先週土曜日の朝自宅を経って根室と北見で講演を行った。2会場とも介護の品質向上のための具体策として、根拠に基づいた正しい介護方法をベースにして、介護サービス利用者個人個人の暮らしをしっかり護るための実務論をお話ししてきた。
受講者の中には、僕のことを知らない人もいて、最初はどこの馬の骨ともわからない人間が、いったい何を話すのだろうと、胡散臭く思いながら受講された方もいたのではないだろうか。土曜日と日曜日の貴重なプライベート時間を削って受講しなければならない研修講義を、半ば職場の義務として仕方なく受講されていた方もいるように見受けられた。
しかしそういう方々も、講義が始まり数分経つと、興味深そうに耳を傾けてくれて、120分という講義時間を通じて熱心に話を聴いてくれるようになった。少なくとも根室と北見の両会場で、居眠りをするような人は一人もいなかった。両会場でたくさんの方から、講演後に感謝の言葉もいただきありがたかった。是非当日話した内容を、今日からの仕事に生かしていただきたい。
昨日北見講演を終えた後、僕は研修後の懇親会にも参加せず、女満別空港から新千歳空港に戻った。今日午前の便で長崎に移動しなければならないため、北見に後泊することはできなかったのである。
夜8:30女満別空港発の便に乗って、新千歳空港には21:20に降り立った。そのまま空港内のホテルに泊まり、今朝を迎えた。
今、羽田空港で長崎行きの便に乗り継ぐ時間を利用してこの記事を更新している。長崎講演は明日からの予定となっており、今日は移動日だ。しかし今日の夜は、明日の講演の打ち合わせを兼ねて、長崎市介護支援専門員連絡協議会の皆さんとオフ会を行う予定になっている。
明日から長崎市〜新五島町〜時津町〜長崎市と4日間で5会場をまわり、5講演を行う。(参照:masaの講演予定)張り付いたリック先を参照になればわかるが、その5講演はすべて異なるテーマで、すべての会場の講演を受講しても内容が被らないというものである。長崎の皆さん、ぜひどこかの会場でお会いしましょう。
ところで長崎講演の最中、29日(水)、介護給付費分科会が行われる予定だ。その時間僕は、長崎港から新五島町に向けた船の上で、審議内容を確認していることだろう。
今回は30年度の報酬改定に向けて、「口腔・栄養関係、介護サービスの質の評価、共生型サービス、介護人材関係、その他の事項」がテーマになっている。
先行報道によれば、この中で「介護サービスの質の評価」というものが含まれており、その中で次のような内容が国から提案される予定となっている。
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特別養護老人ホームや介護老人保健施設などでおむつをしている入居者がおむつなしで暮らせるように支援する施設事業者に対し、介護報酬を手厚くする方針。来年度の報酬改定で導入する高齢者の「自立支援」を促す仕組みの具体策だ。
まず、おむつを使う入居者に「ポータブルトイレをベッド脇に置けば自分でできる」などの目標を立てる。そして、実現に向けての支援計画を作り、計画を実施した場合に報酬を加算する方針だ。事業者が加算を得るために入居者に強要することを防ぐため、医者がおむつを外せると判断し、本人が望む場合に加算対象を限定する。
また、デイサービスの自立支援の具体策では、利用者の身体機能が改善して45メートル以上歩けるようになると15点、車椅子で45メートル以上動けるようになると5点など10の機能が一定期間でどれだけ改善したか100点満点で評価する。そして、全施設利用者のうち、機能が改善したか維持された人の割合が一定以上あった場合に報酬を手厚くする。
事業者が改善が見込めないと判断した人の利用を断るのではとの懸念があるため、介護の必要性が高い要介護3以上の人の利用割合を一定以上とする方針。
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排泄の自立は良いが、特養で暮らす重介護者に取って、オムツは決して必要悪ではなく、暮らしを営むために必要不可欠な介護用品であることを忘れてはならない。オムツを外すことだけを目的化してしまうことで、利用者の暮らしの質が低下してしまうことがあり、同時に職員の負担増加となり、介護サービスの場がますます疲弊してしまう状況も懸念される。
しかしながら今回の新加算案は、オムツを徹底的に否定して、それを無くさなければならないものとして、介護関係者のみならず、国民全体を洗脳しようという意図が隠されている。その目的は、33年度に控えている次の次の介護報酬改定時に、介護報酬から、『オムツ代』を外出しにして給付費を下げるというものだ。
オムツは本来の介護には必要ないものだから、給付せず、自己負担もしくは事業者の持ち出しとさせるために考えられている加算なのだ。その意図に気づいている関係者は、既に反対の活動を開始しているという話も聞くが、いかんせん多くの関係者がこのことに気がついていない。
介護サービス事業関係者は、是非このような陰謀が報酬改定を利用して行われつつあることを知り、それぞれのステージで反対の声を挙げていただきたい。オムツ代金は決して給付費から除外して良い費用ではないのである。しかしこの加算案が、なんの抵抗もなく、オムツはダメだという烙印の元に認められてしまえば、次の次の報酬改定は、大幅なマイナス改定となってしまうのだ!それは何としても阻止しなければならないのではないだろうか。
そういう意味で、このことを多くの関係者に知ってほしい、この記事も是非シェアして、多くの関係者の伝えていただきたい。
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一晩に何度も全更衣&リネン交換する利用者が何人もいると…
対策はしてもいたちごっこで。