金沢に初めて行ったのは、昨年1月、石川県老人福祉施設協議会主催・生活相談員研修会の講師として招致を受けたときである。

正味2日間しか滞在しなかったが、風情のある素敵な街で、気持ちが良かった。講演前の少しの空き時間、兼六園も見学したが、冬囲いの景色もおつなものだった。その時、北陸新幹線は金沢まで新幹線がつながっていなかったが、その2月後に長野〜金沢間も新幹線でつながった。

そして今年、函館まで新幹線がつながったことによって、北海道と金沢は、飛行機やフェリーを利用しなくとも、陸続きの移動で行ける状態になった。

そんな中、今年も石川県老人福祉施設協議会からご招待を受け、素敵な街・金沢に行くことができる。今週金曜日に現地入りして金沢地場産業振興センターで、昨年と同じく生活相談員研修会の講師を務める予定である。今回は時間の関係で新幹線使わず、羽田経由で小松空港まで航空機で飛ぶ予定だが、いつか新幹線で、ゆったりと金沢まで行きたいものだ。

しかし今年は、時間的には昨年より余裕がある。石川県老人福祉施設協議会堅守が開催される同じ会場で、日曜日に予定されている、株式会社 ハシノメディカル主催セミナーの講師も依頼されて、金曜日〜日曜日まで滞在する予定となり、土曜日はまったくのオフという恵まれた日程になっているからである。(参照:masaの講演予定

同じ時期に金沢では、「百万石まつり」が開催されているそうである。移動を考えると、そのことは大変なことかもしれないが、またとない機会といえるかもしれない。楽しみである。

さて金曜日の研修内容であるが、僕の講演テーマは、「施設サービスの質の向上〜生活相談員の果たす役割」としており、これは昨年1月のテーマとほぼ同じである。

しかし研修参加者には、昨年受講し、今年も受講する人がいないとは限らないので、同じ話では困ると思う。そこでテーマは同じでも、今年は昨年と違った角度からその役割をお話ししようと思う。2年連続受講の方は、どうぞご安心願いたい。

僕の講演は実践論なので、実務に即してお話しすることになる。そうであるがゆえに、今年度から職場が変わったことが、話の内容に影響しないわけがなく、現在の職場の事例も織り交ぜている。

施設ケアマネジャーは、相談援助職でありソーシャルワーカーですよ」という記事でも指摘しているように、僕はかねてから施設ケアマネと相談員の関係性を考える際には、専門看護師と看護師の関係性を当てはめるのがわかりやすく、施設ケアマネとは、相談援助の専門技術を身につけたソーシャルワーカーなのだから、相談員の中でスーパーバイザーとなり得る、相談援助職のリーダーであり、施設内の頭脳であり、PDCAサイクル構築の旗振り役であると主張している。

よって施設の介護支援専門員と相談員の職種の役割の区分はありえず、区分するとすれば、施設内のシステムとしての業務分掌によって、両者の業務を区分するしかないと考えている。

だからといって、配置基準が100人の利用者に対し、介護支援専門員が一人だけの配置でよく、しかも相談員と兼務しても、一人の職員でケアマネおよび相談員の常勤専従と認められるというルールを、そのまま当てはめて配置しておればよいとは思っていない。

100人の利用者に対しては、相談援助職は複数必要だし、その際に介護支援専門員と相談員をそれぞれ複数配置して、施設内で業務分掌をきちんと定めておくということは、施設サービスの品質を高める上では、必要不可欠なことであると思っている。

実例として現在の職場の人員配置状況と、業務分掌を紹介するために、次のようなファイルを作った。
施設ケアマネと相談員の業務分掌
他施設で同じ体制ができるということにはならないが、参考にはなるし、業務分掌の考え方を理解するうえでは実例があったほうがよいだろう。

それでは、金沢の相談援助職の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

なお日曜日は金沢地場産業振興センターで、13:00〜14:30から「介護保険施設の介護・看護のリーダー育成について」というテーマで講演するので、そちらにもぜひご来場いただきたい。