昨日 19日(水)の社保審・介護給付費分科会では、来年10月の消費税増に伴う介護報酬改定の概要が以下の通り決定された。

1.介護報酬改定 +0.39% ※ 補足給付に係る基準費用額の引き上げ分の対応として、別途国費7億円程度

2.新しい経済政策パッケージに基づく介護人材の処遇改善 国費 210 億円程度

第167回社会保障審議会介護給付費分科会資料の、資料2019年度介護報酬改定に関する審議報告(案)部分を抜粋してみる。

加算の対象(取得要件)
・ 現行の介護職員処遇改善加算(機砲ら(掘砲泙任鮗萋世靴討い觧業所を対象とすることとし、加えて、
・ 介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること
・ 介護職員処遇改善加算に基づく取組について、HPへの掲載等を通じた見える化を行っていること。

加算率の設定
サービス種類ごとの加算率
・ 介護職員確保に向けた処遇改善を一層進めるとともに、人材定着にもつながるよう、経験・技能のある介護職員が多いサービス種類を高く評価することとし、サービス種類ごとの加算率は、それぞれのサービス種類ごとの勤続10 年以上の介護福祉士の数に応じて設定することが適当である。

このように新加算もサービスの類型ごとに異なる加算率が設定される仕組みであり、訪問介護が○○%、通所介護が○○%、特養が○○%というふうに設定されるが、各サービスの加算率は来年1月に公表される予定だ。その加算率も2段階に設定し、具体的にはサービス提供体制強化加算、特定事業所加算、日常生活継続支援加算のいずれかを算定していることを、高い方の加算率を使える要件として設定した。(※今年度の報酬改定で特定施設に新設された「入居継続支援加算」も対象となる可能性があるので今後に注意願いたい。)

このことは加算対象となる介護福祉士等からすれば、自分の資質に関係のない事業者の体制で、自分に対する対価と深く関係する加算額に差がつくことは納得のいかないところだろう。


∋業所内における配分方法
基本的な考え方を踏まえ、経験・技能のある介護職員、その他の介護職員、その他の職種の順に配分されるよう、事業所内の配分方法は以下のとおりとすることが適当である。なお、配分に当たっては、経験・技能のある介護職員、その他の介護職員、その他の職種について、こうした区分ごとの平均の処遇改善額を比較することとし、それぞれの区分内での一人ひとりの処遇改善額は柔軟に設定できることとする。

経験・技能のある介護職員、その他の介護職員、その他の職種の設定の考え方
・ 経験・技能のある介護職員は、勤続 10 年以上の介護福祉士を基本とし、 介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続 10 年の考え方については、事業所の裁量で設定できることとする。
・その他の介護職員は、経験・技能のある介護職員以外の介護職員とする。
・その他の職種は、介護職員以外の全ての職種の職員とする。

具体的な配分の方法
・ 経験・技能のある介護職員において、月額8万円の処遇改善となる者又は 処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(年収 440 万円)以上となる者を設定・確保すること。これにより、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を実現。
月8万円の賃上げとなる人、あるいは賃上げ後に年収が440万円を超える人を設定・確保しなければ加算を認めないというのも既報の通りである。440万円の年収はあくまで「賃上げ後に年収が440万円を超える人」なので、今現在超えている人がいることが条件ではないことに注意が必要だ。

※ 小規模な事業所で開設したばかりである等、設定することが困難な場合は合理的な説明を求める。
小規模で開設して間もないなど、やむを得ない事情でどうしても実現が難しい事業所には合理的な説明を求めていく、という部分などは、今後のQ&Aによって具体的な対応が明らかになるので、現時点で解説不明な部分も残っていることは事実である。通知とQ&Aは、年度末の3月に発出が予定されている。

・ 経験・技能のある介護職員は、平均の処遇改善額がその他の介護職員の2倍以上とすること。
・ その他の職種は、平均の処遇改善額がその他の介護職員の2分の1を上回らないこと(※)。また、更なる処遇改善において、リーダー級の介護職員について他産業と遜色のない賃金水準を目指す中で、改善後の賃金額が役職者を除く全産業平均賃金(年収 440 万円)を超えない場合に改善を可能とすること。
※ 平均賃金額について、その他の職種がその他の介護職員と比べて低い場合は、柔軟な取扱いを可能とする。
このように〃亳海△覯雜鄂Π・△修梁召硫雜鄂Π・その他の職種に対する賃上げ幅を2:1:0.5とする配分については、´↓の各グループの「平均」を指標とすることになったため、個々の賃上げ額をどうするかは事業者が判断できる。つまり個人差ができてよいということである。例えば改善額の8万円を、経験ある介護福祉士を5万円とし、その他の介護職員は2.5万円、その他の職種を0.5万円とした際にも、その他の介護職員のAには5万円アップし、BとCには2.5万円アップ、退職間近いDには0円とする取り扱いも可能である。このルールの範囲内であれば、有望な若手などを高く評価することも可能であるが、それは一面職場内での不公平感を助長させ、不満分子を大量排出しかねない問題にも直結する。

また「その他の職種」の賃上げは年収440万円を超えない範囲でしか認められないことにも注意が必要だ。


この件に関しては、「新処遇改善加算(19年10月)によって笑う人、泣く人」・「事業者にとっては悩ましい新処遇改善加算」・「医療機関から介護福祉士がいなくならないか?」で解説してきたところで、そこで書いていること以外に新しい情報があるわけではないように思える。

なお厚労省が重視しているのは、現場を牽引する「リーダー級の介護職員の処遇改善」であり、これに該当すると認められれば、「業界10年の介護福祉士」も等しく高い評価を受けられるというものである。

この加算は居宅介護支援や福祉用具貸与、訪問看護は対象外となることも周知のとおりである。

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