昨日から愛知県一宮市に滞在している。今日の一宮は朝から曇り空で、先ほどから小雨が降ってきた。少し心配な天気だが、気温は高すぎず過ごしやすい日になっている。

これからホテルをチェックアウトし、一宮駅直結のiビルに向かう。ビルの最上階シビックホールで講演を行う予定である。そのためブログ記事の更新時間もいつもより早くなっている。
一宮iビル
この白い建物がiビルである。ここにJR尾張一宮駅と名鉄一宮駅も入っており、6階は一宮市立図書館となっている。そのほか各種商業施設が入った複合ビルとなっている。とても立派なビルである。

昨日は3連休の最終日で天気も良かったこともあるのか、このビル内の休憩スペースに、たくさんの市民の方々が憩っている姿が見られた。このような素晴らしい場所で講演を行わせていただくことになり非常に光栄である。

僕が一宮市で講演を行うのは、今年2月以来2度目のことである。

2月の講演は、社会福祉法人・愛知慈恵会さんの職員研修ということで、「萩の里」という特養で講演を行った。

今回は介護関係者のほか一般市民も対象にしたオープン講演ではあるが、主催は前回と同じく愛知慈恵会さんである。参加料が無料という太っ腹の講演会で、13:00〜16:00まで「生きるを支える看取り介護〜最期まで自分らしく生き抜くためのサポート〜」をテーマにお話をさえていただく。途中休憩をはさんで170分の講演となる予定だ。

事前申し込みは必要なく、駆け込みでも無料で受講できるセミナーなので、急に時間ができた近くの方、ぜひ一宮駅までおいでいただきたい。

死者数が増え続ける中で、高齢者夫婦世帯や独居世帯が増えるわが国では、2030年には約160万人の死亡者のうち、47万人ほどが死に場所の定まらない「みとり難民」になる危険性がある。

そんなことがないようにするためには、暮らしの場で看取り介護ができる仕組みを創り、人生の最終ステージをどこで過ごそうと、最期の瞬間まで安心・安楽の支援ができる社会を実現する必要がある。

しかし実際には独居世帯が増える中で、「特殊清掃」が必要になるほど、長い時間遺体が放置されて発見されない「孤独死・孤立死」が増え続けている。医療機関や介護施設等では、「ターミナルケア」・「看取り介護」と称した「見捨て死」のような状態も存在している。

そこでは「痛いよ!!苦しいよ!!悲しいよ!!つらいよ!!」という声なき声が無視されるような悲惨な死に方をしている人が存在しているのだ。

全国の特養の8割以上が、「看取り介護」を実施できるとされているが、そこでも単に看取り介護加算を算定できるだけの「ニセモノ看取り介護」が横行している。

そこでは安心と安楽もなければ、看取り介護対象者本人の意思とは程遠い形での終末期の過ごし方が強要されていたりする。看取る人と看取られる人の間の心のつながりも存在せず、心に残るエピソードも生まれない放置死も見受けられる。それはまさに「死」を待つだけの放置であり、生きることを少しも支えていない状態といえる。

それは看取り介護ではないのだ。看取り介護とは、「死」というゴールがあるとしても、その本質は、「生きるを支えること」なのだということを忘れてはならない。

この世に人として生まれ、生き抜いてきた人たちの、「人生の最終ステージ」を心安らかなものにし、「いろいろあったけど、よい人生だった」、「生まれてきてよかった」と思うことができる時間を過ごせるようにしたい。長い人生を振り返って、残される愛する人に思いを伝えることができる時間を創りたい。そのために僕たちには何ができるのだろうか。

そのことをしっかり伝えたいと思う。

なお11月以降は、5時間の「看取り介護セミナー」を全国7カ所で実施する予定である。張り付いたリンク先から詳細をご覧いただき、お近くの会場で「生きるを支える介護」をじっくり学んでいただきたい。

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