時が流れるという言い方があるが、時は流してはいけないという人もいる。時を重ねて経験を糧にするんだと云う人もいる。
どちらがいいのかわからない。どっちでもよいだろうと思っているのが本音だ。そもそもそんなことを考えながら生きている人はいないのではないかと思う。年の取り方を考えながら生きている人も多くはないんだろう。普通の人は、日々の暮らしを営みながら、気が付いたらこんなに年を取っていたという感じではないのか。その中で時はいつの間にか過ぎ去っているものではないのだろうか。
人生という限りある時間を意識して、自分の生き方に目的を見出している人がいたとしても、年は自然と取っていくものなんだろうと思ったりしている。どんなに頑張っても所詮人は年を重ねて衰えていく存在だ。いくら名誉や金があっても150年生きられる人はいない。だからある年齢を過ぎると、次代につなげるために何ができるかということが生きることにおいて重要な問題となるような気がしている。
そんな風に年を重ねて、今日僕は50代最後の誕生日を迎えた。
僕の年の取り方がどうなのかは自分ではわからない。そもそも年の取り方に、良いも悪いもないのではないかと思う。それも個性として考えてよいものではないか・・・。
僕の管理する掲示板を読んでいる方からは、「あんたはいつまでも若いな。いつも怒っていられるから。」と言われたりする。
その印象は、多分にネット人格によるものだとは思うが、いまだに子供っぽいところが抜けていないのは事実だろう。この年になるとそのことは恥にしかならないが、それも個性だ。許していただこう。
僕は大学を卒業してすぐ、社会福祉法人が運営する特養の生活指導員として就職した。その法人で特養の施設長を拝命した当時、僕はその地域で一番若い施設長だった。その時に、その先にある長い人生を考えて、55歳までにはその仕事は引退したいなと思い続けていた。
仕事=人生ではないが、仕事が人の生き方に重要な影響を持つことは否定できないだろうから、その影響力の強い、「仕事」を定年(60歳:当時)まで機械的に続けるのではなく、生き方をどこかで変えてみたいという欲求が常にあった。それは子供っぽい、「夢」に近いものでもあった。しかしその年が近づくにつれ、その欲求は高まっていき、なくなることはなかった。
その過程の中で、「あかい花道場」という活動に出会えた。(参照:五本の赤い花 ・ 5本の赤い花たちとともに考えたこと)
そのことで夢は現実にできるのではないかと思うようになった。
そして55歳を1年後に控えたある日、友人らとの飲み会で、「55歳になる前に今の仕事を辞める」と宣言して退職を既成事実化した。その際にある医療法人の看護師長を務めている友人から、そんなに早く退職するんなら自分の法人が運営している老健の仕事を手伝ってほしいと言われ、医療系サービスの経験がなかった僕は、そこでその仕事を手伝いながら、医療系サービスの知識を得ることも、次のステージにつながると考え1年だけ、「事務次長」という何をするのかわからない職名で働いてみた。
最初からそこで定年を迎える気はなかったので、片道90キロ、往復4時間の通勤という無謀な勤務を続け、医療系サービスおよび老健の実態をよく理解できたところで、その法人を退職し今に至っている。
今現在僕は、作家・講師業を中心にして、介護事業の経営管理のお手伝いもしながら生活の糧を得ている。それは根無し草のような不安定な職業ではあるが、全国各地の様々な方々のお世話になりながら、毎日張り合いを持って、心から楽しいと思うことができる仕事が続けられている。そのことについてこの場を借りてお礼を申し上げたい。
僕のライフワークになっている、「あかい花道場」での人材育成も順調に進んでいる。道内の若手人材を育てるという目標の割には、2年間で5本のあかい花しか育てられない現状は、あまりに小さな力でしかないのかもしれないが、その5本の花が10本となり、15本となるだけではなく、その花たちがそれぞれの場所で、彼ら・彼女らに続く後輩を育ててくれるはずだ。そのために少数精鋭で、すべてのエネルギーを5本のあかい花に注いでいる。
やがてその花たちが僕の意思を継いだ樹形図を全道各地に描いてくれることだろう。
その花たちを育てるためにも、僕はもう少し元気で頑張り続けなければならない。そうした小さなことを重ねて、大きな愛を育みたい。
幸い体は健康で、様々な検査数値も年よりは若いそうである。のん兵衛のわりに肝臓のデータも正常値だ。貧血気味なので、ほうれん草を食べなけりゃなと思う程度である。
今後は介護事業の管理業務や、ソーシャルワーク業務(ケアプラン作成業務及びその指導も含む)の関連で、一時的に人がいなくて探しているという方のお手伝いもしたいと思っている。短期的・中期的にそういう人材が必要な際は、全国どこへでも出かけて一時的に勤務に就くようなお手伝いもできるので、是非声をかけていただきたい。
今後ともより一層のご指導とご鞭撻をいただけますよう、皆さんにお願いして、誕生日のメッセージに替えたいと思う。今後ともよろしくお願いします。
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