最初にお断りを記しておく。現在ライブドアブログのトラブルで、アクセスカウンターが動いていないので、カウントゼロ表示を気にしないでもらいたい。(※追記:16時頃カウンターが動き出したが、そこからのカウントなので、この日のアクセス数は極端に少なく表示されてる。

さて本題。僕の講演を受講してくれる方の中には、僕が誰かということも知らずに、たまたま職場命令や友人・知人に誘われたからという理由で受講される方もいる。

そんな方が僕の講演を聴いて、共感することが多かったとか、今まで疑問に感じていたことの答えが見つかったとして感想やお礼の連絡をくれることがある。その中には僕を講師として自らの地域に招きたいという打診の連絡も含まれていることがある。それはとてもありがたいことである。そのおかげで僕の講演機会は毎年のように増えているし、人間関係も広がっている。それが何よりの財産である。

その一人が高知市の福の種合同会社の木村 徹社長である。

木村社長は僕のことはまったく知らなかったとのことであるが、昨年11月に愛媛県松山市で行われた、「えひめ医療福祉従事者連絡会つどい」さん主催のセミナーをたまたま受講しており、その時の講演内容に共感し、その話を高知市でもしてほしいということで、その日のオフ会の席で講師依頼を受けた。その後の調整で高知市でのセミナーが今月実現する。

4月21日(日)に高知市安心センターで行う講演については、高知市介護保険課、福の種合同会社(アルコデイトレセンター)の共催であり、かつ高知市居宅介護支援事業所連絡協議会・高知県介護支援専門員連絡協議会・高知県通所サービス事業所連絡協議会が協賛しており、県内外の関係者の方に広く受講案内をしているオープン講演会である。(参加料は無料。)

テーマについては第一部が、「医療福祉における問題点と今後の介護保険制度の方向性について(特定処遇改善加算の算定・支給構造も解説します)」・第二部は、「割れ窓理論を踏まえた介護サービス事業所のサービスマナーについて」となっている。詳しくはこちらに張り付いたリンク先から案内をダウンロードしたうえで事前申し込みいただきたい。

ところで講演を受講した人から相談を受けることもある。時間があればそうした相談にはなるべく真摯に、丁寧に答えたいと心がけている。

先日もある講演の受講者から相談を受けた。その内容とは次の通りである。
利用者に対する言葉遣いはとても大切で、それが利用者に対するサービスマナーの基本となることが分かったが、自分の勤めている職場は全くそのことに関心がない。そのため従業員の利用者に対する言葉遣いにもマナーも最悪で、利用者に対する「タメ口」が日常的に繰り返され、中には利用者を罵倒する職員もいるが、どうしたらその状況を変えられるでしょうか。

おそらくこうした職場は全国にたくさんあるのだろう。しかし一職員の立場でいくら頑張っても、その状況を劇的に変えるのは難しいと思う。

利用者に対するマナー意識のない職場を改革するには、経営者の覚悟が必要なのだ。マナー教育の過程で、教育効果が表れない職員、指導と注意が念仏化して聞き流す職員は必ず出てくる。その時信賞必罰の原則を貫いて、マナーの身についた人と、身につかない人の待遇を変えるためのキャリアパスの仕組みなり、給与体系なりがないと大きな改革はできないのである。

だから経営者や管理職にそのことの必要性を気づいてもらわねばならない。それ以前にいかに現場レベルの利用者対応が劣悪な状態なのかを知らしめないとならないと思う。

改善の必要性があると感じている職員と、経営者や管理職の実態把握の内容に温度差があると、経営者が改革に取り組みは遅々として進まなくなるからだ。「そんなこと言うけど、利用者から苦情があるわけではないし、君以外からそんな話は聞かないよ」と言って放置されることになっては何も変わらないのである。

しかし過去に虐待が発覚して、経営危機に陥った事業者はほぼすべて、虐待行為という事件が発覚するまで不適切対応が放置されていたという事実があり、利用者からの苦情や多数の職員からの通報がある状態になった時にはもう遅いともいえるのだ。

だからこの問題は不適切な対応がエスカレートする前に、できるだけ速やかに利用者へ対するマナーのある対応の重要性を教育して変えていかねばならないのだ。それが介護事業経営上の危機管理と言えるのだ。介護事業経営者や管理職はこのことを強く自覚すべきである。

よって経営者や管理職に、サービスの場で横行している不適切な言動の実態を正確に知ってもらう必要がある。そのためには職員が利用者に対して横柄な態度で接したり、罵声に近い不適切な言葉をかけている場面をスマートホンなどで動画撮影して、その状況を画像と共に報告すべきだ。勿論この場合は、「隠し撮り」と言われる状態になるが、それは仕方のないことだと思う。

場合によっては不適切な対応を取っている職員の姿を、その職員自身に見てもらって、「このような姿で良いと思う?」と問いかけることも必要になるが、それは動画を撮影した職員が行うべきではない。そうしてしまえば人間関係は最悪になるからだ。

こうした役割は通報を受けた経営者もしくは管理者の役割で、誰が撮影した動画かということを秘して、職員に注意・指導を行う際に、画像を示す必要があるだろう。

現場レベルで志を同じくする仲間を増やして、コツコツと改善に努める努力も必要であるが、それでは時間がかかりすぎるし、永遠に共鳴しない職員の不適切行為は亡くならない。サービスマナーの確立は、職場全体で取り組んで初めて実効性が挙がるので、経営者が覚悟を決めて、管理職が改革の責任を負い、現場リーダーが中心になって指導と注意を繰り返すことが必要なのである。

近道はないのである。地道に毎日、意識向上の取り組みを続け、あきらめないで良い方法を取り続ける職員を増やしながら、できない職員は待遇差をつけ、場合にっては介護の現場から外すということも必要だ。

人手が足りないからそんなことができないと躊躇している職場は、一生そういう状態から抜け出せず、そのような不適切な言動にストレスを感じる「人財」が流出し、やがて不適切対応に感覚麻痺した職員によって、重大な事故・事件が引き起こされて、経営危機に陥るだろう。

逆に覚悟を決めて改革に努め、サービスマナーを確立した職場には、そうした対応に共感する優れた人材が集まり、やがてそれらの人が「人財」に成長していくだろう。当然そうした職場では、利用者に対するホスピタリティ精神が自然発生するから、利用者に選ばれる事業者として、経営も安定していくだろう。

どちらになるのかは、事業経営者の覚悟にかかっていると言えるだろう。

そしてもう一つだけ言っておきたいことがある。志がある職員が、上司や同僚や部下の不適切な対応を、「隠し撮る」のには、それ相応の覚悟がいるのだから、そうした覚悟を持って撮影した画像を無視して、なんの対策も行わないとしたら、その画像は様々な形で世に出てしまう危険性が高いということだ。

そうなれば不適切対応を行っていたことに加え、それを放置した、あるいは隠そうとしたという罪を重ねたという世間からの批判は免れない。それは事業経営を不可能にすることに直結する問題なのだ。

放置してきた不適切対応の映像は、いつ爆弾となって爆発するかわからないのである。

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