現在、機関誌・新聞・インターネット等に合計7本の連載を持っている。先週の木曜日と金曜日は、そのうち6本の今月の記事の〆切案内が届き、それに向けて執筆活動を行っているところだ。

それらの連載コーナーに何を書くかについては、編集者が指定する場合と、僕が勝手にテーマを選ぶことができる場合とに分かれている。

テーマ指定とされている連載については、その都度書いてほしい内容と共に、締め切り日が指定される場合と、半年や3月間など、ある一定期間を定めてテーマをあらかじめ複数指定される場合がある。

僕の連載を担当する冊子や新聞等の編集者は、僕の著作本やブログ記事を読んで、僕に連載依頼をしてくれている方なので、テーマの指定といっても、かねてから僕が主張している考えから遠く離れたテーマを指定してくることはない。例えば「介護サービスの割れ窓理論」を唱えている僕に対して、連載担当編集者が、「介護現場において利用者に対するため口での会話も、親しみにつながる場合は許される」などと言うテーマを依頼してくることはない。僕が主張していること、僕が書けるであろうことの中から、テーマを選んでくれる。

しかし年度が変わるときに、たまたま編集担当者が変わって、新担当者が僕の著書等を読んでいない人で、依頼すれば何でも書いてくれると勘違いしている場合は、そうではない場合がある。そんな時にぼくの考え方と違う指定テーマの依頼がされることがあるが、その場合は拒否することになる。その際には、勘違いしないようにはっきり書くことができない理由を告げることになる。

基本的に僕が書くことができるテーマは、僕が今まで実践現場でやってきたことだけであり、できもしないことを、さもできているように書くことはできないし、自分ができないことを誰かにやれともいえない。

今回も連載の一つで担当者が変わり、5月以降の半年分のテーマ依頼がされたケースがある。そのテーマのうち、いくつかは僕の主張と違うテーマであったり、僕が実践できないテーマであったので、お断りさせていただいた。

具体的に言うと、まず一つ目は「育たない職員がいた場合、リーダーはどのように対応すべきか」というテーマがあった。リーダーにどのような能力があったとしても、すべての職員が教育で育つということはない。中にはどう教育してもまったく芽が出ない人・介護人材として不向きな人はいるのだ。それをリーダーだからどうにかしろ的な論理で教育論を展開しても始まらない。きゅうりは茄子にならないのだから、育たない職員がいた場合、辞めてもらうだけの話だ。だからこのテーマで僕は執筆できない。

次に、「人が育つ褒め方、叱り方」というテーマがあった。世の中の教育本には、これと似たテーマで書かれているものがたくさんある。しかし人が育つ褒め方のエビデンスなど存在していないところを見れば、「人が育つ褒め方、叱り方」も存在していないというのが僕の考え方だ。そもそもそんな方法を僕は知らないから書けない。叱られたことを怒られたと勘違いする人は、叱る方の態度や言葉に関係なく、己の問題として勘違いする人の方が多いのだ。叱るほうに一定の法則を求めても、叱られる方の受け取り方は様々で、それは叱られる側の性格や環境に影響されるものであり、このテーマは成立しないというのが僕の考えだ。

もう一つ、「方針の変更など、大きな転換時に職員がついてきてもらうリーダーのあり方とは」というテーマがあった。これもリーダーの能力に頼りすぎたテーマだ。こんなリーダーに職員はついていくということを書いても、それは幻想だ。素晴らしい資質のリーダーも、すべての職員がそれを肯定するなんてことはなく、反対分子は常に存在するものだ。それをどうまとめていくかは、一人のリーダー論として語るのではなく、組織運営の在り方として語らねばならない。政権政党だって、すべての党員が同じ考え方ではなく、主流・反主流が反目しあいながら、ある一点でまとまるというものだ。大きな転換時に皆が同じ方向を向くのはリーダーの力ではなく、組織の力なのだ。

ということでこれらのテーマは書けないとお断りした。その際には今後のお付き合いをしていくうえで勘違いされても困るので、奥歯にものが挟まったような言い方をしたくないので次の通り書いて送った。

余りに幻想的、理想論に満ちたテーマ設定と思います。そのテーマで書ける人もごまんといますよ。でもそれすべて嘘八百。」

これで嫌われて連載が中止になっても仕方がない。自分ができもしないフィクションを書く作家ではないのである。

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