曇り空の登別を経ち、僕は今、四国は愛媛県の松山市に向かっている最中である。奄美地方に近づいている台風の影響が出ないか心配であるが、今日のところはフライトに影響はないようである。
今日の移動は、明日行われる愛媛県老人福祉施設協議会主催・第2回管理職員研修会の講師を務めるための前日入りのためのものである。よって今日は松山市にたどり着くことだけが目的で、明日の4時間半講演に備えて、ゆっくりと英気を養いながらの移動である。
明日の研修は、7月に行われた第1回の研修内容と全く同じ内容で行う研修である。タイムスケジュール路しては10:00〜12:00人事・労務管理(離職予防、面談、内部異動、管理職の育て方等)、13:00〜15:30将来を見据えた事業運営(組織改革、地域貢献、アプローチ方法等)となっている。
愛媛県老施協の会員施設等の方々は、どちらか都合の良い方の日程に参加できるのであるが、前回の研修は7月17日(火)であり、その日は愛媛県も被害を受けた洪水の直後で、被害を受けた地域の方の中には、急遽参加できなくなった人もいたため、それらの人が今回参加してくれるかもしれない。しかし一部地域では、まだ水道設備が完全復旧していないなど、不便が続いていると思え、一日も早い復旧をお祈りしたいところである。
今年の4月以降、ANA便の新千歳〜松山直行便が復活したそうであるが、普段JALがホームである僕は、そのことを知らないで7月までに2度お邪魔した愛媛県講演の際(松山市と宇和島市の講演)では、松山空港まで羽田乗継便を利用した。今回は直行便を利用することになっているため、乗り継ぐより1時間以上移動時間が短くなり便利である。来週から冬の移動便も先行予約が始まるが、愛媛講演は引き続き予定が入っているため、直行便が冬時間でも継続運行されていることを期待したい。
さて話は変わるが、普段僕は雨が降らない限りウオーキングを日課としている。何も予定がなければ2時間ほどかけて、家の周囲を歩いている。家の周囲といっても、2時間かけて歩く範囲だから、それは決して狭い範囲ではなく、かなりの距離を歩いていることになる。住宅街や商店街もそこに含まれてくるが、ウオーキングルートの中で、介護事業所もかなりの数が見受けられる。残念ではあるが、その中にはすでに営業していない事業所もある。
僕が施設長を務めていた特養の関連法人に勤めていた後輩が、独立して経営していた小規模通所介護事業所も閉鎖されている事業所の一つである。そこは登別市ではおそらく最初の「お泊りデーサービス」事業所でもあったはずだ。独立直後には顧客も順調に確保され頑張って営業していた。後輩である彼も独立した後、事業経営者として頑張っており、一時は他事業所の立ち上げコンサルみたいな仕事もしていた。
tだ当初から僕は通所介護事業をその規模で営業するには、限界があると指摘していた。仮に10年事業経営を続けた際に、定着した従業員にいくらの報酬を支払えるかを考えたとき、その事業規模のままでは人が張り付いて長く働くことができる給与モデルは確立できないので、事業規模を拡大するか、事業種類を増やして経営規模を大きくするしかないと指摘していた。案の定、数年後にその経営モデルには行き詰まりが見られ、手を広げた多種別の事業や保険外事業も黒字化する事業にはならず、経営撤退を余儀なくされた。
その後、その事業所は他の会社に売却され、名称を変えて同じ規模で通所介護事業を行っていたが、数カ月前にそこの経営も行き詰ったのか、今その事業所は営業しておらず、事業所は無人のまま放置され、すでに廃墟感が漂っている。
介護事業を支える従業員は、霞を食って生きているわけではないのだから、介護事業経営者には、人材として長く働き、事業貢献してくれる職員に、適切な報酬を手渡すという考え方が不可欠だ。それがないところに有能な職員は寄り付かないし、有能な職員のいない事業所に、いつまでも顧客が寄り付くわけがないというしごく当たり前の経営常識を持たねばならない。
そうであれば1日18人程度の定員も埋まらない経営手腕ではどうしようもないが、いつまでも地域密着型の小規模通所介護単独経営という事業形態で、定期昇給を続けて職員に適切な報酬を手渡すことは不可能だということにも気づくべきなのである。
ここにどう手当てしていくかという事業戦略を持たない経営者であっては、それはもう倒産予備軍であるといって過言ではない。従業員もそこのところを見極めて、自分の将来を考えなけれなばならない。
夢が続く時代は過ぎて、夢の清算が行われている時代に入っているのである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。