台風が北海道に上陸することはきわめてまれである。

その理由は、北海道周辺の海水温が低いので、北海道に近づくほど台風の勢力を保つことができなくなり、温帯低気圧に変わる例が多いし、偏西風の影響で直撃のコースを外れる台風が多いからである。

気象庁によると、北海道に台風が上陸するか、上陸しなくとも近くを通って重大な影響を与える数は、年平均1.8回ということだ。

ところが今年は、すでに3本の台風が上陸したほか、甚大な被害という形で影響を与えた台風の数は合計6本となっている。しかも短期間に集中しているために、河川の氾濫を始めとした被害は日に日に拡大している。

昨日の台風10号も、上陸はしなかったものの、北海道を掠めて通った際に、道内は風と雨で大荒れの状態となった。

僕の住む登別も、海岸沿いの地域の世帯に対して避難勧告が出ていたし、一部の道路は通行止めになっていた。さらに停電した地域もあり、一部地域ではまだ電気が復旧していない状態だそうである。

僕の家や家族に被害は無かったが、隣家のバイク用のテント(車庫として使っている)が風で飛ばされてしまっていた。

今朝は風雨も収まりつつあったが、道路の通行止めは続いており、迂回路を通りながらの通勤は、いつもより大幅に時間を要する結果をもたらした。

僕は現在、片道90キロを自家用車で通勤しているので、その間の台風の爪あとをつぶさに目にすることができる。大きな看板が倒れているところや、木々の倒れている場所も目立っている。道路にもいろいろなものが落ちている。飛ばされた網戸が雨に濡れていたりする。

それでも登別〜千歳間は、さほどの被害が大きくなかったようだが、十勝方面等は、河川の氾濫などで浸水した家や道路もあり、亡くなられた方や怪我を負った方も居る。今朝僕が家を出た時点では、冠水した道路に立ち往生した車の屋根に昇って救助を待っている人もいた。一刻も早く救助してほしいものだ。

そんな状況ではあるが、一昔前と明らかに異なっていることがある。それは介護保険サービスを利用している高齢者の方であれば、(セルフプラン利用者を除いて)担当の介護支援専門員がいて、安否確認をしてくれるということである。

勿論、法令上どこにも、災害時に介護支援専門員が、担当利用者の安否確認をしなければならないという規定は存在しない。そうであっても、昨日〜今日の様な北海道の状況下で、自分の担当している利用者の安否確認をしようとしないケアマネは居ないだろう。あの3.11のときも、自分が被災者であるのに、自分の担当者の安否確認のために、被災地を走り回っていた介護支援専門員を何人も知っている。

介護支援専門員とは、そういう「人種」であると思う。

そしてそういう専門職の人たちが、全国津々浦々に居る。

これはとてもすごいことだ。どんな小さな村にも、居宅サービスを利用する高齢者を見守り、支援する担当者がいるということは、国民の福祉の目に見える向上であるといってよいし、それは介護保険制度が生んだ、一番の功績であるといってよい。

困っている、困っていないに関係なく、何かあったら声をかけてくれる自分の支援担当者がいるということに勝る安心感は無い。

こんな状態だから、北海道では今日も事業を休止している介護サービス事業所がある。普段デイサービスに通っている独居の高齢者の方で、家から一歩も出ることができない人がいるかもしれない。特段被害が無くとも、外出できずに食料や水に不自由しているやもしれない。

そんな人たちにとって、わずかな時間でも訪問して声をかけてくれるケアマネは、本当に頼りになる存在であると思う。そういう人たちに代わって、その人たちの心の声を伝えたい。「あなたが居るから、毎日安心して暮らせるのです。」と・・・。

そんな介護支援専門員って、すでにこの国にとって、居なければ困る存在である。

そういう職業に就いている介護支援専門員の皆さんは、どうぞそのことに誇りを持ってほしい。僕はその誇りを護るために、影に日に、自分のできることを続けていくことを約束したい。

そんな僕が、岐阜県大垣市で介護支援専門員の皆さんに、直接お話しする機会がある。

28年9月22日(木:秋分の日)の13:30〜15:30、ロータスケアセンター(岐阜県大垣市)の内覧会にて、「ケアマネジャーの地域活動と多職種連携」をテーマにして講演を行うので、お近くの方は、この機会に是非、新しい施設の見学がてら、お越し願いたい。

それでは当日、大垣市でお逢いしましょう。

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