自然は人々に多くの恵みを与えるが、時に甚大な被害も与える。人類の歴史とは、その繰り返しである。

僕たちが生きるこの時代に、僕たちのすぐ近くでも、大きな自然災害が繰り返し起こっている。そしてそのたびに尊いたくさんの命が失われていった。

僕たちに今できることは、失われた命に思いを馳せ、亡くなられた人々を偲び、祈ることだけである。

今日は、あの阪神大震災から22年目にあたる日だとして、朝からそれに関連するニュースが流されている。大震災の記憶が風化していることや、被災者の高齢化など様々な問題が指摘されている。確かに六千人以上がなくなった大災害が起こった日であるが、その報道時間も年とともに減っているように思う。そして今、神戸に立ち寄っても、あの震災の爪あとを感じるような風景は見えない。

しかしそこで暮らしを営む人々は、僕のような旅人が見ることのない爪あとをまだ感じているのかもしれない。現に震災復興住宅の中での高齢化が問題になっている。そこに住まう人々は、あの震災で家を失った人々であり、そのなかには家族を失った人がいるのかもしれない。

肉親や知人を失った人々の哀しみは決して風化することも、消えてなくなることもないのだろう。

僕たちが、それらの人々の思いを察しようとしても、決してその思いに届くことはないのだろうが、せめて僕たちは、大きな災害が起こったその日に、あらためて命の尊さを思い、失われた人々の無念をかみしめて、残された者たちにできることを精一杯考えたいものだ。この日本という国の中で、何ができるかを考えたいものだ。

今日が阪神大震災の起こった日であることを意識したわけではないが、昨日自分のフェイスブックに、次のような思いを綴った。

人とはどのような存在だろう?

「人は愛するもの」、「愛情を持って接することができるもの」、「想いを寄せ、想いをつなげられるのが人」、「想いのネットワークでつなげられるのが人」。・・・そう思いたい。この答えが的を射たものではないとしても、人ということを語る上で、他者に対して「思い」を馳せる存在としての人を考えることは大切だろうと思う。人を支え、人から支えられる存在として、人の間と書いて「人間」と呼ぶことができる存在として、自らの存在や、人の存在を考えていくことは大事なことだと思う。だから人は愛するものだという場所から、自分や他人を見つめることがあっても良いと思う。

3.11や熊本地震で被災された数多くの人々、命を失った数多くの方々がいる。そうした地域で、日々の支援活動に汗をながし続けている我々の仲間たち全てに思いを寄せて、出来る限りの愛を持って、これからもそれらの人々を想い続けることが、この世に生まれ、今この瞬間もこの世に生かされている我々の務めではないかと思ったりする。


偶然このような思いを綴ったのにも何か意味があるのかもしれない。過去の災害では、僕と縁のあった方々も被害にあわれている。それらの人々にどのような思いを伝え、何を祈ろうとするのかを、今一度深く考えたい。

阪神大震災が起こったのは午前5時46分だったか・・・。早朝の眠りから覚めないまま、命を落とした人がいるのかもしれない。着の身着のままで避難した人々も、この冬の寒さでさらにつらい思いをしただろう。

僕が今ここでできることといえば、頭を垂れて、思いを寄せることだけである。その思いを文字にして伝えることだけである。

今年成人式を迎えた若者が生まれていない日の出来事である阪神大震災。

あの時は介護保険制度も誕生していなかった。3.11や熊本大地震と阪神大震災の違いは、地域の中で支援を必要とする高齢者に、介護支援専門員という担当者がいるか、いないのかという違いでもあって、しかしそのことは、非常に大きな違いであり、介護保険制度によって誕生した、介護支援専門員という有資格者の存在意義は大きいことを、このブログでは何度も指摘してきた。

その思いは今も変わりない。

そうであるからこそ、その資格を持った人々が、使命と誇りを持って人の暮らしを護ることを応援すると同時に、使命感のない、支援スキルのない人に対しては厳しい言葉を投げつけることもある。

しかしその言葉は、他人に対するものという意味だけではなく、自らにも投げかけているものであり。自らの心に問い続けるものでもある。

自分が今この国で何ができるのかを、同じ職業を持ちながら、志半ばで命を絶たれた人の思いを感じながら考えて生きたい。

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