大きな国政選挙が一段落した。

僕は比例区のほうは、政党名ではなく個人名を書いて投票した。僕の結果は、比例区・選挙区で1勝1敗となった。

全体の選挙結果という点でみれば、今回は与党の圧勝と見て良いのだろう。与党独裁政権というのは、国民の意見が届くのか心配するところだが、1票を投じて国民の義務を果たしたのだから、それなりの主張を続けていきたい。

それにしても投票率が低すぎる。1票には力がないのかもしれないし、自分が推薦するに足る人物がいないという意見も分からないではないが、よりましな方向を見据えてでも、1票を投じるというかたちで、国に物言うことは大切なことだと思うのだが・・・。

そういえば、全国老施協の推薦候補は、比例区で見事当選したようだ。当選順位では、滑り込みセーフとはいえ、落選とは雲泥の差である。これによって全国老施協が政治力という強い見方を得て、前回の制度改正・報酬改定と異なりは、発言力が増すことを期待したいものだ。

介護保険制度に関して言えば、選挙を終えたことで、一挙に審議が進んでいく。しかしその方向性は、国民にとって必ずしも望ましい方向とは言えない。

まずは第60回社会保障審議会介護保険部会で、軽介護者の給付切捨てと、福祉用具及び住宅改修の給付制限が規定路線化されようとしている。

今回の選挙でも社会保障は大きなテーマの一つであったはずなのだが、介護保険制度の改正というミクロの論議は全くなかったので、財務省等のかねてからのシナリオどおりに、給付制限が進められていくのだろう。

この部分について言えば、全国老施協にも期待薄である。昨年同会が出した、「2025年に向けたあるべき社会保障制度改正を目指して〜財政健全化に関する意見書」では、「保険給付と保険外給付(完全市場原理)の棲み分け」として、「介護保険給付は、施設サービスをはじめ直接介護を要する事業や標準水準の生活維持を目的とした事業に限定し、それ以外の付加的サービスは原則自己負担」とかかれており、例)として、福祉用具は、車いす・特殊寝台・床ずれ防止用品・自動排泄処理装置等に限定するべきとしているので、それは概ね財務省等の主張する給付制限と方向性は同じといってよく、僕の意見とは異なるものだ。

こうした方向に今回の改定議論が進んでいくのだろうが、そこに果たして「国民の福祉の向上」という視点は存在しているのだろうか。どうも怪しいところである。

施設サービスについては、今後の議論になるが、その方向性も厳しいといわざるを得ない。

ところで、施設サービスの中で現在示されているものは、職員の省力化に繋がる介護ロボットの導入施設に対する報酬加算である。

このことについて、月曜日にアップしたキャリアブレインの僕の連載、快筆乱麻!!masaが読み解く介護の今5でメッタ切っているので、ぜひそちらもご覧いただきたい。

ロボット導入施設への加算は、当然ながらロボットを導入せずに、加算算定しない施設の基本報酬単価が削られることを意味している。それはおかしいだろうと異議を唱えさせてもらっている。(※ただしこちらは有料サイトである。)

一挙に進む改訂議論の中身は、こちらで随時論評していこうと思うが、このブログ読者の皆様も、その議論の流れに注目し、今いる場所でできることとして、必要な意見を表に出していただきたいと思う。

介護保険部会等で決まったことは、やがて法令として規定され、それは我々が守らねばならないものとなる可能性がある。しかしそれは変えられないものではないし、唯一の真実でも、正解でも、正論でもないという考え方も必要だ。

我々が見ている場所で、我々しか護ることができないものも存在するということを忘れてはならない。

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