僕は今、松山空港のさくらラウンジでこの記事を更新している。
今日はこれから大阪に飛んで、16:00〜大阪市老連主催の、「介護事業者リーダー向けサービスマナー研修」を行う予定になっている。
今週は月曜日から愛媛県で講演を行ってきた。月と火が松山市講演、水曜が今治市講演、木曜が伊方町講演と、4日間で3地域を回り4講演を行ったが、愛媛県の2日目の講演から3地域を回った講演も、「中堅リーダー向け研修」だった。それだけ各地域・各介護事業者において、リーダーとなる職員の重要性が問われているということだ。
それは直接介護サービスの品質につながっていくのだから、顧客確保にも重要な要素となるが、何よりも人材確保面では最重要課題である。人材が育たずに定着率が低下し、いつも人手が足りない職場とは、有能な指導者がいない職場とリンクしているからだ。
逆に言えば、介護技術だけではなく、サービスマナーについても適切な指導ができるリーダーがいる職場は、顧客も集まり、職員も確保できて、その職員が人材として育っていく可能性が高くなる。
介護事業におけるサービスマナーについていえば、職場のトップが問題意識をもって、顧客である利用者に対しマナーのある対応を呼びかけたとしても、実際の介護サービスの場で利用者に接しながら、他の職員を教育する役割を持つリーダーの意識が変わらなければ、何も変わらない。
リーダーが問題意識をもって、介護を行うその場所で他の職員の言動に常に注意し、ほころびが見えた際にはその都度注意して、サービスの質が下がらないようにしないと、水が低き方に流れるように、何も指導しない介護サービスの質は、低下の一途をたどるのだ。
例えば介護福祉士養成校において学生を徹底的に鍛え上げ、顧客である利用者に対する適切なマナーを教え込んだとしても、実際に就職した先で、先輩職員の利用者に対する、「タメ口」が飛び交っているとしたら、そこで新入職員だけがマナーを持った対応に徹することは難しくなる。場合によって若い職員は、自分の身を護るために、サービスマナーのない先輩職員に迎合しなければならなくなる。
マナー教育を受けて、それを十分理解していたはずの元生徒たちが、そんな風にして腐ったミカンの方程式のごとく、先輩職員の醜い言葉遣いに染まり、利用者に対して横柄な態度になることはあまりにも哀しいことだ。そんな状態を正さねばならない。
だから僕はサービスマナー研修には、新人職員ではなく、リーダーをはじめとしたベテラン職員を数多く参加させてほしいとお願いしている。先輩たちが職場を変えようとしない限り、変化は難しいからだ。若い人々の努力だけでは限界があるのだ。
だからこそリーダー自身が、サービスマナーがいかに大事かということを理解しなければならない。
そして対人援助のコミュニケーションスキルとしても、「丁寧な言葉で接する」という態度を身につけなければならないことを自覚し、自らが率先してサービスマナーをもって、利用者に丁寧語で話しかけることを、「当たり前」としなければならない。それと同時に部下を教育する先頭に立つ必要があるのだ。
そうしたリーダ職員の日ごろからの実践の結果として、高品質なサービスと気持ちの良い職場環境が生み出されるのである。
だから僕は講演中にリーダーの方々に対して、「明日からできることは、あなた方自身が、サービスマナーを大切にして、利用者に丁寧に話しかけ、決してタメ口で接するような失礼な状態にならないことです。」と呼びかけ、「他人は変えられなくとも、自分は変えられる」と訴え、「自分が変われば、それについてくる職員が必ず生まれる」と主張してきた。
そんな講演を受講してくれた人の一人が、昨日僕のブログにコメントを入れてくれた。それをここにも転載しておく。
【昨日の東予地区中堅リーダーの研修会に参加させて頂きました。 自戒を込めて、今日1日、全ての入居者さんへ丁寧語を徹底しました。頼まれた時は「かしこまりました」。 職場が変わるまで、毎日私自身が、丁寧語を続けることを宣言致します。】
とてもうれしいコメントだ。こうしたリーダーが一人でも増えていくことで、介護サービスは良い方向に確実に変わっていくだろう。そして私たち自身が介護支援が必要になった時に、心ない介護職員の「タメ口」によって傷つくこともなくなっていくのだろう。そんなことを願いつつ伝え歩く旅を続けている。
介護支援者によって、心を殺される人がいなくなるようにと願いながら・・・。
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