爆弾低気圧を避けて、1日早く鹿児島入りしたが、その後の北海道はすごいことになっていた。自宅からも連絡が来て、暴風雪警報が出されて、すごい荒れようで怖いくらいだという。早めの移動は正しい判断だったようである。

そんな風に1日早く鹿児島に来たので、夜は「かごっま屋台村」というところで、「大隅料理」を肴に、しこたま焼酎のお湯割りをいただいた。楽しく酔うことができた夜だった。もう一つのブログ記事も是非参照していただきたい。(参照:masaの血と骨と肉・ダチョウはともだちよー

しかし今朝は二日酔いもなく、すっきり起きた。今日の講演は18:00〜20:00の予定で、その後21:00まで名刺交換会兼プチ立食パーティーがあるが、それまでの時間はフリータイムだ。しかし何度も来ている鹿児島で、ことさら観光という気分にはならない。行く場所を探して、移動の足を考えるのは億劫だ。今回は駅前のホテルに滞在しているので、駅周辺をぶらぶらしながら、鹿児島に来た時一度は食べてみたいと思いつつ、いつも何らかの事情で空振りが続いている「こむらさき」の鹿児島ラーメンを食べてこようかと思っている。

ところで今回の旅は、株式会社グローライフさんが主催する「介護支援専門員及通所介護事業者向けセミナー」がメインである。地域の関係者にもオープンの講演会で、すでに当初予定を大きく超えるたくさんの受講申し込みがある。会場で懐かしい方、フェイスブックでの交流のしかない初めて会う方など、様々な方にお会いできるのが今から楽しみである。鹿児島及びそのお近くの皆さん、よろしくお願いします。

さて、それを終えた翌日は、北海道にすぐに帰るのではなく、福岡〜唐津の旅を続ける。一人旅ではなく、福岡のお仲間との旅である。

博多で、弁護士法人翼・篠木法律事務所を主宰する篠木潔弁護士が中心となって活動している、「ケアマネゼミ・チーム篠木」の皆さんと合流し、大人の修学旅行に参加する予定になっている。その中でも120分の講演を行うことになっているが、それはおまけであり、皆さんと一緒に旅を楽しむのが一番の目的である。その様子は、月曜日のブログ記事で紹介できると思う。

そんな風に、今回の九州はケアマネ向けの2講演を行うことになっているが、テーマは両者とも「介護報酬改定大解剖」としている。鹿児島と唐津では内容は少し変えてはいるが、両方とも居宅介護支援費の改定内容を解説しながら、その中に隠されている意図・次の改定につながる布石・制度改正の橋頭保について僕なりの見解を示すことになる。同時にここでは、認知症高齢ドライバーの事故を防ぐために、関係者として何をすべきかをお話ししようと思う。

今年1月、前橋市北代田町の県道で、自転車で登校中の女子高生2人が乗用車にはねられ重体となった。群馬県警によると、運転していた容疑者は中央線をはみ出し、右折待ちしていた車のサイドミラーに衝突、逆走する形で市立前橋高校1年生(16)と3年生(18)の女生徒を相次いではねた。このうち16歳の女性は事故後お亡くなりになった。(18歳の女性とは意識が回復したとの報道あり。)

乗用車を運転し自動車運転処罰法違反(過失致傷)の疑いで逮捕されたのは85歳の男性ドライバーであったが、容疑者は事故直後に「気がついたら事故を起こしていた」と供述している。そして事故当時のことは覚えていないとの趣旨の供述を続けた。

容疑者は昨秋、運転免許の更新時に改正道交法に基づく認知機能検査を受け、認知症ではないとの結果が出ていた。しかし、事故を起こすまでの間に認知機能が低下した可能性が高い。家族によると、容疑者は目立った持病などはなかったが、たびたび物損事故を起こしていたという。そのため家族から運転しないよう再三説得されていたという事実がある。

その説得に容疑者が応じることはなかった。

そして事故当日は、運転に反対する家族の目を盗んで出かけ、若い命を無残に奪う結果を引き起こした。後悔してどうにかなる問題ではない。

容疑者が物忘れをしたり、車をぶつけて帰ることが多くなったため、家族は運転を止めてくれと言っていたが、同時に家族は、車を取り上げることは「おじいちゃんを家に閉じ込めることになる」と迷いがあったという。さらに「認知症がそこまで進行しているとは思わなかった。」とも言っている。

運転するなという声に容疑者が応じなかった理由の一つは、運転してはいけないという家族の言葉に、本来持つべきだった危機感が欠けていたからではないか。そしてそのような薄弱な問題意識は、世間一般にも見られる傾向で、その結果が尊い人命を奪ことに結びついているということを重大な事実として認識してほしい。

認知症専門医の中にも、「認知症だからといって運転ができないわけではないから、認知症という診断だけで免許を取り上げるのは問題だ」とバカげたことを言っている輩もいるが、そんな悠長なことを言っている暇がない。そもそも本ケースの状況を見てわかることは、免許更新時の検査や、認知症という診断を受けた後の後追い対応でも、問題は何も解決しないということだ。

幼児や子供たち、将来ある若者たちが、認知症度ラドライバーの運転事故により、毎年たくさんの命が奪われていることを考えると、認知症になったから運転しないのではなく、認知症になったら、正常に運転できるかできないかの判断能力に欠けるという意識をもって、その段階では運転する・しないの正しい判断はできなくなることを前提にして、ある年齢に達したら運転から勇退するという国民意識を育てることが重要である。

そのためには、高齢期の生活手段となる移動手段については、個人の責任でどうにかするのではなく、各自治体の責任で整備する必要がある。そのためにはコミュニティバスを走らせたり、「介護予防・日常生活支援総合事業」の中で、送迎サービスを行うなど、いくらでも方法は考えられる。

地域包括ケアシステムとは、そうした仕組みを作ることであるし、この部分に予算をつけることを意味するものだ。早急なる整備を望みたい。


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