僕は今、新千歳空港から沖縄に向かっている。

僕がいつも利用するJALの場合、沖縄へは乗継便しかない。しかしANAの場合は、沖縄直行便が数年ぶりに復活しているので、今日は慣れないANAに乗っている。この便は当初新千歳空港を10:40発に経ち、沖縄には14:35着の予定となっていたが、那覇空港の混雑のため40分遅れで運行中だ。那覇空港はいつも混んでいる。運行ダイヤの見直しが必要ではないのだろうか。どちらにしても約4時間の空の旅の途中でこの記事を更新しているところだ。

今朝の新千歳空港周辺は小雪交じりの天候で、気温も氷点下まで下がって寒かった。日中も3度くらいまでしか気温が上がらないというのに、これから向かう沖縄は那覇の最高気温が26度とのこと・・・沖縄ではコートは邪魔になるので家に置いてきたが、JRのホームではさすがに凍えていた。この時期はこのギャップに悩む時期でもある。

さて、今回の沖縄講演では、今日と明日で二つの講演を行なう予定になっている。

今日の講演会場は豊見城市の「デイサービス華々2号館」である。そこではデイサービス華々と琉球介護コミュニティ協会が共同開催する「サービスマナー研修」を行う予定で、時間は18:30-20:00となっている。

明日はうるま市の「うるマルシェ」で、13:30〜16:15で行われる琉球介護コミュニティ協会主催セミナーの中で、14:15〜「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」をテーマに120分の講演を行う。

年度末もギリギリに押し詰まったこの時期に、しっかりサービスマナーを身に着けて、すぐ来週に迫っている新年度初日から、そのことを新入職員に伝えなければならない。最初にしっかりマナー教育をしなければ、マナーのないぞんざいな態度で、利用者に相対する方法論が新入職員の身に沁みついてしまう。そうなっては修正することが非常に困難になる。だからこの時期に、新人指導担当者がサービスマナー研修を受けて、新入職員に伝えなければならないことを確認しておくことは非常に重要である。

加えて、今後すべての介護関係者が携わる必要性が高まる「看取り介護」のスキルを高めておくことも必要不可欠である。自宅で看取り介護を受けながら最期の時間を過ごそうという人が増える過程では、看取り介護の真っ最中の方が、デイサービスを利用するというケースも増えてくる。だからデイサービスの職員が終末期支援の意味や方法論を学んでおくことも必要不可欠なのだ。

僕自身がそのことをしっかり自覚して、すべての関係者に看取り介護とは何かということをわかりやす伝えてきたいと思う。

ところで今年は4/1が月曜日である。月初めで週初めの日が新年度のスタートという区切りの良い年だ。同時にその日が新入職員の入職する日であり、新人教育のスタートであるという職場も多いだろう。

新年度に入る前に既に新人教育に入っている職場もあるかもしれないが、本来新人研修は採用日からが原則である。特に新社会人となる学卒者は、社会人となる準備期間として新年度という区切りの日まで時間を与えてやりたい。卒業から入職の日まで心構えと自覚を持つため、そして学生生活の名残をかみしめる期間として、3月いっぱいまでは自由に時間を使わせてあげたいと思う。だから個人的には教育期間を3月中に前倒しすることには感心しない。

さて新人教育であるが、まさか就業初日から介護職員を現場に放り出して、現場リーダーに任せてOJTと称する作業の丸暗記を行わせている事業者はないだろうな・・・。そんな方法では人材は育たない。人財にはならないのである。

基礎教育は座学で、ある程度の期間を費やして行う必要がある。座学と言っても、年金や健康保険がどうのこうのという事務連絡はそれとは別ものであり、きちんと基礎的な介護の知識と技術を吸収できる内容にせねばならない。

とある社会福祉法人は、この期間を2月に設定し、新入職員は研修所でみっちり教育を受けて、実際の現場に配置されるのは6月からというところもある。さすがにそこはきちんとした技術を持って、品質の高いサービス提供をしており、職員の定着率も高くなっている。

しかし多くの職場では2月もの基礎研修時間は取れないだろう。しかしせめて2週間程度は、耳学問でみっちり鍛えて現場に送り出すという準備期間の考え方が必要だ。そこでマナー教育をはじめとした基礎研修をしっかりと行い、新人職員を鍛えておくことが、後々事業者にとっての「財産」である 「人財」を作る基盤となるのである。ここを大事にしている事業者は、職員の定着率が高くなっており、人材確保の苦労が大幅に減っていることも事実だ。

人が少ないからと言って焦って採用し、教育期間もほとんどとらずに、素人と変わらない知識の職員を現場に放り出す職場では、「こうしていた」という経験に寄りかかるだけで根拠のない技術指導が行われ、場合によってはそれは人によって方法がバラバラで統一されていなかったりする。そのような根拠のない方法論で現場は混乱し、疲弊し、バラバラに空中分解するのである。

そういう場所では職員の定着率は上がらず、いつも人が足りず、いつも人を募集し続け、応募する人が来るたびに一から仕事を教えることになるが、そのうちの幾人かは、完全に仕事を覚える前に辞めてしまうことの繰り返しになる。そうなると仕事を教える職員も疲弊していく。そもそもその状態では、仕事を教えると言っても、それは作業を覚えさせるにとどまり、技術を伝えられない。そうした職場で職員は充足することはないし、仕事も順調に回らない。サービスの質も上がらないから、有能な人財は集まらない。このように永遠の悪循環が続くことになるのである。

そのような職場に放り出させる新人も可哀そうである。僕が手塩にかけて育てた若者たちには、そのような職場を決して紹介しないようにしている。

そういう悪循環に陥っている場合には、どこかで覚悟を決めて、根本の問題解決に向けて舵を取り直す必要があるのだ。今がその時期であるという事業者も多いのではないだろうか。まさに「今でしょう」という死語に近い言葉が必要になるのである。

僕も北海道に帰ってきた後は、いくつかの法人の新入職員研修の教育のお手伝いの予定が入っている。今からでも遅くはないので、そうした教育・訓練の場に呼んでいただければ、少しでもお手伝いができるだろう。

どうぞ気軽に声をかけていただきたい。いつでも連絡をお待ちしています。

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