インターネットのアンケートフォームを通じて、9月28日〜10月15日の期間において、「看取り介護」に関連する二つのアンケートを実施しました。その結果が出ましたので、報告させていただきます。(※貼り付けたリンク先からアンケート結果をダウンロードすることができるほか、このブログ記事後半に結果画像などを貼り付けていますので、ご覧ください。)

その結果は早速分析したうえで講演に反映します。すでに講演スライドを送っていた10月21日(日)に日田商工会議所で行う、「アローチャート天領会主催 講演会」のスライドは修正し、当日新データを反映したもので講演させていただきます。

10月23日(火)に鹿児島で行う、「社会福祉法人政典会・職員研修」のスライドはぎりぎりまで待っていただいておりましたので、昨日新データを反映したスライドを送付いたしました。

11/3の「日総研・看取り介護セミナー・札幌会場」以降の看取り介護講演では、すべて新データの分析に基づいた講演となります。ちなみに札幌会場の申し込みはまだ受け付けております。19日までに最低人数に達しない場合は、セミナー開催を見送ることがありますので、そうならないように是非お近くの方のお申し込みをお願いします。看取り介護・ターミナルケアの知識のみならず、これからの介護サービス全般に必要な情報と知識を得ることができる内容となっておりますので、よろしくお願いします。

さて結果について少しだけ解説しておきます。

自分の最期の時を、どこで過ごしたいですか。」には、522件の回答をいただきました。その結果、最期の時を過ごしたい場所のトップは「自宅」(48.1%)であり、次に「最期に過ごしていた場所」(27.2%)と続き、両者を合わせると75%を超えております。

このことは、医療機関で8割以上の方がなくなっているわが国の現状とはマッチしておらず、それは「自分が死にたい場所と、親を死なせてる場所が異なる」という意味になると思われます。

また「その他」(6.1%)を選んだ人のコメントを読むと、場所は問題ではなく、家族や親しい人など、愛する誰かに見守られていれば場所はどこでもよいという意見が多かったようです。

自分の最期の瞬間を誰かに看取ってほしいと思いますか?」には、397件の回答をいただきました。その結果、「家族など親しい人に側にいてほしい」(56.2%)と過半数を超えて一番多い回答数になっております。次に「その時にならないとわからない」(13.1%)、「どちらでもよい」(12.1%)、「一人で旅立ちたい」(10.1%)と続いています。

このアンケートは前提条件として、「介護が必要な人が周囲に支えられていれば、旅立つときに側に誰もいなくとも、それは孤独死ではなく「ひとり死」であるといわれ始めました。あなたは周囲に支えられながら旅立つときに誰かに側にいてほしいですか? 」として問いかけているのですが、それにもかかわらず過半数を超える方が、「親しい人には側にいてほしい」と答え、さらに「誰でもよいから側にいてほしい」という回答が5.8%あることを考えると、「孤独死ではない、ひとり死」を受け入れる考え方は、広く浸透していないといえると思います。

また「一人で旅立ちたい」や「どちらでもよい」と回答した方々のコメントには、「最期はどうせ意識はないし、家族にも迷惑をかけたくない」というふうに、残された遺族や親しい人を思いやってのコメントが多々見られました。そうであるがゆえに、実際にその人たちが旅立つ際に、愛する誰かが手を握ってくれるとしたら、それは必ず意味があることに思えるし、「一人で旅立ちたい」や「どちらでもよい」と回答した方であっても、本当にその時に側に誰もいなければ寂しい気持ちで旅立っていくのではないかと思ったりしました。そういう場面での「おせっかいの寄り添い」はあってもよいのかなと勝手に思ったりしています。

なおこのアンケートに回答してくれた方の割合は、下記の円グラフの通りで、30代〜50代の方で大半を占めいます。そうするとその世代の方でもこうした意識結果が出ていますので、我々が看取り介護・ターミナルケアの主な対象とする80代以降の方々は、もっと多くの方が「自宅や最期に過ごしていた場所で死にたい」と思い、「家族や親しい人に看取られて旅立ちたい」と思い、それがかなわない場合でも旅立つ瞬間を、「誰でもよいから看取ってほしい」と思っているのかもしれませんね。

下記画像も参考にしてください。
自分の死期を過ごす場所2

自分の死期を過ごす場所

旅立つときに誰かに看取ってほしいか
このアンケートは各末端から1回限りしか回答できないように設定しておりますので、回答数は極めて実人数に近い数字であると言えます。最後に回答にご協力いただいた皆様に、心より御礼申し上げ、ご報告に代えさせていただきます。本当にありがとうございました。

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