先週財政審議会が建議を麻生副総理に提出し、介護報酬のマイナス改定を求めたが、どうやら来年4月からの介護報酬は、小幅のプラス改定に落ち着く方向である。

しかしそれは処遇改善加算のアップ分を含んだ改定率であり、さらに次期報酬から取り入れられる自立支援介護という概念により、いくつかの成果報酬が新設され、従前の加算についても、成果により結びつくものが高く評価されることになる。

このようなアウトカム評価に重点的に報酬が配分されるのだから、多くのサービス種別において基本サービス費は下がることになる。それゆえ今後の介護事業経営を鑑みると、細かく加算を拾って、減算対象とならないようにルールを読み込むことが求められる。

さて加算費用が新設され、それを算定しないと苦しい経営を迫られることのもう一つの意味は、その結果、必然的に記録書類は増えることになり、次期介護報酬改定以降、収益を確保するためには、現場職員の記録という間接業務負担の増加が強いられるということだ。これは本来、国も介護サービス現場も目指している方向性とは真逆なものであるが、アウトカムを評価しようとすればするほど、その結果の記録だけではなく、定められたルールや手順に基づいているのかという確認書式が必要になる。困ったものであるが、その覚悟は、いまから現場の職員に促しておいたほうが良い。

さて自立支援介護について、施設サービスを例に取り上げると、昨日の記事で指摘した通り、排せつの機能向上(介護支援の手間の軽度化)については、必ず算定しなければならない加算である。その具体策は昨日の記事で示しているが、今後報酬告示や解釈通知で具体的な手順が示された後、それを実務に応用する方法について、講演などで明らかにしていく予定である。すでにこのことは大阪市老連研修として具体化している。そのほか全国の介護施設関連の研修でも、新しい加算の算定に関わる講演が可能なので、是非お声かけいただきたい。

おっと本題からそれた。施設サービスにおける、もう一つの自立支援介護・アウトカム評価加算としては、褥瘡管理についての加算が新設される予定である。

介護老人福祉施設、介護老人保健施設において、以下の要件を満たす場合、加算算定が可能になる。なお介護療養型医療施設および新設の介護医療院については、褥瘡対策のための診療計画に基づく取組みが、褥瘡対策指導管理として評価されているため、この加算は新設されない。

褥瘡管理についての加算算定要件は以下のとおりである。
入所者全員に対する要件 入所者ごとの褥瘡の発生に係るリスクについて、「介護保険制度におけるサービスの質の評価に 関する調査研究事業」において明らかになったモニタリング指標を用いて、施設入所時に評価する とともに、少なくとも3月に1回、評価を行い、その評価結果を提出すること
,良床舛侶覯漫∬黶譴糧生に係るリスクがあるとされた入所者に対する要件 ・関連職種の者が共同して、入所者ごとに褥瘡管理に関する褥瘡ケア計画を作成すること。 ・褥瘡ケア計画に基づき、入所者ごとに褥瘡管理を実施すること。 ・,良床舛亡陲鼎、少なくとも3月に1回、褥瘡ケア計画を見直すこと

モニタリング指標の例としては、「寝返りを自ら行っているか」・「座位を保持できるか」・「既往歴があるか」などが提示されており、リスクが認められた場合には、関連職種が共同して、褥瘡予防の計画を個別に策定し、それに基いてケアを実践することが求められている。

このように加算算定には、「褥瘡ケア計画」が必要になるが、おそらくこれは施設サービス計画の中に落とし込んでおけば、別途作成する必要はないとされるだろう。褥瘡の管理は、褥瘡の有無にかかわらず、そのリスクのある人は施設サービス計画で、すでに対策が計画されているはずなので、従前よりこのことで手間や仕事が増えるわけではないと考える。

また運営基準上、褥瘡対策委員会の設置が義務付けられ定期開催(毎月)されている施設がほとんどだろうから、計画作成や評価の協働作業は、この場で行えばよいだけである。

問題はモニタリング指標という指定書式で評価を定期的に行わねばならない点で、ここの作業負担は増えることになる。しかし物事をポジティブに考えるとしたら、書式や指標をどうするか考える必要がなく、指定のものを活用して、その内容を埋めるだけだから、作業的には難しいことではない。担当者は、その業務をルーティン化するように努めることが求められる。

また褥瘡ケア計画は、3月に一度モニタリングを行い、その計画を見直さねばならず、施設サービス計画の短期目標を半年に設定し、その頻度で定時見直しを行っていた施設は、3月ごとの定期ケアカンファレンスと計画見直しが求められるのだから、ここは大きな業務負担になる。

老健の場合は、3月ごとの入所判定継続会議と、施設サービス計画の見直しを連動させている施設が多いため、この頻度は負担増にならないものと思える。

どちらにしてもこの加算は、褥瘡の有無に関係なく、褥瘡予防の管理を定期的に行っていることに対する評価なのだから、皮膚保清援助など、広くその管理は考えられるので、特養ならばほぼ全員に算定できる加算と考えて、算定ができないという状態にならないように、今から準備を進めるべきである。

その一方で、減算要件が厳しくなっているものがあるので、体制整備が遅れて減算になってしまわないような対策も必要である。そのことは明日のブログ記事で論じようと思う。
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