弁護士法人 翼・篠木法律事務所(福岡県)の代表・篠木 潔氏は、本業である弁護士活動の傍ら、介護支援専門員と弁護士との連携のモデルを構築して地域に貢献するために、「ケアマネゼミ・チーム篠木」を立ち上げて、定期的に勉強会を行いながら、セミナーなどを開催している。

僕と篠木弁護士との出会いは、「介護と法律の専門家がタッグを組んで考える地域包括ケアシステム」で紹介しているが、その後も様々な形で繋がりを持ち続けており、リーガルソーシャルワークの一端を学ばせていただいている。

そんな篠木弁護士は、弁護士でありながら法律家の枠を超えて大きく地域に貢献する「コミュニティロイヤー」として、「地域ファシリテーター」を育成し、高い精度で地域の課題を解決し地域づくりもできることを目指し、福岡市南区で地域貢献のあり方を学ぶ「南区・篠木コミュニティゼミ」も主宰している。

そこでは月1回約40名のメンバー(医療福祉専門職、弁護士、行政・包括職員、社協職員、企業関係者、新聞記者等)が、「地域の課題にいかに取り組み、いかに解決していくべきか」(コミュニティデザイン)について学んでいるそうである。

こうした活動に篠木弁護士が取り組む動機は、僕が語るより篠木弁護士自身の熱い思いが込められた文章を紹介したほうが良いだろう。
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私も多くの皆さんも各自本業を持ち、それを通して患者・利用者・ご家族や関係地域に貢献してはいます。しかし、本当にそれだけで良いのでしょうか。

この国は未曽有の財政難で、医療福祉分野をみても、医療保険・介護保険上のサービスにも限界があります。しかもご存知の通り、待ったなしの状況です。それではどうすれば良いのでしょうか?それは、私達が地域の一市民として、福祉医療に携わる一専門職として、同時代に生きる一国民として、公のサービスでは不足する部分について関心を持ち、地域の課題に取り組んで解決していくこと。これが必要だと思われませんか?

そして、これは国が進める地域包括ケアシステムを下支えするということにとどまらず、これまでの自分の本業を超えて、さらにはこれまでの皆様の経験や能力を超えて、自分の新たな世界を切り拓きながら実践する「新たな挑戦」を意味します。それを一緒にやってみませんか。

本業をしながらの挑戦でもあり確かに不安もあるでしょう。しかし、ご自分が関わっている地域のために本業を超えて自分に何ができるのかと自分に語りかけることはご自身の成長にとっても大切な問いかけではありませんか。私も弁護士として、弁護士以外の自分の役割について自分自身に問いかけています。 
〜私は何ができるだろう〜

私に関心があるのは、この問いかけです。これを皆さんと一緒にそれを模索して実践し、皆さんと一緒にお互いの自分自身の新たな世界を見てみたいのです。その対象(テーマ)としては、地域の課題に取り組み、それを解決する力を持つこと、その力を実際に思う存分に発揮して地域に貢献できることは、とてもやりがいがあります。楽しげでもあります。

そのために、私が暮らしている地域で本業を超えて地域に貢献できる福祉医療専門職の人材を育て、ともに学ぶために「南区・篠木コミュニティゼミ」を立ち上げました。そして、福祉医療専門職の皆様や新聞記者や企業の方々と一緒に、この2年間、コミュニティデザイン(地域の課題をいかに取組み解決すべきかという実践学)を学び、地域に根ざした医療福祉専門職が地域の方々から頼られる「地域のファシリテーター」となる時代をめざします。

(※篠木コミュニティゼミをやろうと思った動機〜篠木氏のメールより引用)
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しかし篠木弁護士の思いとは異なり、国が精力的に進める「地域包括ケアシステム」のもとにおいても、「医療福祉関係者や民間企業が、住民の皆様とともに地域の課題を解決し地域に貢献することの重要性」は十分に理解されるには至っていない。

そのため「地域貢献の重要性」と「コミュニティデザイン」を広めるために、シンポジウム「福祉・医療専門職はいかにして地域に貢献すべきか〜コミュニティデザインを学ぼう〜」が開催されることになった。

篠木弁護士が目指しているのは、超少子高齢社会を乗り切るために、地域に根ざした福祉医療関係者が、(福祉医療とは全く無関係の)一般企業を巻き込んで地域の課題に取り組むことあり、これを乗り切ることである。

企業がその社会的責任を果たすために地域貢献や社会貢献をしたいと思ったときに、連携相手として福祉医療関係者を選ぶときに、福祉医療専門職が臆することなく一般企業と対峙できる知識や力量を備える必要がある。そして福祉医療専門職が精度の高い地域貢献を実現するために、コミュニティデザインを学び、地域ファシリテーターになることが求められている。

それを学んでいるのが、南区・篠木コミュニティゼミであり、それを広めるのが今回のシンポジウムである。

そしてこの機会に篠木コミュニティゼミでは新たな取り組みにも挑戦している。それはクラウドファンディングという、インターネットで資金を集める取り組みである。ただしそれは怪しげな資金集めではない。

地域貢献にはお金(資金)の問題が常に付きまとう。思いや人材はあっても、資金がなくて断念した取り組み、失敗した取組みは多数ある。それは極めて残念なことである。そこでそれを克服する方法を皆で経験してみることにし、それが成功すれば、そのノウハウを同じく地域貢献を志す方々に伝えたいと考えているそうだ。

具体的には「Ready for」というサイトを利用し(レディーフォー 篠木 で検索できます。)クラウドファンディングを使って協賛金を募ることである。

協賛金の額により、「資料集に掲載する企業広告」や「懇親会へのご招待」、「篠木弁護士の無料講義」など特典がいろいろあるそうだ。

しかしこれは単なる資金集めではなく、一般企業をも巻き込んで地域の課題に取り組むために、能動的な態度を身につける練習をする機会でもある。

ぜひこのシンポジウムに来ていただきたい。そしてクラウドファンディングにも協力していただければありがたい。

なおこのシンポジウムの開催と運営にはチーム篠木のメンバーが関わっている。軍師・飯山女史は勿論のこと、彼女の僕(しもべ)である高崎クンも頑張っているだろう。そしてチラシの挿絵は、チーム篠木のメンバーの坂本さんが描いたそうである。それはまさしく今回のシンポジウムのテーマにふさわしい美しいイラストである。

今回の地域貢献のシンポジウムは『花の苗植え』と同じである。いろんな人が継続して地道に苗を植えていかないと、心から笑顔で過ごせる地域(花畑)は生まれない。それを示唆するイラストである。

ぜひこのシンポジウムで育つ花となり、花を植え育てる人になっていただきたい。
チームケアマネゼミ・チーム篠木
ケアマネゼミ・チーム篠木のメンバーの方々と僕。
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