先週金曜日の仕事を終えた足で、新千歳空港から羽田に飛び、土曜日は東京工業大学で行われた、「日中高齢化社会政策と産業化シンポジウム」に参加してきた。

このシンポジウムは、日中科学技術文化センターと清華大学日本研究センターが主催するもので、昨年の北京大会に引き続く2回目のシンポジウムである。

僕が6月に上海で講演を行ったセミナーは、このシンポジウムのプレセミナーという意味合いがあって、そのために当日は上海でお世話になったたくさんの人たちとの再会の場ともなった。

僕は初日の金曜日は仕事の都合で参加できず、土曜日のみの参加となったが、貴重な話を聴くことができた。

土曜日午前の講演は、中国の方が、現地の介護事情について語られていた。中国における65歳以上の高齢者数は、現在でも2億人を超えており、2030年には4億人を超えるそうである。高齢化率が日本と同じでも、この圧倒的な数の違いに唖然とさせられるが、そうであるがゆえに、医療・介護サービスの提供スケールも半端ではなく、ベッド数3.000床の医療機関に、認知症の専門棟が1.000ベッドというような話が普通に出てくるのには、少々戸惑った。

そんな中で、北京を中心に老人ホーム事業を展開する経営者の方が、自施設のサービスの状況について、映像で紹介してくれた。その内容は、日本のサービス内容やコンセプトとは、さほど違いがなく、自分が将来暮らしたいと思えるサービスを目指していることが紹介されていた。

印象に残ったのは、習近平主席の言葉として紹介された、「中国は、豊かになる前に高齢化が訪れた」という言葉である。

中国には日本の介護保険制度のような公的支援はなく、高齢者支援も民間業者が有料で担っているわけだが、その背景には社会保障にまわす十分な財源がないということもあるのだろう。

そのため有料老人ホームが、要介護高齢者支援の中心になっており、在宅サービスの社会資源は、まだまだ不十分なわけであるが、有料老人ホームに入居できる経済状況の人は決して多くなく、北京や上海等の都市部以外の老人ホームのベッドは、半分以上が埋まっていないそうである。中国の経済格差は日本の比ではないため、地方の人は、自分の介護にかけるお金もないという事情もあるようだ。そもそも介護は子が行うことが当然という文化が根強く残っており、そのような中で、長年一人っ子政策がとられてきて、その影響で親の面倒を見る子供が居ない家庭が増えているのが、「空巣老人」と表現される、独居老人問題である。

そんな背景があらためて理解できる講演であった。

午後からは日本側の講演が主体で、介護ロボットの開発などの講演があった。

介護ロボットについては、人手不足を補うほどの実用化なロボットは現在ないのではないかということを、いくつかの記事で書いてきたが、介護現場で実際に使われているロボットの中で、月数万円でレンタルできるコミュニケーションロボットは、一人の新人介護職員より良い仕事をする実例などが紹介されていた。特にリハビリ目的のレクリエーション指導などは、ロボットが人間に替わってできることが良く理解できたし、見守りロボットも、人間の業務を省力化することが理解でき、可能性を感じることができた。

このシンポジウムは、日中医療福祉交流協会が共済していることもあり、医療面の講演も多かった。動脈硬化を予防する新薬の開発状況や、心電図の解析など、普段聞くことのない講演も興味深く拝聴させていただいた。

僕が参加しなかった初日の講演では、竹内孝仁氏が、あの竹内理論を、「自立支援型ケア」の方法論として紹介したようである。中国の方があの理論を鵜呑みにしないことを願うばかりである。

今回は東銀座のホテルに滞在したが、そこは築地市場に程近い場所で、有名な「すしざんまい」の本店がすぐ近くにあるなど、周辺にたくさんのおすし屋さんが軒を成していた。今回は寿司を食べる機会はなかったが、周辺をぶらぶらしながら店を覗いて価格を見ると決して安くはなく、ある意味、観光価格なのかなと思ったりした。

前述したように2泊3日の東京滞在に際して、金曜日の業務終了後に新千歳空港から飛び立ったわけであるが、それは17:30に退勤して、18:30発の飛行機に乗るというタイトな日程であった。そのため車を空港の駐車場に止めたわけであるが、そのときは千歳もまだ冬道ではなかった。

ところが土曜日の夜から日曜日の午前中にかけて、11月としてはありえない降雪となったため、僕が北海道に帰る日であった日曜日の午前の札幌行きの航空便は、欠航や遅れで大混乱となった。幸い午後から天候が回復し、僕が乗る便は45分遅れで新千歳空港に降りることができたが、問題は夏タイヤのままの自分の車をどうするかという問題。

しかし幸いなことに、僕が帰る登別方面は、降雪がなく夏タイヤで問題ない状態との事で、シャーベット状の路面となっている新千歳空港の周辺道路だけ、のろのろ運転で注意深く通過して、なんとか家にたどり着くことができた。そしてすぐさまタイヤ交換した。

今朝の千歳市内の道路は圧雪・アイスバーン状態になっているので、夏タイヤでは走れない。このまま根雪にはならないと思うが、どちらにしてもまた厳しい冬の到来である。

今週末は、博多〜熊本と、暖かい地域で講演予定があるので、それを楽しみにして、寒さにめげずに頑張ろうと思う。
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