先週の3連休に入る前から、北海道はすっぽりと寒気の中に入り、まるで北海道全体が冷凍庫になったような寒い日が続いた。

昨日まで開かれていた札幌雪祭りも、例年なら溶けて危険となった雪像が、雪まつりの最中に何基か解体されるのが常であるが、この寒さのために今年は全部の雪像が解体されずに、最終日まで会場を飾ったそうである。観光客の方には寒くて大変な気温だったろうが、その分雪像はきれいなまま最後まで鑑賞できて、良い思い出になったのではないだろうか。

それに北海道は屋外が寒ければ寒いほど、屋内は温かくなり、室内ではランニングシャツで生ビールをおいしく飲むことができる場所が多い。おいしい食べ物と飲み物を堪能していかれた方が多いと思う。今年は観光客も史上最高数になったようで、北海道の経済活性化には良い影響があったのではないかと思う。何はともあれである。

今朝は寒気が少しは緩んでいる。とはいっても、僕の自宅のある場所は午前6時に氷点下7度だった。そんな中、僕は今関空に向かう空の上から、この記事を更新している。

今日の午後から、神戸ハーバーランド・ホテルクラウンパレス神戸では、「兵庫県老人福祉事業協会・施設長研修」が行われているが、僕は明日の午前中、講演を依頼されており、そのための前日移動である。

その講演内容に関連した介護給付費分科会が今日の夕方開かれるが、その資料をみてビックリ。新介護職員処遇改善加算が、特定処遇改善加算と呼ぶのは良いとして、通所介護の高い方の加算率が1,2%しかない・・・これじゃあ月の収入200万の小規模デイでは、加算が2万4千円しかつかない。全体で2万4千円の加算で、どうやって経験ある介護福祉士に8万円の給与アップができるのか。これでは小規模事業者から介護職員はいなくなって、経営ができなくなる。これが国の誘導策か・・・。これからじっくり読み込もう。

さて話は変わるが、講演は明日なのだから、もっと遅い時間に移動したって良いのだが、今日の午後からのプログラムを見ると、15:30〜「ノーリフティングケア」に関する講演が2題予定されている。それもノーリフティングケアの先進地域と言ってよい、高知県の方が講師を務めるようだ。それを聴き逃す手はないと思って、この時間に移動しているわけである。この飛行機は13:05に関空に着陸予定だが、そこから順調に移動すれば午後3時頃には同ホテルに着けるので、その講義には十分間に合うだろう。

ノーリフティングケア」とは、その名の通り「抱え上げない介護」のことである。移乗介助などの際にも、利用者が体重の重たい人であろうと、介護職員が一人で対応し、スライディングボードなどの福祉用具を丈夫に活用して対応する方法である。

抱え上げる介護である限り、重たい利用者の対応について、介護者が一人では限界が生ずることになる。対応職員が2人以上いないと対応できない場面が数多くなってしまう。そうであれば夜勤帯で、介護職員が一人で対応しなければならない場合に、実質そうした移乗介護等は行えなくなり、夜間だからという理由のみによって、できないことが増えるわけである。

そのことは、日中排泄がトイレで可能となる人が、夜間におむつをせざるを得ない理由にもされてしまう。

在宅でのケアを考えた場合、そこではヘルパー等が一人で対応するのが基本なのだから、抱え上げるケアを続ける限り、できないで放置されるサービスが、昼夜を通して出てくることになる。

しかし福祉用具を利用して丈夫にノーリフティングケアが行われると、介護支援者が一人で可能となる行為が広がる。というより基本的に利用者対応は一人でできることになるわけで、ほかに支援者がいないから対応できないということがなくなるわけだ。

そのため排泄感覚があるにもかかわらず、夜間という理由だけでおむつに排泄せざるを得ないようなことがなくなる。いつでも離床援助が可能になるわけである。

同時にノーリフティングケアは、正しい方法で行えば、利用者の身体負担も減ると言われている。痛みや不安がなく、スムースに移乗や離床が可能になることは、利用者にとってもメリットである。

ただしノーリフティングケアには、抱え上げるケアよりもより高いレベルで、知識や技術が求められることも事実だ。それを身につけねばならないが、その前に「抱え上げない」ことがいかに求められるかという意識転換も必要になるだろう。

そうしたハードルがあることは事実だが、ノーリフティングケアが浸透したその先には、福祉用具を使った介護業務の省力化という目的も達せられる可能性が高い。何より二人介助の必要性が大幅に減るだけで、少ない職員での対応できる場面が増えるということなのだから、人材不足が叫ばれる今日の状況を、わずかでも好転させる要素となり得るケアともいえる。だからこのケアの普及が求められるのである。

しかし過去にノーリフティングケアに関する講義や講演を受けた際に感じたことは、その方法論を手に入れている人であっても、必ずしもその方法論を的確に伝えられていないということだ。

伝達方法があまりにつたなすぎて、受講者がその方法を理解できない場面が多々ある。そうであれば、伝える専門家である僕のような立場の者が、この方法論をしっかり手にして、伝える側に立つことがあっても良いと考えるようになった。

今日はその第一歩として、純粋な気持ちでノーリフティングケアを学んでこようかと思っている。

その向こうにいつか、「masaのノーリフティングケア」という講義ができたら良いなと妄想している。

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