全国7ケ所の会場で行ってきた日総研出版社主催の、「看取り介護セミナー」は、8/6の岡山セミナーが今年度の最終回となった。

このセミナーは、昨年度から行っているので、これで二回り目(全14回)を終了したことになるが、すべての会場に、毎回50人前後の受講者が集まってくれており、盛況のうちに終えることができた。

勿論、人がたくさん集まるセミナーはたくさんあって、50人という数は決して多くはないだろう。しかしこのセミナーは、1回5時間の座学のみのセミナーで、参加料も一人18.000円(日総研の会員は15.500円)ということを考えると、毎回50人近く、会場によっては100人を超える受講者が集まってくるることは、介護のセミナーとしては異例のことだと評価していただいている。

セミナー受講者の方には、アンケ―トに答えていただいているが、参加動機は様々で、自ら望んで参加した方もいるし、職場の業務として参加している方もおられる。僕の別の講演を聴いて、このセミナーにも参加を希望したという人もいるし、中には、「所長から講師の先生がよいから行ってきなさいと研修費用を出して行かせて下さった。」といううれしいことを書いてくれている人もいた。

参加職種も様々で、特養や老健の施設長、看護師、介護職員、相談員、介護支援専門員のほか、医療機関の看護師さんも多数参加してくれた。グループホームや特定施設の職員さんや、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の方も多かった。その中では、「当法人の特養の全職種が参加させていただきました。多職種が看取りに対して同じ認識を持ち、同じベクトルの方向で入居者様のケアが出来るようにしたいと思い参加しました。うちの特養がまずとり取り組まなくてはならない課題が明確になりました。」というありがたい言葉もいただいている。

どちらにしても受講後の満足度で、不満と回答した方はいなかったのが幸いである。受講料が無駄になったと感じる人もおらず、ホッとしているところである。

このセミナーは「看取り介護セミナー」と銘打っているが、ここでは看取り介護の方法論を学ぶだけでは終わっていないはずだ。看取り介護は、その対象者の命の期限がある程度予測されているという特徴はあるが、そこで行うことは日常の介護と変わりないものである。

僕達が介護サービスの場で、利用者の死に相対する場面は多々あるが、それが予測できない突然の死であったとしても、ある程度予測された看取り介護の最中の死であったとしても、そこで僕たちが利用者と相対するときに、僕たちに求められる使命や方法論に違いがあるというのだろうか?看取り介護だからといって特別なケアが必要になるだろうか?そうではなく、日常介護の延長線上に看取り介護が位置し、そのつながりにおいて、看取り介護も日常ケアであるというのが僕の考え方である。

その中で、ある程度命の期限が明らかな人に対し、その不安や不安定な身体状況に対して、どのように配慮しながら関わるかということを通じて、人の尊厳を護り、最期の瞬間まで安心と安楽のケアとは何かを具体化することによって、介護の品質向上につなげるのが看取り介護セミナーの真の目的である。

限りある命にも深く関る介護の使命から、人の存在とは何かを考えるのがこのセミナーの目的である。その結果、適切な看取り介護を行おうとすれば、それ以前に日常のケアの品質向上が必要となることに気づき、そのために何をすべきかを明らかにするのが本セミナーの真の目的である。

そのことは受講者の皆様にきっと伝わっていることと思う。そして受講された方々は、新たなステージで新たな取り組みをされていることと思う。

前述したように、このセミナーはひとまず終了したが、日総研セミナーとしては、『介護の誇り出版記念セミナー・感覚麻痺・不適切ケアの芽を摘む!〜介護保険施設・事業所で虐待を発生させない〜介護サービス質向上の具体策』が、10/22(日)の大阪会場を皮切りに、全国7ケ所(大阪・東京・名古屋・札幌・仙台・福岡・岡山)で行われる。このセミナーも、看取り介護セミナーとは異なった角度から、介護の品質向上につながる具体策を示す実践論を目指し、現在講演内容を構成中である。こちらにも是非参加していただきたい。

来年度以降、看取り介護セミナーを続けるかどうかは未定であるが、これだけ多くの方が会場に足を運んでくださっている現状を考えると、このセミナーを続ける意味もあるように思え、来年度以降の継続に努めたいと思う。日総研出版社からは、看取り介護に焦点を当てた本の出版の企画も出されるかもしれない。

また看取り介護に関する講演は、今後もたくさん予定があり、例えば10/14(土)電気ビル共創館(福岡県福岡市)で行われる、WCP(ワーコンプロジェクト)主催 セミナーでも、『生きるを支える看取り介護』というテーマで、120分講演を行う予定なので、福岡の方はそちらにもお越しいただければと思う。

僕の講演予定は、随時更新しているので、こちらで確認して、機会とご縁のある場所で皆様とつながっていきたいと思う。

それでは今後ともよろしくお願いします。


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