介護老人保健施設は、本当に存在意義があるのだろうか。

在宅復帰機能とか、中間施設とかいうが、本当にその機能を果たし、その役割を担っているだろうか。そうではないとしたら老健の存在意義は非常にあいまいなものになってしまう。

今年度の老健の報酬改定は、地域包括ケア強化法による改正(介護保険法第8条第28項)<平成29年6月2日公布、平成30年4月1日施行>の新規定に、「介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し〜以下略」という文言が加えられたことで、老健が在宅復帰支援施設であることがより明確化されたことが大きく影響した。

そのため一定の在宅復帰・在宅療養支援機能を有する施設が基本型として評価されたものであり、従前の在宅強化型よりも在宅復帰・在宅療養支援をより進めている施設については、報酬上更に高く評価されている。

報酬区分も大きく変わっており、療養型以外の老健については、在宅強化型・基本型・その他の3分類とされたが、この3分類は一定の要件(退所時指導・地域貢献活動・充実したリハビリ体制など)のほか、「在宅復帰・在宅療養支援等指標」によって区分されることになり、指標の合計数値が20以上60未満のものを基本型として評価することになった。そして60以上が在宅強化型、20未満が「その他」(新設)介護保健施設サービス費(検砲箸覆辰討い襦

その他」として分類された老健は、概ね2%減算された報酬単位になるだけではなく、短期集中リハビリテーション実施加算など14の報酬加算が算定できないとされた。これらの中には、2017年度中には算定出来ていたものもあり、それらも含めて大減算である。

こうした状況を念頭にして、その他に分類された老健は経営を維持できるかと考えたとき、それは非常に困難なことであると思え、「その他」の施設は基本型に移行できない場合は、経営撤退を余儀なくされるということになる。

一方で在宅強化型として一番高い報酬を算定しようとすれば、在宅復帰率とベッド回転率を高めることが必須のわけだが、だからといってそうした老健が中間施設として機能しているかといえばどうも怪しい状況が見て取れる。

それらの老健の中には、入所の条件として最初から3月に限った入所という契約を行い(違法性が疑われる契約であると指摘しておきたい。)、期限が来た場合、否応なく利用者を退所させる施設がある。しかもその場合、利用者もしくは家族に行き場探しを押し付け、相談員は適切な退所支援をすることなく、単なる追い出し屋になっている老健も存在する。

それは中間施設でも在宅復帰施設でもなく、一時つなぎの単なる通過施設だ。

こうした老健にもニーズがあるのは、医療機関の入院期間が短縮される中で在宅復帰がままならず、医療機関の入院期間と在宅復帰強化型老健の入所期間を通算した期間の中で、自宅以外の次の居所を決めるケースが多いのが理由であるが、そこでの老健は中間施設の機能を果たしているとはいい難い。

なぜなら国が老健に期待する在宅復帰機能とは、老健のリハビリテーションの機能が利用者の心身機能の向上につながる結果を求めているのであり、加えて利用者が在宅に復帰した後のアフターフォローとして、訪問リハビリや通所リハビリで継続的に関わりながら、心身機能の低下を防ぐ関わりをも継続していくことを求めたものだからだ。

自宅以外の暮らしの場としての居所を見つけるための「つなぎ機能」しか果たさない老健は、リハビリテーションの結果責任を負っていない施設として、評価できない施設といってよいだろう。

その意味を理解することなく、リハビリテーションの提供の結果、利用者がどうなったかということにも関係なく、契約時の入所条件として、一定期間ごとの退所を求める老健は、その存在意義が問われてくることになる。

国民と関係者自身が、その存在意義を問わねばならないと言いたい。

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