマナーを持って利用者に接している姿を見ることによって、何かを感じてくれるはずだ。そしてその姿をまねてくれる仲間がきっとできるはずだ。
そうした仲間を時間をかけて増やしていく先に、マナー意識が高まり、節度ある態度で利用者に対応できる職場生まれる。それがいかに気持ちよく働くことができる職場であるかということを想像してほしい。
そしてそうした職場には、介護事業におけるマナー意識の欠如に疑問を持っている人が、職員募集に応募してくれるようになるのだ。そういう人たちは、貴重な人材であり、貴重な戦力になる人たちなのである。
僕は社会福祉法人のトップに立って、職員全員にその考え方を浸透させたが、その前には長い期間の努力と、仲間づくりの期間があったのである。丁寧な言葉でしか利用者と会話しないという習慣を、たった一人から始めて、ずっとそのことを続けてきたという実践の先にそれは実現したのである。
今日やろうと決めて、明日何かが変わるとすれば、それは自分自身が変わることしかない。しかしたった一人の小さな覚悟によって、1年先・3年先・5年先の未来は確実にステップを踏むように変わっていくのである。
そのことを信じられる人にしか、信じる明日は来ない。
【※10月に大阪でどなたも参加できるサービスマナー研修を2ケ所で行います。
一般職員向けサービスマナー研修としては、10月28日(月)16:30〜18:30・「社会福祉法人あさか会主催・人権講演会 」を行います。こちらは参加料も無料となっています。
管理職・リーダー向けサービスマナー研修としては、10月29日(火)14:30〜16:30・クレオ大阪中央・研修室2にて「大阪介護福祉事業者協同組合主催・管理者、中間管理職向け接遇セミナー」を行います。こちらは参加料が4.000円となっております。
どちらも定員に達するまで申込受付しておりますので、文字に張り付いたリンク先から詳細を確認し、ご応募いただきますようにお願い申し上げます。】
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愛称と称して〇〇ちゃんと呼んでいる施設もありました。
それぞれが良い考えを持ってるのにガッカリでした。
番組スタッフには丁寧語なのに。
masa
が
しました