メンタルヘルス不調の原因として、様々なストレスが考えられる。

ただしストレスは、すべて否定されるわけではなく、ストレスが適度にある時に、仕事のパフォーマンスは最も高くなる。例えば売り上げ目標などが仕事のパフォーマンスを高める場合があるが、これも目標を達成せねばならないという適度のストレスが存在する結果であると言えるわけである。

学生時代を振り返って、試験日が近づかないと勉強しないというのも、別な角度から考えると、試験日が近づいてくるというストレスによって、勉強するというパフォーマンスにつながるのだと言えるのかもしれない。

僕は今、専門誌などに6本の連載を抱えているが、締め切り日が迫るというストレスによって、筆が進むという効果も感じながら執筆作業を続けている。

しかし適度なストレスを過ぎて、過剰なストレス状態では、パフォーマンスの低下であったり、イライラなどの精神不安、体調不良などを引き起こすのである。達成不可能な売り上げ目標に毎日苦しめられるような状態がこれにあたるだろう。

このように罰やストレスなどの不快なものが一定量あったほうが、効率が上昇するが、しかし罰やストレスなどの不快なものが最適なレベルを越えて、強い情動が喚起されるような状態になると、パフォーマンスは逆に低下する。すなわち、ストレスとパフォーマンスには逆U字型の関数関係が成立することを『ヤーキース・ドットソンの法則』と呼ぶ。

僕は学生時代軟式庭球部に所属していたので、軟式のテニスボールに例えて、この状態を説明してみる。

軟式テニスボールに人差し指を当てて押し付けるとする。この時にテニスボールは外からかけられた指の圧力によって内側にへこむことになる。

この時の人差し指で押し付けられている状態が『ストレス要因(ストレッサー)』と呼ばれ、ボールが内側にへこんだ状態が、『ストレス反応』である。

このとき、指で押される力がさほど強くない場合、ボールはへこんだ状態であっても、元に戻ろうとして内圧が高くなる。この状態は元のボールの形に戻ろうとするパフォーマンスが高まっているという意味で、良いストレス(ユーストレス)といってよいだろう。

しかしこの圧力が過度にかかるとボールそのものが破裂してしまう。それは良くないストレス(ディストレス)であり、人にこの状態が続けば、深刻な健康被害が生ずる危険性が高まる。

もっと具体的に言えば、人に対して職場などでディストレスがかけられると、生体反応としては、自律神経やホルモンバランスが乱れ、免疫の働きが落ちて、肉体的にも元気がなくなる状態に陥る。場合によってそれは、うつ状態や、不安といった精神症状などを引き起こすことが知られている。

メンタルヘルスケアは、これに対応する対策を総じて指すものである。

ところでわが国では、年間ベースでみると、精神的不調で休職することによる損失が約460億円あり、自ら命を落とすことによる損失も7.000億円、出社していても精神的不調により苦しんでいる損失に至っては4兆円以上といわれている。

この状況を鑑みると、企業によるストレス対策は、コストではなく投資であると言える。そのために2014年6月に労働安全衛生法が改正され、2015年12月〜従業員が50名を超える企業には、1年に1回ストレスチェックを行うことが義務化されたわけである。

そのことについて書くつもりだったが、今日はもう時間がない。

実は今日から、室蘭市の介護福祉士養成校の集中講義に入っている。本来それは10月以降の予定授業であったが、前の職場を退職して次の仕事に備えている僕は、その時期に北海道にはいない可能性があるため、講義を6月と7月に前倒ししてもらったのである。

このため今日も午前9時10分から、午後4時20分まで、1コマ90分の授業を4コマ担当しているのである。

昼休みも45分しかなく、これから昼ご飯を食べてすぐに午後からの講義の準備をしなければならない。そのため記事更新もこの時間までが限界である。この続きは明日の昼休みの書くこととしたい。(明日に続く)
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