今現在、人に替わって介護ができるロボットは存在していない。

また近い将来、その実現が図れるという目途もない。そのため先般の介護報酬改定の中で議論された、「介護ロボット導入加算」は空中分解してしまった。そのことは昨日のブログ記事で解説したところだ。

考えてみればずっと以前から介護業界に導入されている介護機器も使いこなされていない現状がある。移乗用リフトが、いつの間にか倉庫の肥やしになってる介護施設も多い。一番ポピュラーな介護機器といえ、操作方法も単純極まりないギャッジベッドでさえ、いまだに年間数件の「使い方ミス」によって骨折事故が絶えない状況だ。

道具を使いこなせないのが、介護業界の特徴なのかもしれない。この体質にもメスを入れる必要があるだろうか。

さてそんな中、今回の報酬改定では、「見守り機器」の導入が、報酬加算評価の要件となった。

特養と短期入所生活介護の夜勤職員配置加算亀擇哭兇砲弔い討蓮¬覿仍間帯の夜勤職員数が、夜勤職員の最低基準+1名分の人員を多く配置していることとなっていたが、夜勤時間帯の夜勤職員数が夜勤職員の最低基準+0.9名分の人員にしかなっていない場合であっても、入所者の動向を検知できる見守り機器を入所者数の 15%以上に設置していることで、加算算定ができるようになった。

見守り機器あるいは見守りロボットについては、それだけ実用性が高いと評価されているのである。

夜勤時間帯に定時巡回を行っても、「異常なし」という場合は多い。その場合は仮に見回りを行わなくとも問題なかったわけではあるが、見回ることでその確認をすること自体が重要だと言える。この行為を見守り機器に委ねることができるならば、それは夜間配置職員の大きな省力化につながることは間違いのないところである。

実際の配置が夜勤職員配置加算の要件より0.1かけている職場があって、その職場で見守り機器を導入することで加算算定できるようになるというケースは実際にはそう多くはないだろうし、そのことのありがたみも大したことはないが、見守り機器が実用化されることで、夜勤職員の負担が減り、見回りが必要ではなくなるフロアにおいて、それが利用者の安眠にもつながるのであれば、これは導入効果が高いということができる。そういう意味でも介護施設は、加算算定に関係しなくとも、見守り機器の導入を積極的に進めて、職員負担の軽減を図るべきである。

また今回の報酬改定では、ICTの導入と加算要件をリンクさせる改定が、複数のサービスで行われた。

通所リハビリテーションのリハビリテーション会議について、医師の参加は絶対条件とはなっていないが、最初から不参加を想定した会議の実施は認められていない。また利用者や家族にすれば、リハビリ会議の場で、医師から直接リハビリの進捗状況や、今後の見込みを聴くことは安心感につながることにもなり、医師参加が欠かせないと考えている関係者も多い。

そのような意味を含め、今回はこの会議への医師参加をさらに容易にするために、医師がテレビ電話等(テレビ会議システムの他、携帯電話等でのテレビ電話を含む)を活用して参加してもよいこととする改定が行われた。これにより介護実施のための医師との調整がよりしやすくなると思える。

また訪問介護等の訪問系サービスの生活機能向上連携加算については、セラピスト等との共同アセスメントを行わなくとも、助言を得るだけで算定できるようになったが(加算機法△海虜櫃離札薀團好氾の利用者状況確認は、ICT動画でも可能とされた。そして次の表のような形でのICTを使ったリアルタイムでの情報共有方法や、すでに撮影済みの動画を情報として送る方法での確認などが事例として挙げられている。
ICTを活用した情報提供
もともと介護業界でも、事務関連の仕事にはIT技術が欠かせないものとなってはいるが、今回のICT導入による加算要件は、事務部門以外の介護の現場にICTが深く入ってくるということを示しているもので、これが介護の現場職員の省力化につながることを大いに期待したいものだ。

近い将来は、居宅介護支援事業にICT導入が薦められる期待もある。例えばサービス担当者会議についても、関係者が一堂に会することが原則ではなく、ICTを使った会議がスタンダードになれば、介護支援専門員の業務省力化につながるだろう。

また担当利用者が、一人暮らしで家庭内で家族からの虐待を受ける恐れがない場合で、かつ自らICTを利用できる人であるならば、毎月の家庭訪問は必要ではなく、ICTを通じた安否と希望確認で良いのではないだろうか。これが実現すれば、利用者宅を訪問する移動時間のロスがなくなり、居宅介護支援業務の大幅な省力化につながると考えるのである。

こういったことを6月8日(金)東京6月15日(金)大阪の両会場で行う「公共ICTフォーラム2018 」でお話しする予定だ。

さらにそこでは博多で在宅看取りに取り組む(株)ワーコンプロジェクトという会社の、ICTと見守りロボットを活用した活動も下記のように紹介する予定だ。
ワーコンプロジェクトの取り組み
東京・大阪、両会場とも無料で参加できるフォーラムなので、お近くの方は是非会場までお越しいただきたい。

ちなみに僕の登壇は、15:40〜17:20の予定となっている。テーマは、「地域共生社会の実現に向けた地域包括ケアシステムの方向性〜自治体・介護現場それぞれの視点から見たしくみづくり〜」としているので、ご期待いただきたい。

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