先週木曜日に北海道を経って、東京〜静岡と巡った講演の旅を終え、今日一旦北海道に帰る予定である。次は今週木曜日から日曜日まで、大阪〜宇都宮の旅が控えている。

今朝は10:38静岡駅発の新幹線に乗って品川を経由し、先ほど羽田空港に到着したところである。

今回の旅の中で、東京港区と静岡では、介護支援専門員の皆さんに対する講演を行った。そこでは近直の介護保険制度改正と本年4月の報酬改定及びそれにともなう基準改正について解説してきた。

しかし今この時期に報酬改定の解釈のみを述べても無意味であろう。それは現場レベルでほぼ終わっている作業だからだ。

そのため僕は、制度改正と報酬改定について本音で解説することに努めた。それは厚労省の役人など行政職員には決して語ることのできない内容である。例えば今の制度ルールや報酬算定ルールが、過去のどのような考え方とつながっていたり、ねじれたりしているのか。そしてそれは今後どのようなルールにつながっていくのだろうかという予測も述べさせていただくとともに、その中で介護支援専門員としてどのような役割を担っていくべきなのかを解説した。

当然そこでは介護保険制度や介護報酬上の瑕疵や足りない点などの提言も行ってきた。

例えば居宅介護支援費に新設されたターミナルケアマネジメント加算について、なぜこの加算は末期がんの利用者のみを対象とせねばならないのかと疑問を呈したうえで、今後この加算の範囲をすべての在宅看取り介護対象者に広げるべきではないかと提言してきた。

確かに末期がんの方が在宅で最期の時間を過ごすケースは増えているが、今後の多死社会を見つめた場合、高齢者が暮らしの場で自然死するケースが増えることは容易に予想できる。

高齢者の自然死とは老衰である。食物の口腔摂取が困難になる末期となっても、延命のためだけの経管栄養を行わずに、枯れ行くように死に向かっていくのが最も苦痛が少ない自然死である場合が多い。

そうしたリビングウイルの支援を行うのが介護支援専門員の重要な役割になってくる中で、ターミナルケアマネジメント加算の対象者が、「末期のがん」の利用者に限っているのは意味がないと思う。それは不必要な制限ではないだろうか。

また今回の報酬改定は診療報酬と介護報酬のダブル改定であったが、6年一度のダブル改定時には、両者のインセンティブ(報酬)のすり合わせが行われる。

今回の報酬改定では、地域包括ケアシステムの深化を目的として、入院しても短期間で退院して地域で暮らし続けるために、医療機関と居宅介護支援事業所の入退院連携が強化された。

入院の際には、できるだけ早く居宅で生活している利用者の情報が医療機関に伝えられて、より適切な治療ができるように、入院時情報連携加算について、従前の入院後7日以内の情報提供に加えて、入院後3日以内に利用者の情報を医療機関に提供した場合を新たに評価するとともに、情報提供の方法(訪問又は訪問以外)による差は設けないようにした。

退院時には、より適切な居宅サービスが提供されて、利用者が住み慣れた地域で暮らし続けられるように、退院・退所時におけるケアプランの初回作成の手間を明確に評価するとともに、介護支援専門員が医療機関からより適切な情報提供と指導を受けるために、 居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、医療機関におけるカンファレンスに参加した場合を上乗せで評価している。

しかしこの退院時連携についてはかねてより、ケアマネがタイムリーに情報をもらうことが難しいと指摘されており、その理由として、「急に退院の連絡がくる」という声があった。また多職種カンファレンスに参加するハードルとして、「病院が日程を決める」=医師の都合に左右されるために調整が困難であることも指摘されていた。

このため今回の診療報酬改定では、病院が予後や注意点をケアマネに説明することなどで得られる「診療情報提供料(I)」について、退院してから2週間以内に実施するルールを、退院前の2週間以内も対象にするというルールに改めた。これによってケアマネジャーが退院前から情報提供を受けることができるようになり、退院後の初回プランの作成がしやすくなることが期待できる。

また「退院時共同指導料(供」について医師の他、看護師等による共同指導(カンファレンス)を認め、主治医が多忙でカンファレンスの調整困難というケースが減るようにルールを変えている。

しかしこの「退院時共同指導料(供法廚砲弔い討蓮△發Π譴弔離蓮璽疋襪存在している。それは多機関共同指導加算の算定ルールである。介護支援専門員が医療機関のカンファレンスに参加して加算を算定するカンファレンスの定義は、解釈通知において「診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)別表第1医科診療報酬点数表の退院時共同指導料2の注3の要件を満たすもの。」とされており、それは以下の共同指導を意味している。

『注3 入院中の保険医療機関の保険医又は看護師等が、在宅療養担当医療機関の保険医若しくは看護師等、保険医である歯科医師若しくはその指示を受けた歯科衛生士、保険薬局の保険薬剤師、訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く。)、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、介護支援専門員(介護保険法第7条第5項に規定する介護支援専門員をいう。以下同じ。)又は相談支援専門員(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成 24年厚生労働省令第28号)第3条第1項又は児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第29号)第3条第1項に規定する相談支援専門員をいう。以下同じ。)のうちいずれか3者以上と共同して指導を行った場合に、多機関共同指導加算として、2,000点を所定点数に加算する。』

この要件を満たすことで医療機関は2000点(2万円」)という大きな加算を算定できるもので、医療機関にも収益上のメリットがあり、そこに介護支援専門員が参加して介護報酬の退院退所加算のうちより高い加算を算定できることになる。しかし算定要件が、介護支援専門員等の居宅サービスの担当者となる3者以上の共同指導という規定はハードルが高すぎるのではないだろうか。

在宅のかかりつけ医師については、入院先の医療機関の医師からの診療情報提供書による情報だけでも十分だろうし、退院後のサービス利用がとりあえず1種類だけという利用者も多い現状を鑑みると、居宅サービス担当者は介護支援専門員とサービス担当者の2者でもよいとするように、ハードルを下げないと、事実上このカンファレンスは、実施率が上がらず機能しないのではないかと思える。

2年後の診療報酬改定では、この改定を強く望むものである。

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