明日、15:00〜行われる第157回社会保障審議会介護給付費分科会(参照:開催案内)において、介護報酬改定に向けた諮問・答申が行われる予定であるが、報酬単価が示されるのは、さらに1週間後の26日にずれ込むそうである。

どちらにしても明日以降、12月に示された平成30年度介護報酬改定に関する審議報告の変更点などがないかどうか、確認作業が続くので、その前の今日までに、現在抱えている連載原稿を仕上げておこうと、昨日からずっとデスクにかじりついて執筆作業を続けているところだ。

幸い今月中に書き上げてしまわねばならない原稿は、ほぼ書き終えて、あとはじっくり推敲するだけである。すべて〆切に間に合いそうである。

そんなふうに現在僕は、業界紙やインターネットで連載を7本抱えているが、その中でも一番長く連載を続けているのは、僕の執筆本人を語らずして介護を語るな」シリーズや、介護の詩〜明日につなぐ言葉の出版元であるヒューマン・ケア・システム社の季刊誌「シニア コミュニティ」である。

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連載がいつ始まったのか記憶にないほど前から執筆を続けている。その年月はゆうに10年を超えているだろう。

執筆陣のなかには、日ごろからお世話になっている、「介護・福祉系法律事務所 おかげさま」の外岡 潤弁護士もおられて、「弁護士直伝!介護トラブル解決塾」を毎回愛読しているところだが、もう一人、毎回そのコラムを楽しみにしている人がおられる。

それはジャーナリストの藤ケ谷 明子氏である。彼女のコラムについては5年前に「藤ケ谷明子さんの切れ味」という記事を書いて、このブログでも紹介させていただいたが、5年経ってもその切れ味が鈍ることなく、毎回鋭い指摘で勉強させられているところだ。

シニア・コミュニテイ1・2月号(最新号)で、藤ケ谷氏は『自立支援を妨げる「はじめの一歩」の踏み違え』というコラムを書かれているが、これがまた鋭くて、読みごたえがある。

氏はこの中で、「自立支援とはそれほど難しいことなのだろうか」と問いながら、利用者に対して、いわゆるタメ口で話す施設職員やヘルパーがいると指摘したうえで、そのタメ口の具体例を示している。そして高齢者に幼児向けの言葉で話す輩がいることは、世間ではありえないと指摘したうえで、返す刀で『粗雑に扱われた言葉が飛び交う中で「自立」に向かうことができるのだろうか』と問題提起している。

さらに、「言葉を使えない者に引退勧告を」として、「凶器」と呼ばれる「言葉」を軽視する現場に人を支える資格はないとし、ぶった斬っている。

強い言葉が随所に使われているが、氏の育ちの良さがわかる上品な批判文となっており、僕のように乱暴・下品一辺倒ではないため、決して気分が悪くなる内容でもなく、何とも気持ちの良い文章である。

詳しくはシニアコミュニティ1.2月号から、同氏の連載コラムを読んでいただきたい。

多くの読者の方が気づいたであろうが、その内容は僕が日ごろ提唱している、「介護サービスの割れ窓理論」と共通するものではないかと考える。

利用者の暮らしと尊厳を護るというなら、粗雑な言葉や幼児言葉がそれを阻害することに気が付かねばばらないし、自立支援を建前ではなく本年の介護実践とするためには、高齢者の自立を支える丁寧な言葉が必要であることを、あらためて意識するきっかけになるだろう。

それができない人は、今後も藤ケ谷さんの切れ味鋭い文章で、どんどんぶった斬られてほしいものである。
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