介護施設にいつも待機者がたくさんいて、空きベッドが生じてもすぐに埋まるという状況ではなくなりつつある。

地域によっては特養でも空きベッドが埋まらずに、相談員が日常的に営業活動を強いられるというケースが増えている。そうした地域では、特養・グループホーム・特定施設・サ高住間での利用者確保競争が生じ始めている。

居宅サービスも同様である。特に競争が激しい通所介護事業においては、要介護1と2の利用者が、給付対象から外れる可能性もあると言われており、その中でどのように顧客を確保していくかということが大きな課題である。(参照:地域密着型通所介護に永続的な経営モデルは存在しない

その時、すべての介護事業者に求められる顧客確保の最後の切り札は、「広告」ではない。本当に必要とされるのはサービスの品質でなのである。

なぜならば介護サービスは、自分の身を委ねるサービスであり、提供されるサービスの質の差によって、自分の暮らしぶりが良くも悪くもなるからだ。そんな中で、家族がサービスを選ぶケースより、自分でサービスを選ぶケースが増えていく。そこでサービスの品質がどうでも良いと考える人はいなくなり、少しでも自分にとって良いサービスは何かということを、事業者の宣伝やケアマネの情報のみに頼らずに、ネット情報を利用しながら、本当の市民の声を探すようになり、そうした「口コミ情報」によって、サービスが選ばれる傾向に向かいつつある。

例えばそれは食べログなどでグルメ情報を求めるのと同じくらい普通になりつつある。しかしその情報によって選んだ店であっても、期待外れだったら、客はその、「違っている」という情報も流すし、そういう店には二度とは行かなくなる。

介護サービス情報も同じで、口コミ情報が期待外れであれば、それとは逆の情報が流れる危険性が増すし、利用した顧客もそのサービスを我慢して使い続けることにはならない。特養も老健も、デイサービスもグループホームも、空きベッド埋めるために営業している影響は、顧客である介護サービス利用者が、簡単に今使っているサービスから離れる動きを助長することにつながるだろう。

よって本物のサービスの品質が、今以上に重要となるのが、これからの介護業界なのである。

しかしサービスの品質向上は容易に実現する問題ではない。介護事業経営者が本気で取り組まないとサービスの質なんて向上しない。そして品質の向上のためには職員の質の向上が不可欠なのである。特に、「顧客」に選ばれるサービスの質の中には、職員の接客態度という要素が大きく影響し、そうであるがゆえにサービスマナー教育は、介護事業者においてお不可欠な教育となってきている。

特に今後、団塊の世代の人たちが、介護サービス事業の顧客層としても大きな塊になってくるので、それらの人々から選ばれる介護サービスとは、どのようなサービスなのかということが、介護事業経営戦略に組み込まれていかねばならない。

そうするとその人たちは、単にサービスを提供してくれる事業所を選ぶのではなく、サービスに付加価値が加えられているところを選ぶ傾向にあることに気が付くだろう。それは介護サービスを提供する人に備わったホスピタリティの精神である。

決められたサービスを滞りなく提供する人がいるということのみでは、選ばれるサービスとはならず、そこにお客様に対する、「真のおもてなしの精神」を持った職員がいるかどうかで、選ばれるサービスか否かの分かれ目ができていくのである。

しかしホスピタリティ精神は、自然発生しない。

サービスを提供する職員に、ホスピタリティ精神が生まれるためには、サービス提供者がプロフェッショナルの意識を持ち、お客様に対してより良いサービスを提供する意識が高まり、お客様に喜んでいただくことが何より大切であると思えなければならない。

そのためにはプロとして当然持つべきスキルとして、お客様に対する節度ある態度に努めるという意識が不可欠で、サービスマナーを身に着けるのはプロとして最低限のスキルであると考える職場環境が求められるわけである。

この教育に本気で取り組む介護事業者だけが、生き残っていけるのである。それができなければ、国による介護事業の大規模化誘導の中で、消えてなくなるか、吸収合併されていく事業者になるしかない。

だから本気で職員の教育をしなければならないわけである。しかし職員教育にも大きな課題が残されている。(関係性ができていれば「タメ口」が許されるのか?に続く)

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