この国では毎日たくさんの人が亡くなっている。その死のほとんどは、ニュースになることさえなく、社会の片隅でひっそりと失われていく命である。
そんな中で、今週は大きく報道された二つの死があった。
数年前から「全身癌」であることを告白していた、女優の樹木希林さんは15日、75歳で旅立たれた。癌を抱えながら女優として仕事を続ける傍ら、「ものを残さない」として、終活にも努めてきた晩年だったようだ。
18日に胃がんのため、41歳という若さで旅立った山本KIDさんは、死とは最も遠いところにいると思えるようなファイターだった。リングに復帰を目指して闘病していたようであるが、願いかなわず旅立たれたことは無念であったろう。
お二人のご冥福を心から祈りたい。
しかしスポットライトが当たらない多くの「死」にも、様々なエピソードがあり、そこには旅立っていった人を、唯一無二の人と思う人々の深い悲しみや慟哭が伴う思いが存在する。
北海道を襲った震度7強の胆振中部地震でも、41名もの尊い命が失われた。そのことも決して忘れてはならない。
年々死者数が増え続けるこの国では、死に場所や死に方がますます多様化せざるを得ない。それはある意味、死ぬ瞬間までどう生きるのかが問われてくる問題とも言え、高齢者介護に関わる関係者には、やがて訪れるであろう、サービス利用者の「死」と「死に向かう過程」にどうかかわるのかということが問われてくる。
それは直接死の場面で関わりを持つことに限定されず、リビングウイルの支援とか、孤独死をしないように日ごろ関わるとか、様々な場所や形で、「死」というものを意識した接点が求められるという意味である。
今僕は、この記事を仙台のホテルの中で書いている最中だ。仙台の空を眺めながら、「死」とは何かと考えついて、脈絡もなくこんな記事を書いている。
今回仙台に来ている理由は、ある社会福祉法人さんの職員研修講師をと止めるためである。7月から月1回行ってきたその研修も、昨日の3回目でいったん終了となった。最終回のテーマは、「看取り介護」であったため、こんなことを思い立ったのかもしれない。
次に仙台に来る予定は、来年1月26日(土)であるが、その時に行う講演は、日総研出版社主催の看取り介護セミナーである。
この看取り介護セミナーは2年ぶりに行われる。
日総研セミナー自体は、昨年度も行っていたのであるが、テーマを「虐待防止」として、同時にそれは「介護の誇り」出版記念セミナーとして実施した。そのセミナーが全国を一回りして終了したので、今年度は改めて「看取り介護セミナー」として全国7カ所を回る予定になっている。
11/3(土:文化の日)に道特会館(札幌市)をスタートにして行うこのセミナーでは、看取り介護・ターミナルケアに関する最新事情と情報を満載にして、すべての介護関係者が取り組まねばならない実践論を伝えるつもりなので、お近くの会場にぜひ参加いただきたい。
5時間という時間を感じさせない内容であると評価されているので、参加料金が高くて恐縮だが、皆さんの貴重な時間とお金を無駄にしないセミナーとすることをお約束するので、ぜひ多くの人に聴いていただきたい。


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