新元号が「令和:れいわ」となると決まった今日は、新年度のスタートということで、新入社員が入職し入社式を行う介護事業者も多いのだろう。
職員の配置転換をする場所のないほど、事業規模が小さな事業者では、退職者が一人もいないために、新入社員の募集も行っていないというところもあるのかもしれない。
しかし事業規模が大きくて、必要に応じて職員の配置転換も行っている事業者であれば、職員の入れ替わりが全くないということは考えにくい。それにもかかわらず、新年度のスタートの日に入社式を行わない事業者の場合、年度の途中で絶え間なく職員の退職があり、常に職員が足りず、いつも職員募集をしている状態で、募集に応募があるたびに職員を採用して、年度替わりなど関係ないという状態のところもある。
そういう事業者は、職員がなぜ定着しないのか、なぜいつも職員確保に困っているのかということについて、その根本原因を検証しなおすべきである。その根本原因の対策がない限り、永遠にその状態は継続し、やがてそれは事業を廃止せざるを得ない結果につながっていくのだ。
職員募集のテクニックを模索する前に、定着率を上げる対策が求められるのだ。そのためには職員が辞めていく根本原因をさぐり、人材が定着するシステムを早急に構築しない事業者は、人手不足がさらに深刻化し、令和という時代を駆け抜けることは不可能なのだと自覚してほしい。
その時に考えなければならないこととは、事業者として集めたい人材とは、単なる人員なのか、将来人財となり得る人物なのかということである。前者の人員は、職場に害をなす「人罪」となり得る危険性もある。そういう人間がいる職場からは、本来必要とされる人財や人財となり得る才能ある職員が逃げていく。
有能な職員が退職する理由の一つが、人罪でしかない職員の、利用者に対する汚い言葉遣い・荒々しい対応がストレスになって、「こんなやり方が、人の役に立つ方法とは思えない」・「こんな職場にいては自分も駄目になる」という理由である。
逆に、利用者に対する対応が丁寧で、根拠ある介護実践を行っている職場には、有能な人財が集まり定着する傾向がある。そうであるからこそ、そうした差別化を図って、有能な人財を集めることが、将来の事業経営を考えると必要不可欠になるのだ。なぜならこのブログで何度も指摘しているように、どんなに人材対策を取ろうとも、日本全体・地域全体で介護人材が充足する見込みはなく、人材集めでも勝ち組と負け組に分かれざるを得ないのが、現在と近い将来にわたる日本の状況だからである。
そんな情勢の中で新入職員が入職してくる。その人たちが、利用者に適切な言葉遣いと態度でもって、マナーのある対応ができるかどうかの分かれ目は、今日という日に入職したその場所で、先輩職員たちがどのような言葉遣いと態度で、利用者に向かい合っているかにかかっている。その自覚はあるのだろうか。
新しい入管法によって、日本の介護現場に飛び込んでくる外国人も増えるだろう。その人たちは事前の日本語教育で、「です」・「ます」という言葉遣いを教えられて、「タメ口」の会話法は教えられていない。そういう人たちが介護現場で先輩職員の口調をまねて、入職して数日も経たないうちに、利用者に対して「タメ口」で接するようになるとしたら、これはもう悲劇を通り越した喜劇でしかない。
自分の職場がどういう職場になるかは、自分自身の実践にかかっているのかもしれないと自覚する職員が一人でも増えてほしい。
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