僕は本業のほかに、登別市の各種委員会の委員として名を連ねているほか、室蘭市内にある介護福祉士養成専門学校の非常勤講師という役割ももっている。
学校の授業は1年中あるわけではなく、本業に支障をきたさないように集中講義を行っているため、今年度の授業はすべて終了した。
集中講義であるがゆえに、ある時期学生は、週2回ほど1日中僕の講義を受けなければならない。そのことを僕の立場で言えば、1コマ90分の授業を1日4コマ行うため、朝9:15〜夕方16:20までずっと講義することになる。
僕にとってそうした授業自体は全く苦にならないし、授業以外での学生とのコミュニケーションも全く苦にならない。そういう意味では、授業を行う者・講師としてだけを取り上げれば、それは自分に合っている仕事だと思っている。
しかし自分は、「教師」としては、必ずしも適性があるとは思えない。その理由は、評価が苦手であるということである。
特に僕の立場は前述したように非常勤講師という立場で、授業も集中講義なので、どうしても学生と接する時間は限られてくる。よって個々の学生の人となりを正確に把握するのは難しい。
現在の介護福祉士資格は、養成校卒業者については国家試験を受けずに、卒業しただけで介護福祉士資格が与えられる。それ故に、養成校教師の評価が、資格付与のお墨付きになるという意味がある。例えば僕の授業を受けた生徒が、成績が悪いとして単位を与えなければ、卒業できず資格も取れないことになる。しかしわずかな時間しか学生と接しない、1科目の授業担当者が、卒業資格と国家資格を阻害するような判断をしてよいのだろうかと悩んでしまう。
だから授業もできるだけ丁寧におこなうのに加え、試験は意地悪な問題避けて、できるだけみんなが単位をとれるような出題に努め、追試や追追試を重ねても何とか僕の授業単位だけは落とさないようにしている。
その背景には、本当に適性がない学生がいたとしたら、僕より責任のある立場の授業担任などが、きちんとした評価をしてくれるという信頼感があると意味もある。
ということで今年度は、もう授業はないが、卒業を目前にしての期末試験の問題作りが残っている。しかも今回は講義形式の授業ではなく、演習指導の授業の試験問題も必要とされている。これが問題である。
講義形式であれば、自分が教えた授業内容の中から、ポイントとなるキーワードを考えて、それをヒントにいくらでも問題は作ることができる。しかし演習はこれが難しい。
あるテーマを与えて、学生同士でディスカッションすることそのものに意味がある演習授業において、そこで出された結論に不正解はなく、ある意味、そこで話し合われた内容と、引き出された結論は、すべて正解である。場合によってそこには、教師の教えなど存在せず、僕が生徒に示したものなどほとんどないといえるかもしれない。そのような場合、どのような問題を作ればよいのだろう。
いろいろ悩んだ結果、今回は試験問題として自己評価を行わせるともに、演習での気づきをレポート形式にまとめる問題とした。
しかしこの方法は自分の首を絞めるような状態とも言える。なぜなら普通の試験問題なら、採点自体は簡単である。答え合わせをして、配点した点数を足し算するだけで、きわめて単純な採点方法である。
しかしレポート形式の採点は、論文審査と同様で、学生の作文を読み込んで、本来なら点数化できないものを、何らかの尺度に基づいて点数化するという、きわめて難解な採点方法をとらざるを得ない。そういう意味では、問題作成以上の労力とエネルギーを要すものだ。
試験問題を送ってほっとしている暇はなく、答案が帰ってきた際に、それを読む時間が十分取れるように、連載原稿や講演ファイルは早めに仕上げておこうと思う。
こんな状態で、たまに講演予定が入っていない土日があっても、ほとんど休んでいられない日々を送っているが、暇ですることがないよりはずっとましだろうと思っている。
ちなみに講演予定がない次の休みは、2/12(日)までない。頑張ろう。
※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
「介護の詩・明日へつなぐ言葉」送料無料のインターネットでのお申し込みはこちらからお願いします。
「人を語らずして介護を語るな 全3シリーズ」の楽天ブックスからの購入はこちらから。(送料無料です。)