僕は1999年の秋に行われた、第1回の介護支援専門員実務研修受講試験に合格している。いわばケアマネ1期生というわけである。
しかしその時、介護支援専門員とは何をする人なのかということは明確には示されていなかった。
介護施設の介護支援専門員については、施設のケアプランをつくる義務を担う人で、それまでの相談員業務とさして変わらないというイメージは持っていたが、居宅サービスを担当する介護支援専門員については、漠然と居宅サービスの計画をつくる人というイメージしかなかった。
その後、居宅介護支援事業所の業務内容が具体的に示されたのは、その冬のことであった。確か年末に近い時期であったと記憶しているが、気温がかなり下がったある日、凍えるような寒さの中を、札幌の厚生年金会館(当時)まで出向き、そこで道の説明を受けた記憶がある。(※時期の記憶はあいまいで、もしかしたら年明けだったかもしれない。いずれにしても尋常ではない寒さの日であったことは間違いない。)
その会場で、第1分冊と第2分冊という分厚い説明資料を初めて受け取って、居宅介護支援業務について説明を受けたわけである。
その時初めて、居宅介護支援事業所とは何かということを知り、その中で介護支援専門員とは、居宅サービス計画を作成するだけではなく、給付管理業務という「お金の計算と請求業務」を行うことを知った。
介護支援専門員は文系出身の人が多いだろうし、事務員は実務経験にはならないために、利用料の計算や請求業務に携わった経験のある人は少なかっただろうから、これには驚いた人が多いだろう。しかも後に、居宅介護支援事業所においては、居宅サービス計画を作成するだけでは報酬が発生せず、給付管理を行って初めて収入を得られることを知り、二重の驚きとともに、そうした業務に自分が携わることができるだろうかと不安を持った人も多かったのではないだろうか。
ただ実際に、その業務に就いてみると、給付管理業務は簡単な算数ができればこなせる程度の業務で、なおかつ大部分は、コンピューターソフトが自動計算してくれることになり、その業務に対する不安や負担感は解消されたように思う。
しかも給付管理業務は、介護支援専門員にとって、決して付帯業務ではなく、主業務として大切であることが分かってきた。それは利用者の懐具合を知り、それに見合ったサービスを考えるうえで、必要不可欠な業務であるという理解を促すものだったのである。
居宅サービスを利用する人の経済事情は様々で、負担能力に関係なく応益負担となった介護保険サービスにおける1割負担が、まったく問題とならない人もいれば、自己負担が生活費に影響する人もいて、居宅サービス計画とは、心身ニーズだけを考えれておればよいわけではないことを知った介護支援専門員も多いだろう。
その時に僕が考えたことは、1割負担でさえも暮らしに影響を与える状況を考えると、未来永劫この負担率が続くわけでもないだろうから、利用自己負担割合が増えたときに、サービスを抑制して必要な支援が受けられない人が出てくるのではないかということである。
しかし介護保険制度は、その持続可能性を担保するとして、走りながら改革が行われており、その結果、一定以上の所得者については既に2割負担となり、今年10月以上は、さらなる高所得者の3割負担も導入される。
しかし4月25日に行われた財政制度等審議会で財務省は、介護保険利用者負担割合の一律2割負担を提案している。
さらにこのことについては経団連が、軽度者の負担割合の引き上げを求めており、次期報酬改定に向けて利用者負担割合の見直し論議が避けられないところとなっている。
我が国では、2025年まで75歳以上の人口が急速に伸びていく。それ以降は、75歳以上の人口増は落ち着くが、85歳以上の人口が伸びていく中で、40歳〜64歳の第2号被保険者も減少し、現役世代が減少していくという情勢変化が確実となっている。そのため高齢者の「支え手」が財政・サービス両面で急速に縮小していくのも確実だ。そんな中で、利用者負担率の増加をはじめとした、国民の痛みを求める傾向がより強くなることも必然の状況ではある。
しかし団塊の世代より年金収入が減る世代が高齢期を迎えるという視点が一方で必要となり。社会保障費は、社会のセーフティネットであるという視点も忘れてはならない。
それは我が国の経済をも支える基盤でもあるのだから、応益負担だけではなく、応能負担の考え方も取り入れて、暮らしに困窮しない減免制度の導入が、一律の負担増の条件として求められることを指摘しておきたい。
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感動の完結編。
