毎年何冊かの自著本を出版社から出していただき、毎月複数本の連載記事を様々な媒介に掲載していただきながら、それに対するいくばくかの報酬を得ていることにおいて、僕は「作家」と名乗っても嘘にはならないのではないだろうか。

そして執筆する内容がすべて、介護に関連していることにおいて、僕が「介護作家」と名乗ることも許されるのではないのだろうか。

独立して活動しているといっても、会社を経営しているわけでもなく、仕事として経営コンサルタントの真似事をしている場合も、コンサル会社の下請けで一部分を担当している身分でしかない僕は、「職業は何ですか?」と聴かれるときの答えが難しいのである。

肩書としては、「介護福祉道場 あかい花・代表」と名乗ってはいるが、それが職業を表すかといえば、そうではないような気がする。そうであれば現在の仕事を考えると「講師業」と名乗るか、「介護作家」を名乗るかのどちらしかないように思う。そうすると僕自身は後者の名乗りの方が座りが良いようにも感じる。・・・まあ人からすればどちらでもよいような問題ではある。

そんなことを考えながら、ブログ記事にしているのは、今がちょど原稿締め切りの集中するピークの時期だからである。

すでに北海道には初雪が降り、本格的な冬に移行する11月を迎えようとしているが、毎月月末は僕にとって、何本かの連載原稿の締め切りの時期でもある。そのためこの時期は完全休養日などあり得ず、何かしら文章を書いている時期でもある。

しかし文章を書くという行為にも、スポーツと同じように好不調があり、PCの前に座ってあれやこれや考えても、1行も文章を書けないこともある。そういうときにはいくら頑張っても良い文章は書けないし、無理してひねり出した文章は、あとで読み返して「駄文」の域を出ず、お釈迦にするしかない場合が多い。そのため「書けないときには無理して書かない」というのが最近の僕のモットーである。

そういう時には気分転換のために本を読んでいることが多い。本といっても仕事関連の本はまず読まない。気分転換にならないからだ。ミステリーやアクションもの、いわゆる娯楽小説を読んで頭の中を柔らかくしている。今日も空いた時間には、京極夏彦さんの分厚い本「百鬼夜行シリーズ」を読んだりしている。でもこの本、京極堂こと中禅寺秋彦の宗教、口碑伝承、民俗学、妖怪等の蘊蓄(うんちく)・セリフが難解である。僕はそれを読みながら「うへい〜難解だ、なんかいだ、南海ホークスだ」などと、今の人には通じないジョークを口にしながら本を読んでいるわけであるが、その内容理解にはかなりの読み込みが必要で、娯楽になっているのかは疑問ではある。でも面白い。

介護に関する法令分を読み込んでいるときとは、読後感が全く異なるので、気分転換としては有効であることは間違いのないところだ。

実は今日締め切りの原稿で、すでに書き上げた原稿があって、あとはそれをメールに添付して送るだけなのであるが、この時間にはまだ送らない。今日一日何度か読み返して、夕方ぎりぎりの時間に送るのである。

勿論それも推敲のやり方の一つなのであるが、完璧に仕上がったと思う文章でも、時間をおいてあとで読み返したときに、修正したほうが良いと思う部分が見つかることが多いのだ。そうした作業を何度か繰り返すことで、やっと冊子に載って人様の目に触れても、一応恥ずかしくはないだろうという程度の文章が完成する。

評価を受ける文章には、寝かせ研ぎ澄ます時間が必要なのである。それはあたかも、良い酒を熟成するのには「寝かせる時間」が必要であるのと似ている。

寝かされすぎの感のある原稿も存在する。しかもそれは僕が意図して寝かせているのではなく、出版社に寝かされているのである。

実は今年も新刊本を上梓する予定があり、それに向けて原稿執筆をつづけ9月初めには原稿を仕上げ、推敲も終え出版社に送っている。その原稿のゲラがなかなか挙がってこない。勿論編集者も仕事の都合があってのことであるが、出版時期にもかかわってくるので原稿を書き上げてしまっている僕は、それがいつゲラとして挙がってくるか、今か今かと待っているところだ。

どちらにしても今年中には新刊本が出る予定なので、よろしくお願いします。

また年明けには別の出版社からも本が出る予定だ。こちらは僕が文章を書くのではなく、僕がインタビューを受けて、その内容が本になるというものだ。そのためのインタビューが来月から始まり、その数は数回になる予定なので、こちらの本は年明け、あるいは来春の発刊ということになるだろうか。

それと今までお付き合いのなかった出版社の編集者の方からも、本を執筆してほしいという依頼をいただいている。こちらもなんとか時間調整して、執筆〜出版にこぎつけたいと思っている。

どちらにしても、自分の考えを文字にして、本という形で世に出してくれる関係者の方がおられるのは、僕にとってとても幸せなことである。それらの方々に心より感謝したいと思う。

本が出版された折には、ここでも紹介するので、購入いただければ幸いである。

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