7/10の参議院議員選挙に関連して、介護施設では投票所へいけない利用者のために、不在者投票を行うことになる。

老健の場合も、施設内で定めた期日に不在者投票を行うが、そのためにあらかじめ利用者の医師を確認し、投票用紙を各市町村に請求する事になる。参議院議員選挙は国政選挙だから、住所地がどこにあろうと、選挙権のある人は投票できるわけであるから、施設に住民票を置かないことが原則の老健の場合、請求市町村は複数にわたることが多い。

ただ投票用紙を請求してほしいという意思を示す人は、利用者の約半数で、投票用紙を請求しても、不在者投票当日に実際の投票行動に結び付かない人もいる。特に不在者投票の場合、投票用紙を内封筒と外封筒に入れて投票するという仕組みなので、その煩雑さを嫌って投票しない人もいるので、この方法がなんとかならないのかと思ったりする。

しかし投票する人の姿はみな真剣である。老健だからリハビリに取り組んで、利き腕変換している人も多いが、不自由な手足を懸命に動かしていり人、震える手で時間をかけて文字を刻む人、選挙公報を1時間かけて読み込んで投票する人など、選挙に行ったことがないという人に、一度見せてやりたいほど真摯な姿勢がそこかしこにある。

こういう人たちこそ、国政に意見を言えるというもので、投票もせず、政治に関心も持たず、それでもってマスコミの論調に乗って政治家や国政を批判するだけでは、日本は変わらないといいたい。

それにしても、この参議院選挙の盛り上がりに欠ける様子は何だろう。政権運営に直接関連しない選挙だからだろうか。それとも政治全体に対する期待の薄さだろうか・・・。

現在政治力を失っている全国老施協としては、この選挙でなんとしても応援する候補を当選させて、次期介護報酬改定に向けた政治力を手にしたいだのだろうが、その懸命さもイマイチ伝わってこない。

選挙で示す公約の中には、介護職員の処遇改善という内容も入っているが、介護保険制度全体の方向性に及ぶ公約は見当たらない。軽度者を給付から切り捨てていく流れが敷かれていることに、異議を唱えるような公約なり意見なりがまったく出されないのはなぜだろうか。

そんな中で、介護関係者のおとなしいことといったらない。前述した軽度者の切り捨ては、国民の福祉の低下のみならず、介護サービス事業者にとっては死活問題だ。顧客がある中で過当競争を強いられて、しかも介護き給付費の上がる見込みはほとんどないという状況に、何らかのくさびを打ち込むなり、風向きを変えるなりする様な動きが見えてこない。

そういうお前はどうなんだといわれるかもしれないが、僕が選挙に出るわけにはいかないので。せめてよりましな候補者を選んで1票を投じようと思う。

同時に僕のできることは、現在7本の連載を抱えながら、全国での講演活動を行っているという状況を生かして、自分の主張を文章や言葉にして、いろいろな場所で主張していくことだと思っている。

明日から、大阪市老連看取り介護講演(金)〜本音のトークセッション大阪介護の陣(土)〜東京介護甲子園コラボセミナー(日)と熱い3日間が始まる。

そこで熱い仲間とつながりあって、一陣の風を吹かしてきたいものだ。

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