4月14日の衆議院・厚生労働委員会で、野党・民進党の初鹿明博議員から、介護サービス事業に関連して、「事務の量が非常に多く、本来のサービス以外のところに手間がかかっている。残しておかなければいけない書類も多すぎる」と指摘があった。

これに対し塩崎厚労相も「全く賛成」と答弁し、「働いている人たちの過剰な負担をできる限り減らすということが、介護の仕事の魅力を高める大きなファクターだと思う。しっかりやっていきたい」と語った。

具体的な方策としては紙から電子データへの置き換えを進めたり、報告事項の無駄や重複を排除したりすることによって、「文書量を全体として半分にする」としている。そのため「今度の改定でどのような負担軽減を図れるのか検討を深めていきたい」と説明した。

記録の簡素化はかねてよりの課題だ。この量の削減に、国が本腰を挙げてくれるとしたらそれに越したことはない。大賛成である。

今までは書類の増えるルール変更ばかり行われてきた。

例えば平成27年度の介護報酬改定では、特養の看取り介護加算の報酬はアップされたものの、算定要件にPDCAサイクルの構築が求められ、看取り介護対象者の状態を家族に随時説明する際に、口頭だけではだめということになり、文書による説明が求められた。ということはそのことを証明する記録も必要になるということになり、一つの算定要件を達成し、さらにそのことを実地指導などで証明するために、必要な記録が倍倍ゲームのように増え続けているのが実状だ。

しかもこれだけ記録類が多いということは、膨大な量の記録を書いてはいるが、それを読む時間はあるのかという疑問につながる。読んでいないということは、業務に生かされていないという意味にもなる。そうであれば本当に無駄なことだ。

そんなわけで今後の業務負担軽減の観点からは、必要のない記録はなくしていかないと、業務が回らないのも事実だ。しかしそのことは簡単ではない。

PCソフトが普通に使われるようになった今日でも、手書きのほうが手っ取り早いと考えている職員は多く、なかなか記録の電子化がすすんでいないのが現状だ。電子データへの置き換えが必要だというが、そもそも介護記録は、利用者の表情とか発言が重要な要素とされ、データに置き換えができない様々な状態を記録しておかないと、後々考察と検証が出来ない場合が多い。どの部分を電子データに置き変えることが可能となるだろう。このあたりはまかり間違えば、今の仕事に上乗せしたデータ管理が必要になるという本末転倒な状況を生みかねない。」

看護と介護の記録が一本化できない理由も現場により様々であり、本当の理由は明確ではなく、その部分からのアプローチも必要となろう。

実地指導の際に、ルールに沿った費用算定や介護の実態を、記録で確認することは必要で、介護サービスの場で職員が必要としない記録を、算定要件に合致するかを確認するためだけの記録を、行政機関から求められる場合もある。そのことは解決可能な問題なのだろうか。

そう考えると、文書量の半減に向けた課題は山積みである。果たして厚労相の言うような文書量の半減が実現するのだろうか・・・。

この問題が取り上げられた衆議院・厚生労働委員会では、野党の議員から、「介護職員処遇改善加算」の取得に必要な書類を減らすよう求める声があがった。

しかしこれは的外れの指摘だ。

確かに介護職員処遇改善加算の種類は量も多く、記載内容も複雑で「面倒くさい」書類ではあるが、これは事務専門職が対応したり、場合によって法人全体の書類を、法人担当専任職員が作成し、しかも計画書と報告書をきめられた時期までに提出するだけのことだから、いくら量が多くて内容が複雑でも、介護サービスの現場を疲弊させるようなものではない。

本当に介護サービスに従事する職員が望んでいるのは、日々の業務記録に関する書類である。ぜひその実現に向けた流れを作ってほしい。

例えば27年3月に出された、「通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」を見てもわかるように、こういう発出文書が出されるたびに、膨大な量の様式が示され、それが単に参考ではなく、義務化されていくというのが現在の流れである。

こうした洋式も簡素化するなり整理するなりしないと、現場の負担軽減にはつながらない。

日総研看取り介護セミナー
日総研出版社主催・看取り介護セミナーのお申込みは、こちらからダウンロードしてください
※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

介護の詩・明日へつなぐ言葉」送料無料のインターネットでのお申し込みはこちらからお願いします。
人を語らずして介護を語るな 全3シリーズ」の楽天ブックスからの購入はこちらから。(送料無料です。