11日に初めての香川講演を高松市で行った。講演会場では受講者の皆様が熱心に聴いてくださったし、その後の分科会では貴重な実践発表を聴く機会をいただき、僕自身が非常に勉強になった。

さらに講演前後に様々な方からの温かな人情に触れることができてとてもありがたかった。そんな香川県にまた呼んでいただける機会があればよいな〜と思っていたら早速オファーがあり、来年6/19に高松市内で講演を行うことが決まった。主催は香川県福祉事業協会さんである。香川の皆様、半年後にまた高松市で愛ましょう。(参照:masaの講演予定

ところで北海道はいよいよ本格的な冬に入ってきた。

僕は昨日北海道に戻ってきたが、新千歳空港は降雪のため2本の滑走路のうち1本が使えない状態で、上空待機の飛行機で混雑したため羽田空港で足止めをくらい、結局定刻より3時間ほど遅れて到着と相成った。

自宅にたどり着いたのは夜8時を過ぎていたが、それでも昨日のうちに帰りつけてよかった。他の便の状況を見ると60便が欠航となっており、先々週僕が利用した松山空港の直行便(ANAとIBEXの共同運航便)は機体が小さいために燃料が持たなかったのか、到着地が変更となり新千歳空港には降りられなかったようである。同じ北海道といっても広大な地域なので、目的地以外の空港に降りられてもちっともありがたくないだろう。そういう意味では運が良かったといえるかもしれない。

今日は1月に出版予定の新著作本の初稿ゲラと格闘せねばならず、自宅に缶詰め状態で頑張る予定だが、休む間もなく明日からは取手市講演の2泊3日の旅が始まる。フライトに影響のない天気となるように祈るしかない。勿論、旅先にゲラを持参して校正に励む予定である。

さて前振りはこのくらいにして早速本題に入ろう。

2005年の介護保険制度改正により誕生した地域包括支援センターは市町村の機関である。ただしこの機関は市町村が直営で設置・運営しているとは限らず、民間の法人等に委託可能である。

そのため実際の地域包括支援センターの運営を行っている組織とは、在宅介護支援センターの設置者・社会福祉法人・医療法人・公益法人・NPO法人・その他市町村が適当と認めた法人などさまざまである。

このように市町村内に複数存在する地域包括支援センターは、同じ市町村の機関であると言っても、運営母体が異なることが多く、配置されている職員の質も様々である。そうした背景が、本来市町村組織として同じ運用がされるべき事柄についても、担当地域のセンターの職員の考え方の違いで、対応の温度差が生じてしまうという実情につながっている。

地域の介護問題を発見し、見逃されてしまう介護問題の闇に光を当てようとして設置されているのが地域包括支援センターの重要な役割であるにも関わらず、その機能を全く発揮していない地域包括支援センターが存在している理由も、その辺の事情によるものなのかもしれない。

11/4に発生した大阪高槻市の高齢者夫婦の同日死亡事案について、「地域包括支援センターの使命と役割が問われる大阪高槻市事件」という記事を書いて問題提起した際に、その内容が気に食わないとして、地域包括支援センターの職員と思しき人物から脅迫まがいのコメントが書き込まれたことについては、「大阪高槻市事案を擁護する地域包括支援センター職員の屁理屈」の中で詳しく紹介している。

「包括に助けてもらうのが当然と思っている 高齢者、家族、町内会関係者が多すぎる。」と言い、「毎日毎日あがってくる 要支援者のケアマネ業務。 まず、それだけでも忙殺。 加えて、モンスターペアレントならぬ モンスター家族からの無理難題相談。 モンスター高齢者も多数。 」として、市民の「助けて」というサインに構っていられないという職員がいる事情も、地域包括支援センター全部の問題ではなく、その地域を担当している組織と、その職員の問題であるということなのかもしれない。しかし前述したように、地域包括支援センターとは直営であれ委託であれ、市町村の機関であることには違いがないのだから、こうした問題を当該担当区域のセンターの問題として放置しておいてよいことにはならないだろう。

高槻市のホームページを見ると、同市には12か所の地域包括支援センターがある。11/4の事案は、高槻市牧田町にある集合住宅ておきているので、この地域を担当しているのは三箇牧地域包括支援センターということになるのだろうが、そこだけの問題としてはならないと思う。

そもそも自分が住む地域の地域包括支援センターの職員のスキルによって、高齢期の暮らしの質に決定的な差が生ずるのは問題だ。「住民が包括支援センターに頼りすぎる」と愚痴る職員が、センターにいることはあまりにも不幸だ。頼ることができない地域包括支援センターは亡くなった方が良いし、頼られることを厭う職員は、その任を受けるなと言いたい。

幸いなことに、屁理屈を唱えて市民を愚弄する職員のコメントに対しては、それは間違っていると批判するコメントを寄せてくれる地域包括支援センターの方も居られる。

「包括の業務が多忙であり、こうした対応ができない現状があるのなら、それを改善すべく委託元、委託先(保険者)に強く訴えるべきです。それができないなら、受託しないことです。委託費目当ての現場を知らない(わかろうとしない)委託先の言いなりにならないようにしてほしいです。」という意見はまさに正論といえるであろう。

こういう方々が市民目線で活躍する機関が、地域包括支援センターであってほしいと切に願うのである。

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