昨日は、札幌市老施協の相談員を対象にした研修会に招待され、介護施設や通所サービスにおける相談員の役割と実務をお話してきた。

その内容は、あくまで僕が特養や老健、通所介護等で実践してきた、あるいは実践している実務からの視点であり、まさに実践論である。

講演後に、受講された方から、「今まで一番良い話を聞いた」、「2時間という時間が短く感じる参考となる内容だった」という声を直接かけていただき、感謝している。

講演後は、交流会(懇親会)にも参加し、夜9時札幌発の高速バスで登別まで帰り、自宅には11時過ぎに着いたが、さわやかな良いと疲れを感じる良い一日だった。

特に相談員という、僕の本来ステージの専門職の方々と、じっくりお話をすることができて気持ちよく酔った。若い相談員さんたちの日ごろの業務に対する考え方も聞くことができて、勉強にもなった。

相談援助業務といっても、所属する事業者によって、期待されるところも、求められる業務内容も様々で、それぞれに悩みや心配事も抱えながら、日々迷いながら業務を続けている人が多いようだが、共通していることは、相談援助職に使命感を持って、日々学びながら利用者の暮らしを護ろうと、真摯に取り組もうとしていることだ。僕も若い頃を思い出した。

お話の中で幾人かの相談員から、「待機者が確実に減っている」、「なかなか新たな入所相談が来ない」という話があった。

このことは高齢要介護者の、居所の選択肢が広がっている結果であり、今後団塊の世代の方々の、施設入所ニーズが増大したとしても、それらの方々は比較的高い額の年金受を受給しているため、必ずしも利用料だけで入居施設を選ぶということではなく、特養への入所希望者が、今後劇的に増えることはなく、過去のようにすべての地域の特養が、たくさんの待機者を抱えて、親方日の丸的に入所する人を選ぶことができるという時代には還る事はないだろう。

どちらにしても介護保険施設が、利用者確保に困らないという状況は過去のものとなり、顧客確保のために何が必要かということを、真剣に考えなければならない時代である。少なくとも、介護サービスの品質に気を使うことなく、漫然としたサービス提供を続け、利用者ニーズに対応しようとしない施設は経営危機に陥ることだろう。

相談員はこの状況をしっかり理解して、他の職員にも危機意識を持つように指導しながら、顧客に選ばれる施設を創るためのタクトを振る役割が求められてくる。

その役割とは、相談員が地域の中で営業回りをして、顧客を確保するという役割ではなく、相談員が施設だけではなく、地域にも貢献する施設サービスという意識を持って、その質を向上させるリーダー役として存在することだろう。

そうした経営視点や、中間管理職としての役割はより重要になるだろう。

同時に、ソーシャルワーカーとしての相談員は、利用者の権利擁護のために存在するという基本姿勢を忘れてはならない。利用者の代弁者としての役割を忘れてはならない。その基本姿勢は、場合によっては、事業経営のための姿勢と相反することがあるかもしれないが、その際には、利用者の暮らしを護るという観点から、物言う人でなければならない。

昨日は、そういう意味から、「竹内理論」と呼ばれる、個別アセスメントのない、一律1.500ml/日の水分補給を強制的に行っている施設に、ソーシャルワークの視点はないのかという問題提起も行ってきたが、ほとんどの受講者の皆様から、その考え方に賛同していただき、僕も勇気を持つことができた。

実際にこの理論をt里入れていた施設に所属し、そこで異議を唱えていたという人は、僕の話を聞いて、「涙が出そうになった」と言って下さった。それだけこの理論の実践施設では、利用者が悲惨な状況にさらされている。

全国老施協が(この問題に気づいたかどうかは分からないが)、この講習をやめたというのに、北海道では相変わらず、この人権蹂躙の方法論を教える研修会を開催し続けている。洗脳を受けたかのように、そのことを妄信する、わけのわからない施設長も存在する。

そんな中で、せめて相談員は、施設の掲げた目標のみを達成しようとして、利用者の悲惨な状況を生み出しているこの方法論の間違いに気づいて、利用者本位を真の意味で実現するために、勇気ある声を挙げる人で居てほしいものだ。

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