僕は今新千歳空港の搭乗口に居る。今日から4日間、愛媛県松山市に滞在し、明日・明後日と講演予定が入っている。
今年から新千歳空港〜松山空港間は、ANAの直行便が復活したので便利になった。JALがホームの僕は、ANAの搭乗口はややアウエー感があり、ラウンジも使えないことは不便ではあるが、経由便より断然時間短縮となる直行便を利用しない手はないというものだ。
明日は松山市男女共同参画推進センターコムズで行われる、「えひめ医療福祉従事者連絡会つどい」という任意団体が主催する講演会で、2講演を予定している。テーマは、『医療福祉における問題点と今後の介護保険制度の方向性について』と『割れ窓理論を踏まえた介護サービス事業所のサービスマナーについて』である。
この研修では制度改正・報酬改定の意味を紐解きながら、今後予測される社会情勢の変化とそれに対応する制度の方向性を読んでいく。その中で今後ますます介護事業者に必要とされる「サービスマナー」を学ぶことができるという、盛りだくさんの内容だ。
参加申込者も既に定員いっぱいの150名程に達しているようである。受講者の皆さんの貴重な時間を無駄にしないような話をしてきたい。
その翌日の明後日は、愛媛県総合福祉会館で行われる、『愛媛県老人福祉施設協議会主催・看取り介護研修会』となる。
愛媛県老人福祉施設協議会さんには、ここ数年の間に何度も講師としてご招待いただいており、今年も3回目の講演となるが、今回のテーマは「看取り介護計画の作成方法」というである。
看取り介護の実践論は、今まで全国各地で何度もお話ししているし、その中で「看取り介護計画」に触れる内容にも触れているが、看取り介護計画作成に絞ったテーマは、僕にとっても初めてである。
当日は午前中110分の講義を行った後、午後からは120分のグループワークとなる。そこでは事前に提出いただいたケースを検討して、グループごとに看取り介護計画を策定してもらうことになっている。
僕の講義はその策定演習につながるものであるが、単に看取り介護計画書の作成技術を教えることにとどまらない。
看取り介護計画の法的位置づけや作成ルール、作成の視点などを細かく解説する必要はあるが、そもそも看取り介護には何が求められ、どういうふうに支援者が関わっていくことが求められているのかという根底部分に話が及ばないと、計画は立案できるけど、人の暮らしとしてふさわしい支援方法に結び付かないという本末転倒が生じてしまうことになりかねない。そうであっては困るわけだから、誰かの人生の最終ステージに関わる人々が、常に考えなければならないことは何かということを、十分に理解してもらう必要がある。
そもそも特養で作成する看取り介護計画書については、施設サービス計画書そのものであり、標準様式を使って作成するのが原則であるし、そうであれば指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第十二条 (施設サービス計画の作成)1〜12までの一連の過程に沿った計画作成になる。
そのルールをしっかり押さえておくことが前提になるが、この場合、サービス担当者会議と担当者に対する照会は同列であり、居宅サービス計画書作成ルールとと異なり、やむを得ない理由がなくともサービス担当者会議を開催せず、担当者に対する照会によって「看取り介護計画書」を作成することは可能であるということも確認・理解してもらわねばならない。
それに加えて、施設サービス計画書の第1表に、「看取り介護」として必ず記入しておきたい要点などについてのお話をすることになる。
例えば看取り介護の場合、余命がほぼ1週間以内と予測される短期間の介護であるという場合があるが、その際の長・短期目標の考え方なども示してくる予定だ。
しかし一番大事なことは看取り介護計画書は、あくまでツールであり、使いこなすものであって、そてに縛られて実際の支援方法が硬直化し、できることよりできないことを数多くするものになってしまっては困るということだ。
看取り介護期間中には、想定外の様々なことが起こり得るが、その際に「計画書に書かれていないから、そこまでする必要はない。」として、できること・しなければならないことをしないということがあってはならないわけである。サービス提供側の都合に沿ったアリバイ作りのために「看取り介護計画書」が存在するわけではないことを徹底的に理解してもらう必要がある。
そういう意味では、看取り介護計画書を使いこなす「看取り介護」がその日の講演のテーマになるのかもしれないと思っている。
ということで今回の3泊4日の愛媛県松山市講演は、盛りだくさんの内容で、皆さんと学びの場に立つことになる。
手前味噌であるが、制度論や実践論を交えたこの3つのテーマの講演を一人でできる講師というのも、全国を見渡してもさほど多くはないのではないかと思う。講演できるテーマは、もっと広いし、具体的なケースも数多く持っているので、講演講師をお探しの方は、「masaの講演予定」を参照いただいて、講演依頼の相談をお気軽にお申し出いただきたい。よろしくお願いします。(※ちなみに1/28:水曜日、東京方面で体が一日空いております。その日投球周辺でしたら講演料のみで、交通費と宿泊費がかからないで講演を行うことだできますので、ご相談ください。早い者勝ちです。)
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