現在勤めている老健と、それまで勤めていた特養の業務を比較すると、老健の業務の流れは、スピード感が求められると実感している。

特養に入所してくる人は、「新しい暮らしの場」を求めている場合が多く(※本人が求めるのではなく、家族が求めている場合が多いが)、終生施設として、いったん入所された方は、お亡くなりになるまで、特養に暮らし続けることになる場合がほとんどだ。必然的に、入退所は頻繁ではなく、月に2〜3ケースもあるかないかで、それなりに忙しい入退所支援業務も、どこかゆったりした流れの中で行われている。

しかし老健はそうではない。老健の基本機能は在宅復帰施設であり、医療機関と利用者の居宅の間に位置する「中間施設」として誕生した。地域包括ケアシステムの中では、利用者の地域での住まいは、元の自宅に限らず、介護施設を含めた居住系施設や、サ高住も含まれてきているために、中間施設としての役割は、医療機関と、それ他の多様化する住まいとの間に位置するという意味に変化してきているが、どちらにしてもリハビリテーションサービスを提供して、次の居所選びを行う場所としての機能が中心になっている。

そのため入退所は月単位ではなく、週単位で考えねばならず、毎日のように入退所支援業務がある。そのためゆったり構えている暇はないという感じである。

しかも利用者が他の医療機関に入院する場合の取り扱いがまったく異なる。

特養の場合、入院者が出ても、基本的にベッドを空けておき(ショート空床利用として使うことは可能)、3月間は利用者の籍を置いたままで、それ以内の退院は、即利用再開となる。その際は再入所ではなく、継続入所状態だから、再契約も必要ない。

そのため急な入院が出たとしても、入院準備に忙しさを感じても、いったん入院してしまった後は、退院が決まるまで何かアクションをする必要が、とりあえずはない。

しかし老健はそうはいかない。入院=退所であるから、退所手続きとともに、その退所の補充の入所支援を行う必要があるし、入院のために退所した人が、医療機関から退院する場合には、再入所手続きを行わねばならないから、その支援を退所直後から行わねばならないことになる。

だから予測していない急な入院が発生すれば大変なことになることが多いが、この予想外の入院=退所が、結構日常的だから大変である。

例えば、その日の午前中に入所相談がある場合で、待機者がいない状態である場合も、居室に空きがないと待機となるので、すぐに施設入所したい希望者についてはお断りせざるを得ないということになる。それなのに、午後から急な入院が発生して、入所できるベッドができても、待機者がいないことで、午前中にお断りしたケースの方に連絡を入れて入所を打診するという可能性もあったりして、予測のつかない状況でバタバタ動かねばならないことが実に多い。

それに加えての日常業務が、これでもかこれでもかと押し寄せてくるのだから、一日があっという間で、朝仕事を始めて気が付いたら退勤時間だということが実に多い。まあ、そんな忙しさを楽しんではいる。

当施設は、100人定員のうち、半分の50床が認知症専門棟であるために、在宅復帰加算を摂れる施設ではないが、これが在宅復帰型老健や加算型老健ならば、もっと速い流れの中で動いているのだろうと想像すると、介護保険施設と一言で表現したとしても、それぞれの施設種別ごとに様々な特徴があるのだなあと感心したり、驚いたりしている。

ところでそのような特徴を持つ老健施設であるが、もうひとつ特養との違いは、看護職員は数多く配置され、看護職員が毎日夜勤を行っているということである。当施設で言えば、毎日介護職員が4人、看護職員が1人夜勤をしている。

そのために胃瘻などの経管栄養の対応も可能で、そのキャパも結構ある状態だ。にもかかわらず、ターミナルケアを行っていない。ターミナル状態の方は、系列の医療機関に転院して看取ることになるそうだ。

しかしそれはもったいのないことだ。職員はターミナルケアに関わり、そこでうまれる様々なエピソードに触れることで、介護という職業の使命感を持つことができ、介護職に携わることに誇りを持つことができる。それが就業意欲のアップにもつながり、介護職員の定着率のアップにもつながることは、僕の過去の経験則からも明らかである。(参照:地域包括ケアシステムの中での老健の機能を考える

そのために何とか、この施設でもターミナルケアに取り組めないかと思案中である。

とくに来年10月、この施設は母体法人の敷地内に新築移設し、渡り廊下で母体法人ともつながる予定なので、医療支援もよりスムースにおこなわれる体制になるだろう。

そういう状況もあるのだから、近い将来何とかターミナルケアを実施す体と思う職員が増えるように、何か企んでいきたいと思ったりしている。

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