前職を辞めることを決めたのは、もう1年以上も前のことである。しかしその際は、別の法人に就職することなど考えておらず、講演と執筆活動を中心にした独立事業を行うことを思い描いていた。

そんな中で昨年3月、高校時代の同級生が務めている法人で、職員対象の講演講師を務めた。その後のオフ会の席で、アルコールで口が軽くなったこともあって、仕事を辞めて新たな挑戦をするという話をした。その時に同級生から、そうであるなら、ぜひ仕事を手伝ってほしいと頼まれた。彼はその年の4月から、看護部長に就任することが決まっていて、医療法人全体の人事にもタッチしていたため、そういう話になったものと記憶している。

ただその際は具体的な話はなく、それもあるかなあという程度の軽い返事で終わった。・・・はずである。

ところが同級生の方は、それが決定事項と思い込んでいて、話がどんどん具体化し、昨年の7月に彼が上司とともに登別まで僕を訪ねてきた。仕事を終えた後、食事をしながら具体的な就業条件などを提示された。僕はその時点で、27年中に辞表を出して、年度内に新しいステージに挑戦しようと思っていたため、前職を辞めること自体には躊躇はなかった。むしろそのことは僕の頭の中では既定路線であったし、家族にもそのことの理解はしてもらっていた。

そのようななかで、熱心に誘いをうけたことで、独立営業はいつでもできるので、彼の助けにもなる仕事をしてみようという気にもなった。老健の仕事というのも未体験であったため、逆に魅力を感じた。そんなこともあって、現職をお受けして、今年4月からの転職となったわけである。

現法人への就業条件を提示された時点で、老健施設の事務次長職という立場の提示もあったわけであるが、そのことは少し僕を戸惑わせた。僕自身は特養の総合施設長を務める以前は、相談援助職を長く勤め、基礎資格も社会福祉士と介護支援専門員であったために、いわゆる事務屋ではない。だから事務次長というピースに、自分のスキルがはまるだろうかと、少し不安を持った。

しかし僕のやりたいことを理解している同級生のおかげかどうかわからないが、実際の僕の業務は、相談援助職の業務ということになった。この部分は専門家であるから何の不安もない。ただ特養と老健、福祉系サービスと医療系サービスの違いもあり、求められる立ち位置も違っているので、現在のところ見習い修行中というのが本当のところだ。

ただ僕はここで相談援助職の中心になっていくのではなく、僕と同時に入職した新卒の相談員をフォローして育てていくのが大きな役割だと自覚している。先がそう長くはなく、若くない僕のカラーを出していくのではなく、若い人がその能力を十分発揮できて、若い人々が地域の先頭に立って走るクリアコートカラーを作ってくれるような仕事をしたい。手柄は若い人に、責任は僕がとるというスタイルで行きたい。

僕自身のカラーは、老健の業務の中ではなく、北海道介護福祉道場 あかい花の活動の中で出していけばよい。

ところで、僕はこの業界では少し有名といってよい立場なので、普通に会話しても相手が構えたり、ビビったりすることがある。そのつもりはなくとも、馴れ馴れしく話しかけると、高飛車な態度と誤解されることもあるので、新しい職場や、それに関する業務で出会う人に対しては、できるだけ丁寧な言葉で、腰を低く接していかないとならないなと思ったりしてる。卑屈にならない程度に、礼儀をわきまえて接していきたい。ここでの座右の銘は、「/実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」である。

そんな風にして1月が経過し、業務にも慣れてきて、外部の相談援助職の方々と様々な形でコミュニケーションを交わす機会も多くなった。今まで働いていた地域とは全く異なる地域なので、初対面の方が多い。(僕の講演を何度か聞いてくれたという方も大勢いるが、僕にとっては初対面である)

老健の場合、入院は即・退所であるが、短期入院の場合は、ベッドを空けておいて再入所とするケースが多いので、そのために医療機関の相談援助職とのかかわりも多くなり、地域としては千歳市だけではなく恵庭市の医療機関関係者ともかかわる機会がある。

そんな中、先日ある医療機関のソーシャルワーカーに、短期入院の方の退院見込みについて、電話で問い合わせた。こちらは丁寧に、当たり前のことを聴いているだけだが、相手方は、なぜそんなことをわざわざ確認しなければならないのかというよな口調で、電話口での言葉遣いもため口である。

こちらが新人だということで、そのようなため口を使っているのかどうか知らないが、どんな顔して生意気な口きいているんだろう。

コミュニケーション能力を酷使して調整役を担うべきソーシャルワーカーとあろうものが、ホスピタリティの精神のかけらもなく、問い合わせにため口で答えるとは何事かと思う。

僕の心の中の声を正直に書くとすれば、「どこの小娘か知らないが、誰に向かって話していると思ってるんだ!!」といったところである。

だけど相手の電話口の姿を想像するに、その姿は滑稽にしか過ぎない。自分はそう思われないように十分気をつけようと思った。

しかし仏の顔も三度だぜ。

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